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【認知症介護の悩み】 夜間のトイレ介助やその他トラブルについて

身内の方が認知症を患ってしまい、在宅介護となった場合に起こり得る大変な問題は多くありますが、トイレ介助を中心とした夜間のトラブルは、ご本人は勿論、介護する側にとっても体力にも精神的疲労に繋がる難しい問題です。今回の記事では、認知症を介護する際に、トイレ介助などの夜間トラブルの注意点、原因や対策などについても紹介してきます。

夜間に頻繁にトイレに行くことの原因と対策とは?

認知症を患っていなくても、加齢と共にトイレが近くなることは自然なことです。加齢と共に膀胱の容量が減少し、溜めることのできる尿の量も、比例して減っていくからです。
認知症患者が頻尿と思われる状態になっている場合、その原因が加齢によるものなのか、もしくは認知症の症状なのかを見極めて、適切に判断する必要があります。

加齢による頻尿について

先述しましたように、高齢者の方々が「トイレが近くなった」と感じるのは普通のことです。ですが、「切迫性頻尿」や「神経因性頻尿(心因性頻尿)」、「夜間頻尿」といった症状であることも十分考えられます。また、検査することで他の病気の早期発見に繋がる場合もありますので、頻尿だと思われる方は、なるべく医師に相談するようにしましょう。頻尿の対策としては、排尿時刻や排尿量などを記録する「排尿日誌」をつけることや、過剰な水分摂取や利尿作用のある飲料はなるべく避けることが挙げられます。

【認知症の方の頻尿に関する原因と対策】
頻尿の原因は、加齢による老化現象なのか、もしくは膀胱が自分の意思とは関係なく勝手に収縮する病気「過活動膀胱」なのか、様々なケースが考えられます。
このうち、明らかに水分を摂りすぎた生活を送っているのであれば水分を調整することで改善することはあっても、「過活動膀胱」をはじめ、前立腺肥大症、糖尿病、腰部椎間板ヘルニア、子宮がん·直腸がんなどの手術によって排尿後も膀胱内に尿が残る「残尿」の場合や、糖尿病などの「内分泌疾患」、薬剤(利尿剤)によって尿の量が多くなる「多尿」、膀胱炎や前立腺炎、間質性膀胱炎などによる「尿路感染·炎症」、組織、細胞が生体内の制御に反して自律的に過剰に増殖することによってできる組織塊「腫瘍」(膀胱がん)などが原因の場合は適切な治療が必要となります。
また、膀胱·尿道の病気とは関係なく尿量も問題ないにも関わらず、トイレのことが気になって何回もトイレに行ってしまう「心因性頻尿」の原因の場合もあるでしょう。
家族の方が頻尿をどのように認識されているかにもよりますが、頻尿の原因を病気として疑う知識がなければ、医師に相談することは考えていない可能性もあります。
そのようなご家族に対しては、ここで取り上げたような病気の可能性も含め、一度泌尿器科専門医の受診をすることも勧めるようにして下さい。

認知症の症状によるものであれば

認知症を患っている方々は、場所や時間などがわかりにくくなる見当識障害などから、昼と夜との区別がつきにくくなってしまい、結果夜眠れなくなるといったことから、夜間の頻尿トラブルにも繋がっていきます。また、過去の排泄の失敗から「失敗したくない、迷惑をかけられない」といった思いが生まれ、何度もトイレに行くといった行動を取ってしまいます。夜間のトイレ介助は、ご本人のみならず、介護者の負担も大きく、睡眠不足や健康悪化にも繋がります。睡眠前の水分摂取などは避けるようにして、日々の生活リズムを整えるためにも、規則正しい毎日を送ることを心掛けるようにしましょう。認知症を患っている方と介護者の負担を減らすための、幾つかの対策例を挙げてみましたので、下記をご参照ください。

①介護オムツを検討する
介護オムツは、介護を必要としている方に向けた大人用の紙オムツです。認知症が進んでトイレに自力で行くことが難しくなった方にも有効とされ、介護者にとっても、トイレ介助の負担が軽減されるメリットがあります。また、介護オムツの購入費用は医療費とみなされるため、一定の条件を満たすことで、医療費控除の対象になる場合があります。但し、被介護者にとっては屈辱感や自尊心の問題から、オムツの着用を拒否されることがあります。被介護者の尊厳を第一に考えた上で、慎重に検討するようにしましょう。
②ポータブルトイレの使用
自力でトイレまで行ける方であれば、ベッドの横にポータブルトイレを置くことで、夜間にトイレまで歩くことのリスクや負担を軽減することができます。勿論、認知症を患った方々がその作業に慣れるまでは、介護者による介助が必要になるでしょう。また、ポータブルトイレには様々な種類がありますので、利用者の状態に合わせたものを選ぶことが大切です。ポータブルトイレは特定福祉用具であり、介護保険サービスの対象となりますので、指定を受けた事業者から購入した場合に限り保険給付の対象となります。
③夜間対応型訪問介護を利用する
夜間のみ、訪問介護サービスを利用するという手段もあります。但し、地域密着型サービスとなりますので、原則としてその市区町村に住んでいる要介護の認定を受けた人のみが、サービスを利用できます。

昼夜が逆転してしまう

認知症は、脳の機能低下が原因で発症する病気です。覚醒と睡眠のリズムを作る「体内時計」の不調を引き起こし、寝付けなかったり睡眠の途中で目が覚めてしまうといったことに繋がります。「レビー小体型認知症」の方々は、初期の段階で睡眠の問題を抱えています。身体は眠っていても脳は起きているとされている、「レム睡眠」時に、大声を上げたり夢と同じような行動をとる「レム睡眠時行動障害」なども出現します。

昼夜逆転の対策

日中の十分な活動
午前中に日光浴をするなど、太陽の光を極力取り込むようにしましょう。生活のリズムにも気を付け、散歩にでかけることや、できる範囲内での仕事をしてもらう、デイサービスなどを利用したレクリエーションの参加なども有効です。
睡眠の環境作り
寝室の温度や明るさ、または寝具や寝間着に至るまで、被介護者に合うように調整した上で、ご本人が快適に睡眠できるような環境作りを心掛けましょう。
睡眠パターンの観察
睡眠日記をつけることは、昼夜逆転の原因を探るためにも有効な手段です。一定期間、睡眠時や日中の様子などを記録することで、改善に繋がるヒントが得られるかもしれません。

夜間せん妄について

「せん妄」とは、高齢者によく見られる症状です。症状が時間とともに変化することも特徴で、急激に錯乱、幻覚、妄想状態などといった状態になります。せん妄の症状でも、夜間に発症する場合に、「夜間せん妄」と呼びます。アルツハイマー型認知症、レビー小体型認知症の症状の一つではありますが、必ずしも認知症の症状というわけではなく、身体的ストレスや心理的なストレス、薬物の副作用が誘因となる場合もありますので、認知症との混同には慎重な見極めと注意が必要です。

夜間せん妄の対策

慌てず無理な制止も避ける
急な発症に周囲が混乱してしまうようなことなく、なるべく落ち着いて冷静に様子を観察するようにしましょう。
否定は禁物、話をしっかりと聞く
ご本人が支離滅裂な行動や言動をしても、強く否定したりすることは避けましょう。優しく相槌を打って、安心感を与えて落ち着きを取り戻してもらうように心掛けます。
困ったらすぐに医師に相談
先述しましたように、せん妄の原因はさまざまです。根本的な治療法はありませんが、原因を特定できれば症状の軽減が期待できます。認知症の症状なのかどうか判断できなくても、なるべく医師に相談するようにしましょう。

介護疲れなどが招く影響とは?

家族の認知症に気づいてから、理解や準備も出来ないまま、これまでの生活が介護中心の生活に一変するようなことが起こります。
自分の大切な家族が認知症になったショックや、何から手をつければよいのかわからないことからくる不安、介護の経済的な負担など、介護をすることになる家族の身体的·精神的な負担は計り知れません。介護が始まれば、そうしたことをゆっくりと考える暇もなく、身体的·精神的な負担が重なり、「介護疲れ」を感じていきます。現代社会においては、核家族化が進んだこともあり、親族との関係も疎遠になっているほか、近所や地域との交流も薄れ、親族との関係も疎遠になっているので、家族介護は周囲から孤立しやすくなる傾向や特徴があります。また、介護をすることがきっかけとなり、それまで表に出ていなかった家族間の問題などが表面化するケースもあるでしょう。こうした「介護疲れ」が進んでいくと、孤独感や閉鎖感から体や心のバランスを崩してしまい、精神的に追い詰められと、介護する家族が「介護うつ」になってしまうことや、「介護放棄」をするような危険性が出て来ます。

認知症介護の負担を軽減するために

認知症を患ったご本人は勿論、介護者にとっても精神的·体力的負担は非常につらいものになります。大切な家族であるからこそ、お互いが不安を抱え、被介護者の理不尽にも思える行動に怒りを覚えてしまうこともあります。被介護者と介護者、お互いのつらさやストレスを少しでも軽減するには、どのような心構えで対応すればよいのでしょうか。

①症状を理解し、認知症の方の世界を尊重する

認知症を患った方が見ている世界は、現実とは異なっている場合が多くります。だからといって、ご本人の自尊心を傷つけるような言動を介護者がしてしまっては、ますます頑なな態度になってしまうでしょう。
症状をしっかりと理解した上で、認知症の方の言動や行動を強く否定せず、尊重することを心掛けましょう。穏やかに対応することによって、結果的に、介護者にとっても混乱や負担の軽減に繋がります。

②身体的な疲れの改善

身体介助を続けていくと、つらい腰痛などに悩まされることがあります。身体的な負担の軽減のためにも。力学の原理を使って体の負担を減らす技術である、「ボディメカニクス」などを試してみることをおススメします。また、被介護者の方にも、自分の出来る範囲のことは極力自分でやってもらうように促します。勿論、体調や状態をしっかりと見ることが大切ですが、できることをやってもらうことによって、介護者の負担軽減のみならず、被介護者の身体機能の低下を防ぐことにも繋がります。

③決して抱え込まない

ご家族だけで介護を続けていく中で、認知症の症状が進行していくと、どうしても限界が来ることがあります。家族の問題だからと抱え込むことなく、介護・福祉施設といった機関の窓口を訪ねて、専門家に相談するようにしましょう。

④「認知症カフェ」を利用する

「認知症カフェ」は、厚生労働省が2015年に策定した「新オレンジプラン(認知症施策推進5か年計画)」に基づいて進められている、社会福祉法人やNPO団体などが運営母体となって開設されている場所となります。認知症を患った方だけでなく、そのご家族も利用が可能となっており、様々なサービスを受けることができます。介護者にとっても、気分転換に楽しめる場所の確保は大切だと言えましょう。

⑤「レスパイトケア」の重要性

近年は、介護するご家族に対するケアという点から、「レスパイトケア(介護から解放される期間)」の重要性が高まっています。介護保険を利用してデイサービスやショートステイといった介護サービスを受けることにより、介護者の一時的な休息を促します。介護離職や介護疲れなどが社会問題となっている現代、介護をする側のケアは今後ますます重要なものとなってくるでしょう。

⑥「地域包括支援センター」に相談すること

介護疲れを引き起こす危険性があると感じたら、「地域包括支援センター」の利用を進めてみてみることも1つでしょう。「地域包括支援センター」であれば、各市町村などが設置する高齢者に関する公的な相談窓口ですが、保健・福祉の専門知識を持った職員が常駐しており、認知症に関する介護の各種相談、介護予防サービス、保健福祉サービス、日常生活支援、介護保険の申請窓口にもなっていますんで、介護する家族にとって役立つことも多いはずです。また、今回の記事のテーマにした認知症を患う方のトイレの介助については、夜間の訪問介護サービスを利用すれば、原則としてその市区町村に住んでいる要介護の認定を受けた人が対象となりますが、夜10時から朝6時まで(※時間は各事業所で設定されているので対応は異なる)の時間帯に対応しており、家族の負担を軽減することも出来るでしょう。
こうした情報を家族に提供することも、介護の仕事の中では重要なことです。

まとめ
今回は、認知症介護の夜間トラブルを中心に紹介させて頂きましたが、認知症の方を介護する上でつらいことや大変なことは多くあります。責任感の強いご家族ほど、周囲の声に耳を貸さずに自分だけで介護しようと考えがちですので、ご自身のケアも忘れることなく、限界を感じたら専門家などに必ず相談するようにしましょう。