ケアマネジャーとは、介護に関する専門職です。福祉や保健医療の分野で実務経験を経た人が取得できる、公的資格です。ケアマネージャーを、「介護支援専門員」と呼ぶ事もあります。介護を必要としている人の相談に応じ、最適なケアが受けられるよう、総合的コーディネートや、スケジュール作成、ケアプラン作成、マネジメントをしていきます。介護保険制度を活用していく上で、介護を要するお年寄りやそのご家族、介護サービスを提供している施設とを結ぶ、かけ橋的な役割を担っており、本人の介護ケアばかりでなく、そのご家族の支援をしていく事も非常に重要です。ここでは、「家族」を視野に入れたマネジメントのポイントを、分かりやすく解説していきましょう。
家族には、色々な意味があります。一般的に「家族」とは、婚姻によって結びつけられているカップルや、その血縁関係のある人々で、一つのまとまりを成した集団の事です。
婚姻によって生じた夫婦関係、産み、産まれる事によって発生した親と子という血縁関係、血縁関係などにより、直接・間接的につながっている親族関係、または養子縁組などによってできた
人間関係などを基盤とした、小規模な共同体を指しています。
ケアマネの仕事は、利用者が快適に暮らせるように支援する事ですが、その中には、利用者をサポートしているご家族の支援もあります。さらに、利用者の方たちの中には、介護の問題を通して、ご家族との関係がぎくしゃくしていたり、何らかのコミュニケーション上の問題がある場合もあります。そのような家族間の問題を発見、分析していき、利用者の方とそのご家族の方との間を、より良い関係にしていけるようにサポートする事も、ケアマネの仕事の一部です。利用者のサポート以外にも、配慮していく必要があります。
江戸時代より以前は、「家族」というものはなく、家族制度があったのは、武士の家系に生まれた人だけでした。今のような「家族」という形態ができたのは、江戸時代から形態ができたようです。
家族関係、親戚付き合いなどは大事ですが、実際、どのようにコミュニケーションしたらいいか分からないという方も多いのではないでしょうか。仲良く、良好な関係を築きたいという気持ちがあるものの、どうやって切り出せばいいのか分からず、モジモジしたり、コミュニケーション不足に陥る事もしばしばです。家族関係は、風通しをよくしておくに越したことはありません。介護においても、家族は何かと頼る存在ですし、何でも言えて、お互いに理解し合えるような関係が望ましいでしょう。
しかし、家族関係がうまくいかない人達もいらっしゃいます。家族関係を良好に保つために、どのような心がけが必要なのでしょうか？
・連絡をマメにとる
家族あるいは親戚と音信不通になり、連絡をいっさいとらなくなったり、本当に必要に瀕した時だけしかとらない関係になってしまう事も多いです。家族と疎遠になってしまうと、問題が生じた時に頼りにくくなるなど、付き合いづらい面が出てきます。そのため、普段から、親しく連絡をとるようにする、頻繁にでなくても、連絡を長期間途絶えさせない事が大切です。
実際に会うまでいかなくても、「連絡をとる」という行為は、家族間では、とても重要な事です。連絡を取り合っていると、お互いに気にし合っているというのが認識できますし、いざとなった時に相談できる事もあります。
親戚、家族が集まる機会と言えば、結婚式も挙げられます。このようなイベントを利用して、連絡を親しくとれるようにしておくのもおすすめです。また、このようなイベントの時は、積極的に家族とコミュニケーションとるようにし、疎遠になっている人達も、ここでその穴埋めをしてみてはいかがでしょうか。
・一緒に旅行する
家族関係を良好にするためにも、旅行するのもおすすめです。家族との良い交流の機会になるでしょう。家族、あるいは兄弟と一緒に、一年に1回旅行に行っておくだけでも違います。「親戚旅行会」を企画してみるのもいいでしょう。親戚関係では、新しい子供も誕生し、年々参加人数が増えていき、にぎやかで楽しくなるでしょう。毎年成長していく子供や孫たちの姿を見るのを、楽しみにしている方は多いのです。介護スタッフや事業所も協力して、家族旅行を支援していきましょう。
介護スタッフが、チームで本人イメージや家族像などの情報を共有する事は、とても重要です。
チームで共有するべき情報には、以下のようなものがあります。
「チームアプローチ」とは、支援者が「チーム」を編成し、チーム一丸となって利用者・ご家族をサポートしていく事です。
チームアプローチは、以下のような条件をクリアする必要があります。
ケアマネは、本人と家族との関係をより良くするために、働きかけていかなければなりません。
介護施設は、共同生活を共にする人達のいる「社会」のようのものです。いわば、閉ざされた社会でもあります。
そのような隔離された中で、大きなウェイトを占めるのが、人間関係です。
介護施設内での人間関係によって、生活のクオリティもかなり変わってきます。そのため、人間関係は、決して粗野にできません。
上記はどちらも介護においては、無視できない関係性です。入居者同士の人間関係が良ければ、介護生活は快適になります。職員との人間関係によっても、介護や色々なサービスに影響や支障が出てきてしまいます。それだけ大きいのです。外からは、施設内での人間関係はなかなかつかみにくいです。実際に介護サービスを受けている利用者や、そのご家族が体験した事が一番の手がかりです。体験談から、リアルな人間関係が認識できるでしょう。
ケアマネは、最適なケアプランを構築するだけではなく、人間関係にも配慮して、関係性を改善・良好に維持していく事も求められます。
老人ホームや介護施設は、共同生活の場ですよね。生活の場の雰囲気は、入居者同士の関係性は勿論の事、施設スタッフとの関係性でも大きく変わってきます。老人ホームにおける人間関係の構築は、それぞれが年を重ね、生活環境も違えば、価値観も異なるわけなので、そこが難しい点でもあります。
職員間のコミュニケーションは、介護される側とする側の関係性にもよるので、
スタッフが介護に対してどのような理解を持っているかによっても、かなり変わってきます。
施設運営が良好な老人ホームや介護施設ほど、入居者とケアマネ及び介護スタッフとの人間関係が良好です。
介護サービスや介護支援事業者を選ぶ目安として、施設運営の現実を知る事は、とても重要です。
運営者の声を聞き、実務している職員のリアルな声を聞き、さらに入居者の声を口コミを集めると、その介護サービスの当の姿が見えてくるでしょう。
家族支援を通じて、本人の変化を生み出すきっかけを作る事も大切です。何か日常生活に不自由や支障を抱える本人は、会話も比較的少なく、関わる人は家族だけというケースも少なくありません。つまり，本人に一番影響を与えるのは、家族という事です！ご家族の家庭内での日常的な行動や言葉遣い、表現、雰囲気など、些細な対応の工夫でご家庭の雰囲気を変える事も、ケアマネにとっては可能になります。一気に変えるのは難しいですが、少しずつ工夫を重ねていく事は十分可能でしょう。だんだん家庭内の雰囲気が改善されてきたと分かって来れば、本人も次の変化を生み出す準備ができるでしょう！
