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高齢者の要注意疾患“心筋梗塞”、“狭心症”とは?

心筋梗塞や狭心症をまとめて「虚血性心疾患」といいますが、どんな疾患か、ご存知でしょうか。
高齢者に多く、
心筋梗塞と狭心症をあわせて毎年7万人の方が命を落としています。

今回は、高齢の方や、ご家族に高齢者のいらっしゃる方に是非知っておいてほしい、、“心筋梗塞、狭心症”についてご紹介します。
高齢者の方の介護をしている方、介護職についている方、あるいはご高齢の方、必見です!!

高齢者に多い疾患とは?

まず、高齢者に多く見られる疾患をいくつかご紹介します。

【糖尿病】

これは知らない人は居ないくらい有名ですね。
インスリンの作用の不足によって血糖値が通常より高くなってしまう病気です。インスリンを分泌する細胞がアレルギー反応により破壊され発症する「1型」、遺伝的素因と生活習慣により発症する「2型」があります。糖尿病の実に95%が2型糖尿病に該当します。

【慢性腎不全】
腎機能が不可逆的に低下した状態のことをいいます。
腎臓は血液をろ過し、余計な水分や老廃物、酸、電解質を尿として排泄する役割を担うため、慢性腎不全になると、

  • むくみ(浮腫)、肺水腫、高血圧
  • アシドーシス
  • 高カリウム血症
  • 低カルシウム血症、骨密度低下
  • 貧血

上記のような症状が現れます。
原因疾患としては、糖尿病、高血圧、慢性糸球体腎炎があげられます。

【脳血管障害】
脳梗塞や脳出血、くも膜下出血などの脳血管疾患の後遺症として多様な病態をあらわす障害のことです。

【関節リウマチ】
ゆっくりと確実に関節破壊が進む疾患のことです。
体のいずれの関節にも起こる可能性があり、特に女性に多い疾患です。

【白内障】
レンズの役割を果たすはずの水晶体が白色や黄白色に混濁し、視力を障害する疾患のことです。
70歳以上の高齢者のほとんどにみられると言われています。

【慢性閉塞性疾患】
気管支、細気管支、肺胞などに慢性の炎症が生じ、空気の出し入れに障害が起こる疾患のことです。

【閉塞性動脈硬化症】
四肢の主要な動脈の動脈硬化が進み、狭窄または閉塞が起こることにより血液の流れが悪くなり、手足に循環障害を起こす疾患のことです。

以上、いくつかご紹介させていただきましたが、他にも高齢者に多くみられる疾患は多数存在します。
高齢の方の介護に携わっている方は、一度、整理しておくとよいかもしれませんね。

心筋梗塞について

心筋梗塞とは一体どんなものなのでしょうか?そして心筋梗塞が引き起こされる原因やリスクについてご紹介します。

心筋梗塞とは?

血管内の「プラーク」と呼ばれる脂肪などの固まりや血栓が、冠動脈を完全に塞ぎ、血液がほぼ流れなくなってしまった状態を心筋梗塞と呼びます。
冠動脈が塞がれてしまうと、心臓に血液が流れ込みませんので、心臓の筋肉細胞は酸素や栄養が届かず壊死してしまいます。
心臓が働かなければ、全身の組織や細胞に栄養も酸素も届けられなくなるため、あっという間に死んでしまうのです。
心筋梗塞を発症した方の約半数は残念ながら亡くなっています。

心筋梗塞の症状と経過

心筋梗塞は、何も高齢者に限って起こるものではありません。
原因やリスクはある程度わかっているものの、ある日突然、誰にでも起こりうる病気なのです。
そして、心筋梗塞の発作には、激しい痛みを伴います。心筋梗塞の痛みは、
「やけ火鉢を心臓に突き刺されたような激しい痛み」、「心臓の当りを強く圧迫されているような耐えがたい痛み」などと表現されます。
痛みだけでなく、「冷や汗」や「吐き気」を伴うこともあるようです。
そして、この痛み(発作)が起こった場合、どれだけ早く救急処置を行うことができるかが、患者の予後を大きく左右します。

心筋梗塞の原因

心筋梗塞の直接的な原因は冠動脈の狭窄ですが、その背景には以下にあげる要因があるといわれています。

  • 高血圧
  • 糖尿病
  • 動脈硬化
  • 肥満
  • 喫煙
  • アルコールの過剰摂取
  • 不規則な生活
  • 加齢
  • ストレス

更に、上記を掘り下げると、生活していく中で気をつけたいポイントは多々ありますが、適度な運動を取り入れたり十分な睡眠をとって規則正しい生活を心がけたりと、健康を意識した生活を送ることが何よりの予防策になります。

心筋梗塞の種類

急性心筋梗塞
心筋梗塞を発症してから72時間以内のもの。

亜急性心筋梗塞
心筋梗塞を、発症してから72時間以上、1ヶ月以内のもの。

陳旧性心筋梗塞
上記以外のもの。

心筋梗塞を発症してしまった芸能人

心筋梗塞を発症してしまった芸能人をご紹介します。

【天海 祐希】

元宝塚で男役としてトップスターとして活躍、現在は女優として多くのドラマや舞台で活躍を続けています。
そんな彼女ですが、2013年、45歳の時に、舞台出演後、「からだがだるい」と訴え病院へ受診、急性心筋梗塞を発症しています。入院生活を経て、現在は無事復帰されています。
一見するとスリムで健康的な印象ですが、仕事によるストレスが原因で心筋梗塞を発症したのでは?との憶測も飛んでいます。

【松田 直樹】

サッカー選手で元日本代表選手です。練習中に倒れ、人工心肺をつけるなど救急処置がほどこされましたが、意識は戻らず、34歳の若さでこの世を去りました。

【森本 レオ】

俳優・声優・ナレーターなどとして活躍されました。特に、機関車トーマスのナレーションは有名ですね。
2010年、胸部の激痛を訴え病院に救急搬送され、心筋梗塞と診断されました。
大事には至らず、カテーテル治療を経て、回復されました。

狭心症について

狭心症とは一体どんなものなのでしょうか?そして狭心症が引き起こされる原因やリスクについてご紹介します。

狭心症とは?

心筋梗塞が、冠動脈を完全に塞いでしまった状態なのに対し、狭心症は、冠動脈が完全には塞がれていない状態です。冠動脈内部は狭くなっていますが、血流が途絶えているわけではないため症状は一過性で、改善するケースがほとんどです。

狭心症の症状と経過

急な運動をした時や、寒暖差の大きい時に狭心症が起こりやすく、突然胸の痛みを感じます。
呼吸が苦しくなり、冷や汗が出たり、吐き気をも代オスケースもあります。
心筋梗塞と違い、症状は一過性で、安静にしているうちに痛みは治まってしまうケースがほとんどです。
放置してしまいがちですが、心筋梗塞の一歩手前の状況ですので、必ず医療機関を受診するようにしましょう。

狭心症の原因

狭心症の原因は、心筋梗塞の原因と同様、糖尿病、動脈硬化、肥満、喫煙などがあがられます。

狭心症の種類

一般的に、「労作性狭心症」「安静狭心症」「器質型狭心症」「異型狭心症」「安定狭心症」「不安定狭心症」に分けられます。
聞いたことのある症状名はあったかもしれません。
あまり馴染みが無いのは「器質型狭心症」などですね。
これは血管の強い狭窄(きょうさく)によって起こる狭心症のことです。

<まとめ>

今回ご紹介した「心筋梗塞」や「狭心症」ですが、高齢者でなくとも発症しかねない病気なので、ご家族やも気をつけてみてはいかがでしょうか?
若いうちから予防しておくことで発症のリスクを下げることができます。今まで意識していなかったという方は、これから予防を心がけてみると良いでしょう。

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