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安心、安全な入浴介護の方法は? ~お風呂での介護で重要なポイントと注意点~

介護の仕事は様々ありますが、介護が必要とする人をお風呂に入れる「入浴介護」は重労働の部類に入ります。
特に小柄な女性や中高年の女性では、男性に比べ体力・筋力も少ない分、いかに上手にコツをつかんで入浴介護を行うかが重要でしょう。
そこで今回は、入浴介護に悩んでいる介護職の方へ、介護でお風呂に入れる際に、知っておきたいポイントと注意点について、お伝えしていきましょう。
これさえ知っていれば、介護する側はもちろん、利用者からも喜ばれ、スムーズな介護入浴ができますよ。

入浴介護は力仕事!

介護の現場では、入浴介護というのは特に重労働となりますが、加えて介護事故が一番懸念されるところでもあります。介護する側も、1つ1つ確認を取りながら行動しましょう。

介助時には、水よけのため、足首まである、長くて分厚いビニールエプロンに身を包むことになります。
また、介護施設においては、例えば30人の入浴介護であれば平均約3時間程度でこなしてゆくこととなり、動きにくい作業着を着ての動作も加わって動きはますます大変になります。
また、お風呂でも介護は、高温多湿の環境下になりますので、疲れで、のぼせなどが起きないよう注意しましょう。

  • お風呂場、脱衣所、湯船の温度は適切か
  • 転倒しやすいものが落ちていないか
  • 入浴時、出た後に体調の変化はないか

などのポイントをおさえてきっちり業務を遂行しなければならないのです。
まや、利用者の中には車椅子の方の入浴介護もあると思います。こちらは靴を履いての入浴介助を行うこともあり、更に注意が必要となります。

入浴介護の手順

それでは、お風呂介護の手順をわかりやすく具体的に見ていきましょう。

入浴前の準備

  1. まずは、利用者の方のバイタルチェックをしていきます。
    体温、血圧、脈拍をしっかりはかり、入浴に問題がないかを判断することになります。
    体温はもちろんですが、血圧が高すぎると入浴を見合わせる場合もあります。
    血圧は、個人によって、数値の平均に大きく差がありますので、普段からしっかり正常な血圧を把握しておくようにしましょう。
    体温も同じですが最も安定している状態の数値を、頭に入れておく必要があります。
    皮膚の異常についても、確認が必要です。
  2. 食事の直後の入浴ではないかの確認、入浴前にはトイレを済ませてあるかの確認をする。

いよいよ入浴

  1. 脱衣所は、介助者が少し暑いと感じるくらいがちょうど良い温度です。
    退浴後に浴室と脱衣所の温度差があると、それが高齢者の体には大きな負担になり、ヒートショックを起こすこともあるため、特に冬場は服を脱ぐ前に必ず注意が必要です。
  2. お風呂場に入ったらまずは介護者が、手でシャワーの温度を確認してから、声をかけながら利用者の足元に湯をかける。
  3. お湯の温度がちょうどよいか、利用者にきき適温化を確かめながら、身体の方にもかけていく。
  4. 適時声がけをしながら、洗髪、入浴をスムーズにしていきましょう。
  5. 浴槽につかって座るまで、介護利用者をしっかりと支え、離さないようにすることが重要です。湯船につかる場合も、心臓への負担を軽くするためにあまり深く沈まないように、“ゆっくり入りましょうね”などと声掛けをしましょう。

入浴方法の詳細については、利用者の状況により様々ですが、転倒などによる怪我に注意し、丁寧に行いましょう。
大事なことは、お風呂の時間は利用者にとっても、楽しみなリラックスの時間であってほしいということです。けがや事故のないようにすることはもちろんですが、“温かいね”、“さっぱりするね”、“きれいになったね”などと、気持ちよく入れるような声掛けを心がけてくださいね。
お風呂介護がうまくなると、それは、利用者とのコミュニケーションにもつながります。

入浴後のケア

  1. お風呂からでたら、バスタオルで身体を拭き、下着を着終わったら、水分を少しずつ補給してもらいましょう。
    この時に、気分が悪くないか、めまいや立ちくらみなどがないかを本人に伺い、あわせて異常がないかよく観察もしてください。
  2. 入浴前と同様、しっかりとバイタルチェックを行い、入浴介護は終了となります。

入浴介護を助ける便利グッズ

多機能シャワーベンチ

シャワーベンチ
商品名 アロン化成 安寿 折りたたみシャワーベンチ
販売価格 1万3500円
「片手で折りたためる、転倒予防のためのシャワーベンチ」
・移動スペースや介助スペースを確保したいとき、片手で簡単すばやく折りたたみができます。
・手すりなどを持ちながら、また介護者を支えながら折りたためるので、転倒予防につながります。
・折りたたみ後、本体は自立します。
出展:Amazon

高さ調節が出来るので、利用者に合う高さにすることが出来ます。
座る場所にはスポンジのクッションが付いていますので、寒い時期もヒンヤリしないところにメリットがあります。
また、滑り止めの効果もあるので、滑って転倒するリスクを軽減してくれます。
シャワーホルダーが付いているものでは、その部分に一時的にシャワーを置くこともできて便利です。
シャワーベンチ自体に持ち手があり軽量なので、女性でも簡単に持ち運ぶことが出来ます。

介助用エプロン

エプロン
商品名 ファーストレイト PEエプロンN (袖なし)
販売価格 870円
「ポリエチレン素材のため感染リスクの軽減が図れます」

・まとわりつきにくいエンボス加工を施している
・首の後ろにスリットが入っているので、脱ぐ時に引っ張って切ることが容易にできる
・1枚ずつ折ってあり、ポップアップ式で直接箱から取り出すことができる

出展:Amazon

ポリエチレン製でエンボス加工を施した、軽くて丈夫な入浴介助用エプロンです。
ダイオキシンが発生しないので、環境にもとっても優しいです。
使い捨てタイプで、衛生的、入浴介助に一押しの一品です。

<まとめ>

いかがでしたか?
入浴介護は、実際に経験してみると、その大変さがよくわかるでしょう。
また、介護利用者の中には、お風呂に入るのが面倒だったり、身体を触られることへの抵抗など、様々な理由で入浴を拒む方もいます。
しかし、入浴介護は、介護利用者の衛生を保つのはもちろん、リラックスやリフレッシュ、また、湯船の中では軽い負担で身体を動かすことができ、運動やリハビリにもつながる効果があります。身体も気持ちもさっぱりとし、安眠の効果も高まります。そのため、介護する側の心構えとして、介護利用者の気持ちや状態を考えながら、安全な入浴をお手伝いすることが大切です。
定量的な尺度からのみならず、顔色や雰囲気から、いつもと様子が違う場合は、瞬時に汲み取り、無理やりではなく入浴の時間を気持ちよく過ごせるようにしてあげることが、介護者として必要な資質であるといえるでしょう。

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