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介護におけるケアマネージャーの訪問!ケース別ポイント紹介

ケアマネージャーさんは介護を必要とする方と介護保険サービスをつなぐ大切な役割のお仕事です。
その内容は介護相談やケアプランの作成、要介護認定などの書類の作成など様々です。
その仕事を行う上で初めてサービスを利用したいという方のお宅に訪問して話をしたり状況を見たりすることは必須となります。
そこで初めて訪問する初回訪問に慣れていないケアマネージャーさんや始めて初回訪問をする新人ケアマネージャーさんに役立つ初回訪問でのポイントを解説します。

初回訪問で確認すべきポイント

初回訪問に慣れていないと一体何から話をしたらよいのかわからなくなってしまうことが多々あると思いますが、初回訪問時の流れを自分の中で把握しておけばスムーズに話しを進めることができます。
まずは、初回の訪問ということで前もってご家族で話合いをしてあることが多いので、利用する方とご家族からの質問や不安に思っていること、困っていること、状況などの話があれば先に聞いて質問がなくなったところでどのようなサービスがあるかの説明に入るようにしましょう。

訪問の前に・・・

事前に家族や病院、地域の支援センターなどから情報を収集しておき、疑問に思ったことなどはメモにとっておきます。
外部からの情報だけで判断せず、本人にも確認し情報を基に自分で判断することがポイントです。

これからのことを一緒に考えるという気持で接する

一方的に決めつけるのではなく、こうしたほうが良いですか?などと一緒に考えていくことが大切です

理由を考えながら話をする

歩行はできるのに1人でトイレにいかれないことや、お風呂にはいりたがらない、外出したがらないという場合、トイレにいかれない理由は手すりがないからなのか、以前失敗したからなのかなどと考えながら話を進める。

利用者の生活状況を詳しく聞く

例えば、朝食は食べているか聞いたら、朝食の時間や内容も具体的に聞きます。
お風呂は毎日入っているか毎日でなければ何日に一度か介助は必要かなどと関連して少しずつ聞いていきます。

※訪問する時間帯は各家庭により異なるため、しっかり確認してどのくらいの時間話ができるのかを聞いておきましょう。
また訪問にかかる時間は利用する方やご家族の負担にならないように一時間前後が適していますが、状況や要望により長くなることもあります。
また最後に次回の訪問の予定を決めておくことがポイントです。

1人暮らしの方への初回訪問のポイント

1人暮らしの高齢者宅への初回訪問はケアマネージャーとしてとても多い場面ではありますが、毎回個々にケースが違うため何度行っても緊張することと思います。
そのためポイントを押さえ少しでもリラックスして訪問できるようにポイントを解説していきたいと思います。

ポイント① 【訪問の経緯を確認する】
初回訪問の前に、訪問に至った経緯として、

  • 家族がサービスを受けてもらいたくて相談
  • 本人がサービスを受けたくて相談

というように、どのような経緯で訪問することになったかを把握しておくことが大切です。
※本人ではなく家族からの相談での訪問である場合は、本人は何も知らなかったりするケースもありますので、家族とはどう話合いましたか?やこう聞かれてどう思いましたか?というように本人の意向をきちんと受け取りましょう。

ポイント② 【訪問する前の準備】

初回訪問の際、誰でも知らない人がいきなりきたら警戒します。
ましてや1人暮らしの高齢者ならなおさらですね。
そのため警戒されないような出会いを作ることがとても大切です。
<例>本人が信頼している、かかりつけ担当医から事前に連絡をいれてもらい、先生からお聞きになっていると思いますが、というように訪問する。
家族から前もって連絡をいれてもらい確認してもらってから訪問する。
別居している家族と同席できる時間帯を選び訪問する。

ポイント③ 【相手のルールに従い、本人が聞かれたいことを聞いていく】

長年暮らしてきた中でのこだわりやしきたりが、1人暮らしの高齢者のお宅の中ではルールとしてたくさんあるケースがあります。
そのため、「ここに荷物を置いても良いですか?」などと上着や荷物の置く場所を確認したり、わからないことは本人に確認し本人の暮らしぶりを尊重しましょう。
初回訪問だと観察だけにとどまってしまいがちですが、飾られている賞や写真、玄関に飾られた花や置物などについて、聞いてみると話が広がりコミュニケーションに繋がるケースもあります。
このように本人の聞かれたいことを確実に聞いていくことも大切です。

退院支援のケース

退院支援とは、ケアマネージャーが病院の情報、本人の情報・状態を基に退院してからのケア体制を整えることです。
このような場合のポイントをいくつか解説します。

ポイント①【病院の情報と本人から得られる情報の両方を基にする】

近年、退院前に入院先か病棟主催の「退院前カンファレンス」や「地域医療連携室から文書添付で紹介」に参加するケースが増えてきました。
退院後に支援するためには病院側の情報は大切ですが、病院側の情報だけで判断するのではなく、対人援助職として本人と出会い、話をすることもとても重要です。

ポイント② 【退院前カンファレンスでは本人に主体性をもってもらう】

退院前カンファレンスでは病院側が招きたい人を集めがちですが、ケアマネージャーとして招かれたら、まず病院のスタッフから本人に、「退院後の暮らしについての話合いをしますが、どなたか呼ばれたい方いらっしゃいますか?」と尋ねてもらい、利用者自身が主役であることを認識してもらいます。
また、本人にカンファレンスに参加する方の席順を決めてもらったり、参加者の紹介を本人にしてもらうことで、本人と参加者の関係性が見えてきます。
カンファレンスではまず、主治医から心身機能の状態などの説明からはいることが多いですが、先に本人に退院されてからの暮らしはどんなふうになると思うかや、どのようにしたいという思いを話してもらうことから始め、自分への評価や思いを基に各スタッフとのやりとりにつないでいくと本人の自信につながり、退院後の意欲に違いがでてくることでしょう。

ポイント③ 【退院後の初回訪問は先に日にちを決めておく】

本人は退院後の生活を思い描いて退院しますが、退院してみたら思ったようにいかないことが多く、苛立ちを覚えていたり、はがゆい思いをしていることもあります。
また逆に、思っていたより色々なことができて、退院前と同じような役割を果たせているケースもあります。
実際に退院してみないとわからないことがたくさんありますので、退院前カンファレンス時にあらかじめ退院後の訪問を約束しておいたほうが良いでしょう。

虐待を疑うケース

虐待の対応は行政が行う仕事ですが、虐待が起こる可能性があるため適切な支援の開始をしてほしい場合や虐待は解消したが引き続き支援が必要な場合にケアマネージャーに話しがきます。
紹介の目的をきちんと把握した上で訪問しましょう。
訪問する時のポイントとして押さえておいたほうが良いことを紹介します。

ポイント① 先入観をもたない

虐待を疑って訪問すると、質問の内容などに思いが表れてしまい、良好な関係が築けず援助することが難しくなってしまいます。
そのため虐待の可能性があるお宅でも先入観をもたず、訪問することが大切です。
食事を十分にもらえていないという情報があっても、ネグレクトだと思って話をするのではなく、普段の食事の様子を聞いてみることから始めましょう。
このように、もっている情報を基に質問をするのではなく普段の様子を聞いていくことで家庭内の様子を知ろうという気持ちで訪問することをおススメします。

ポイント② 複数で訪問する

虐待は家族の中で機能がうまくいかなくなることでおこるケースが多いです。
そのため、訪問の際に様々な情報を収集する必要があり、1人でいくよりも複数で訪問するほうがより多くの情報を得られます。
また複数で訪問することにより介護者と本人を交えた全体の話と、介護者と本人を分けての話をすることも可能になり、状況をより深く知ることができます。
全体の話の中では、家族の中での位置関係やコミュニケーションの状況を見ます。
介護者が話を始めると本人がそわそわしだしたり、落ち着かない様子になったり同居している子供達が下を向いていたりというところも観察し、訪問後にそれぞれに気がついたことを合わせていきましょう。

ポイント③ 訪問後の対応

初回の訪問ではサービスを進めたり結論をだすことはしないようにして、困ったことがあったら相談してくださいと言って、相談できる相手がいることを理解してもらえるだけで良いでしょう。
訪問した時の情報は持ち帰り、今後の支援計画の参考にします。
高齢者の虐待の場合介護者への支援も大切になりますので、地域包括支援センターなどと連携して対応することをおススメします。

生活史を整理するポイント

けあまね2

高齢者の介護、認知症の介護をする上でその方が生まれてからどのような環境でどのように育ち、携わってきた仕事の内容、就いた役職これまでやってきた趣味など、どのような人生を歩んできたかという生活史が認知症の症状や行動に影響していることが多く介護する上で把握しておくことが必要です
また、高齢者を介護する上でその方を理解し良好な関係を保つためにも大切です。
そのため生活史をわかりやすく整理して記録し誰が見てもすぐに把握できるようにしておきましょう。

  • 生活歴:生まれてからサービスを受けるまでの生活歴
○○○○年   誕生  
○○○○年 ○○会社就職
○○○○年 サービスを受ける(サービスを受けることになったきっかけや経緯も記入)
  • 仕事(これまで就いた職と内容、役職)
  • 趣味(現在の趣味、または今はやっていなくても若い頃や子供の頃の趣味)
  • これまでの生活サイクル
  • 食事(食事回数、いつも食べている主食)
  • お風呂(お湯の温度・入浴の時間帯・入浴している時間)
  • 排泄(トイレの様式)
  • 身だしなみ(歯磨き・お化粧・ひげそり)
  • 毎日の習慣(毎日かかさない散歩や、ストレッチなど)
  • 洋服やアクセサリー履くものなどの好み(外出時はスカートをはくこともあるがいつもはズボン・靴は運動靴を日常的に使っているなどと記入)
  • 好きな音楽・テレビ・ラジオ
  • 好きな道具・気に入っているもの・いつも使っているもの(いつも決まったお茶っ葉・お気に入りのくし、いつも使っている洗剤など)
  • 落ちつく場所
  • 楽しみ(年に一度友達と集まることや、映画を見に行くことなど)
  • 家事の流れ(洗濯する時間帯や買い物にでる時間など)

このように整理して記録しておくと誰がみても利用者の生活史または、この利用者のことがよくわかります。
しかし、すべてを一度に聞くのではなくアンケート形式にして少しずつ書いてもらったり
ご家族から情報を得たり会話の中で情報を得たりして、得た情報をさらに記入して行くと良いでしょう。

<まとめ>

いくつかのケースについてポイントを紹介しましたが、どのケースにおいても様々に枝分かれした問題がでてくることでしょう。
それぞれの問題に対応するためには、利用者の生活史を1人ひとり把握しどのケースにおいてもサービスを利用する本人の意志や希望を理解しケアしていくことが最も重要視するところなのではないでしょうか。

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