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介護における薬の知識!ケアマネージャーとしての大事な役割

介護は認知症や年齢により生活が困難になってきた高齢者の方をお世話するお仕事ですが、
高齢の方には様々な体の不調があり、薬を多種類服用していることは珍しくありません。
ケアマネージャーとして薬の知識を持ち高齢者が安全で効果的に薬を服用し生活できるように支えることも大事な役割の一つです。
今回はそんな介護と薬の知識に関係する情報を、これから薬の知識を身につけたいと考えているケアマネージャーの方や介護に興味のある方に役立つようにまとめました。

ケアマネにも薬の知識が求められる?

高齢者の方は、体の状況から複数の病院にかかり多種類の薬を服用しているケースが多く、介護サービスを行うにあたり、薬の知識が求められることもあり、薬について学ぶケアマネージャーが増えてきています。
では、ケアマネージャーが薬の知識を持っているとどのようなことに役立つのか、また薬の知識を持っていることでおこるデメリットについて解説します。

メリット

高齢者の方の中には服用方法を間違えていたり、自己判断で勝手に服用時間を変えていたり体調によって服用する個数を変えていたりすることがありますので、薬の知識を持っていれば、その服用方法が違っているかもしれないことに気付くことができます。
このように、薬の知識を持っていることで利用者が安全、そして効果的に薬物治療を受けられるよう支援できることが最大のメリットです。

デメリット

ネットなど自己流で薬の知識を学び、誤った情報をうのみにしてしまうことで、、誤
った情報を伝え高齢者の方を不安にしてしまうことや、パターン化した薬の知識しか持たず、医師が高齢者の体の状態にあうように服用の順番や飲み合わせを考えて処方しているものを、間違っていると決めつけて飲まないように進めたり服用方法を変えてしまうことで、高齢者の方の体の状態が悪くなってしまうというように、せっかく学んだ知識もマイナスになってしまうこともあります。

薬の知識で見方が変わる、対応が変わる!

利用者の状態が変化した時の考え方や対応は、ケアマネージャー・介護職員と薬剤師の視点は大きく違います!
では、どのように違うのか具体的な例をわかりやすくまとめました。

【 具体例 】

  • 利用者の食事の時の飲み込みが悪くなった

介護職員  嚥下機能が低下したことが原因と考え刻み食やミキサー食を取り入れ食事を工夫する
薬剤師  遅行性ジスキネジア・筋力低下・口渇が副作用として起こりうる薬の模索

  • 便秘がち

介護職員  食事内容を見直し下剤を処方してもらう
薬剤師  便秘を起こす薬剤がないか確認する

  • もの忘れが進んだ

介護職員  認知症が進行したと考え認知症専門医の受診を進める
薬剤師  認知症を起こしやすい薬を服用していないかを確認する

具体例を見てわかるように、ケアマネージャーや介護職員が薬の知識を持つことで、視野が広がり本来なら介護の視点からしか見えなかったことが見えてくるため、その対応も1つではなくなり、より症状の変化の原因に近付けることもあり、症状改善にも繋がりやすくなります。
このように薬の効果や副作用などを学んでおくことで利用者への対応も変わり、より良い支援ができるのではないでしょうか。

ケアマネに期待される役割

医療職の方がケアマネージャーに期待する役割は、利用者の方がきちんと服薬できているかを確認し管理することと服用後の利用者への効果や副作用についての情報収集です。
というのも、医療職の方たちは病院で薬を飲むように処方したり前回の薬を飲んでいるかを、口頭で確認することしかできないため、利用者の家族の話や状況を見て情報をまとめられるケアマネージャーからの情報提供は今後の薬の処方に対してもとても重要になってきます。
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【 具体的な役割 】

  • 薬による副作用の視点をもつ

お薬手帳に気になる症状や状態の変化、いつ頃からかの日付を記入しておくことで薬剤師との連携がとりやすく、医師や薬剤師からも薬の変更があった場合には「~に注意してください」とケアマネージャーのほうに連絡が返ってくることもあり、様子を見るポイントになります。
そのポイントを利用者の家族にも伝えて生活の中での状態を観察し変化があった場合、薬の副作用としての変化も視野に入れ医療職に連絡をとる。

  • 薬をきちんと服用しているかを管理

薬をもらっても自己判断で飲まなくなってしまったものや、認知症状が進んだために飲み忘れてしまっている薬などが自宅のあちこちに置いてある場合は、ケアマネージャーのほうで薬剤師の訪問管理指導を頼みます。
ケアマネージャーとして薬の知識が多少あっても勝手にそれを整理して飲ませることはしないようにしましょう。

  • 生活の変化を医師に伝える

医師からの診察や薬の処方と、外ではしっかりしているように見える利用者ですが、ケアマネージャーが訪問して生活をみてみると、きちんと整頓してあった部屋がちらかっていたり洗濯ものがシワになっていたりと少しの変化から認知症の症状に変化があったことや、身体機能の低下が見られるといったように状態が変わっていることもあります。
そのような変化を医師に伝え異変を早く発見することで医療対応に繋げる。

<まとめ>

医療職の方達は職業上、利用者の疾患や薬のことなど医療的なことだけに視点がいってしまいます。
ケアマネージャーも薬の知識がなかったり医療職との連携がうまくいかなければ介護の視点にとらわれがちになってしまいますが、薬のことを正確に学びその知識を効果的に使うことで、医療と介護両方の視点から利用者の状態を見ることができ、より良いサポートが可能になります。
また利用者の家族の中に入り要望を近くで聞きながら共にサポートしてきたケアマネージャーは、全体的な視点で利用者や家族の要望を理解しているためそれを医師に伝えることで医師の対応の視野も広げることができるのではないでしょうか。

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