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介護の中でみられる「ヒヤリハット」事例から対策までをご紹介!

医療現場でよく使われる「ヒヤリハット」ですが、介護現場でも、事故につながりそうになり、「危ない!」「ドキッ!」としてしまうようなシーンがあるでしょう。
事例として、よく挙げられるものにはどんなものがあるのでしょうか。
また、このようなリスクが生じてしまう原因は何か、そのための対策として、どんな事をすればいいのかなど、一つ一つご紹介したいと思います。
介護に携わる方なら是非、知っておいてほしい内容です。

ヒヤリハットとは?介護現場でのヒヤリハット事例にはどんなものがある?

ヒヤリハットとは、大きな災害や事故に至る程ではないものの、直結してもおかしくない、ギリギリの事例の発見を指しています。
この言葉通り、突然のハプニングやミスに「ヒヤリ」としたり、「ハッ」としたりするものを示します。
一つの重大な事故の裏には29ものヒヤリハットが潜んでいるとも言われています。
「ハインリッヒの法則」をご存知の方は多いと思いますが、下記にウィキペディアの引用を載せておきます。

ハインリッヒの法則

ハインリッヒの法則(ハインリッヒのほうそく、Heinrich’s law)は、労働災害における経験則の一つである。1つの重大事故の背後には29の軽微な事故があり、その背景には300の異常が存在するというもの。「ハインリッヒの災害トライアングル定理」または「傷害四角錐」とも呼ばれる。

出展:wikipedia ハインリッヒの法則

ヒヤリ・ハット

ヒヤリ・ハットは、結果として事故に至らなかったものであるので、見過ごされてしまうことが多い。すなわち「ああよかった」と、直ぐに忘れがちになってしまうものである。
しかし、重大な事故が発生した際には、その前に多くのヒヤリ・ハットが潜んでいる可能性があり、ヒヤリ・ハットの事例を集めることで重大な災害や事故を予防することができる。

出展:wikipedia ヒヤリ・ハット

ここで、介護現場でのヒヤリハットの事例を、いくつかご紹介しましょう。

  • 歯ブラシが歯茎に当り出血した。
  • シーツの交換をする際に、バランスを崩し利用者がベット脇に転落してしまった。
  • ご家族の方と大福を食べているのを発見した。
  • 通院に同行していた際、少し目を離した間に利用者が行方不明に。警察や消防へも連絡し無事保護されたからよかったものの…。
  • おかゆが主食の利用者に、謝ってご飯を配膳。直後に誤りに気づいたため交換し事なきを得た。
  • 引き戸の取っ手に手を掛けてしまい、引き戸が閉まり腕を挟んだ。
  • 食事後、口腔ケアをしていて力の加減を誤り血が出てきた。
  • 利用者をトイレへ誘導したところ、別の業務への対応に迫られ、トイレへ誘導したことを失念。しばらく利用者をトイレに放置してしまった。

これらは全て、大事になる一歩手前の事故で、ヒヤリハットと言える事柄です。

s-挿入ヒヤリハット

介護現場で起こる事故のリスク要因には何が挙げられる?

介護現場でも、ヒヤリハットが起こる危険があります。
そして、そのリスクには必ず要因があり、大きく3つのパターンに分けられます。

1.利用者本人にリスクが潜んでいる

利用者の病気や日常生活動作といった身体問題に加え、その時々の精神状況や、その人が送ってきた生活歴、そこから形成される価値観や人生観なども、理解していく事が必要です。

2.職員や家族、地域の人にリスクが潜んでいる

介護は、人と人との関係性の中で成立する事を考慮したら、必ず浮上してくるリスクですね。

3.日々のケアが行なわれる介護現場にリスクが潜んでいる

この要因による事故には、段差につまずいて転んでしまったり、福祉用具がその人の身体に合わなくて事故につながったケースなどがあります。
注意したいのは、それらのリスクは、いったん「改善した」と思っても、様々な要因が絡む中で、再び悪化してしまう恐れがある事です。

介護でのリスク管理には報告書が効果的

介護事故に対するリスクマネジメントとしては、「ヒヤリハット報告」などがすすめられます。
このような報告書を作る積極的な取り組みによって、「システムの欠陥」としてのリスク状態を具体的に把握する事が可能になります。
「ヒヤリハット報告」の実情報告によると、
「これまで見えていなかった問題点が明らかになった」とか、「時期や頻度をグラフにしてみる事で、施設内の状況を明確に把握できるようになった」などの効果が報告されています。
また、この報告書によって、介護者の不注意によって事故が起きたという誤解も取り除く事ができますし、福祉施設のシステム上の問題によって事故が起きる危険性もあるという事が分かります。
つまり、介護事故が起きる時には、「システムの欠陥」が存在するのだという事を意識化し、個人責任ではなく組織責任を明確にした点がポイントです。

<まとめ>

事故のリスク、ヒヤリハットなどというと、つい、高齢者の疾患などにばかり目がいってしまいますが、身近なところにも多くの原因が潜んでいること、その他にも様々な要因が複雑に絡んでいることを認識しておきましょう。
実際に経験した事例や事故につながるような事があれば、報告書にまとめ、問題を共有し、整理して対策を打っていくことが大切です。

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