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新しい生きがいを提供!?カジノ型・アミューズメント型介護サービスとは?

近年、カジノ型デイサービスという少し変わった介護サービスが話題になっています。
カジノというと、ギャンブルを連想する言葉ですが一体どのようなサービスになっているのでしょうか。また、高齢者や認知症の方にどのような影響があり、世間の評判はどうなっているのでしょうか!?日本人のある意味保守的な気質は、新しく斬新なサービスに対し、批判や懸念を示しがちですが、カジノ型介護サービスに対してはどのような見方があるのでしょう…。今回は、そんなカジノ型・アミューズメント型介護サービスにつて、メスを入れていきたいと思います。

カジノ型デイサービスの登場

カジノ型デイサービスはレクリエーションの中に、仮想通貨を賭けてゲームで勝負をし、たくさん勝った人は表彰されるというアミューズメント内容を取りこんだものです。
このカジノ型デイサービスはNHKの放送でも取り上げられています。

カジノで元気!新たな介護サービス

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カジノのデイサービス、医学的にもちょっと注目されているんですよ。
レクリエーションゲームがもたらす認知症予防効果について研究している、芦刈伊世子医師によりますと、カジノの効果というのは、賭け事に対する集中力や、空間認知力で、脳が活性化するということです。
それから、過度のストレスというのは認知症の悪化につながるそうですが、みんなでゲームを楽しむことで、リラックス効果。これが認知症予防にいいそうです。

出典:NHK online

こちらで紹介されたデイサービスでは、パチンコ・麻雀・ブラックジャックというカードゲーム・バカラなどが設置されており、高齢者の方はそれぞれで楽しみ仮想通貨がなくなってしまったら体操をすることで補充できるという仕組みになっています。
テレビ放送でも紹介しているように、このカジノ型介護サービスには認知症の方にも良い影響があるとされ、実際に認知症が改善した事例もあるということです。

このようなアミューズメントを取り入れた介護を始める施設が注目されてきたことで、その実態や効果についてわかってきたことがたくさんあります。

カジノ型介護サービスのメリット

カジノ型介護サービスですが、話題になり注目されたことで世間では、税金を使う介護保険でギャンブルのような設備を作るのは賛成できないという意見や、ギャンブル依存症のようになってしまうのではないか!?という心配の声も上がっています。
反対に、ギャンブルという認識ではなくその内容に注目し利用者にとって良い影響が与えられるのであれば良いのではないかという意見や、楽しみがないと認知症が進んで他で税金が使われることになる、それなら楽しみや生きがいをもって自分で何かをしようという意欲がわいて生活できるようにそちらに税金を使ったほうが良いのでは!?という賛成の意見も多くみられます。
では実際にカジノ型介護サービスのメリットとしてどのようなことがあげられるのかまとめました。

【脳の活性化】

カジノ型介護サービスで、賭けごとに対する集中力や空間認知力で脳が活性化し認知症の予防効果が得られます。
それだけではなく、お金が必要でいくら払うのかという点で、注意力や理解力・数字や桁の認知力を使い、手持ちのお金が足りるかどうか考え足りなければ補充しようとすることから、推察力・予測力・計算能力・企画性・行動力・決断力が鍛えられます。

【手や指先の運動・ストレッチ】

お財布からお金をだして払うことで指先の運動になる。
また通貨をもらう前にストレッチをすることで体を鍛えることもできる。

【高齢者の引きこもりの改善】

男性の高齢者の方に多いひきこもりですが、ひきこもりは昼夜の逆転が起こりやすく、心身の機能も落ちやすくなります。
カジノ型介護サービスを取り入れてからひきこもっていた高齢者が外にでるようになり、改善された事例も多く高齢者のひきこもり問題の解決に繋がる。

この他にもみんなでゲームを楽しむことでのリラックス効果が得られることなど、利用者の身体を鍛える面でも精神面でもメリットが多いことから今後どのように展開されていくのか期待されています。

カジノ型介護サービスのデメリット

様々な賛成・反対意見やメリットがあることを説明しましたが、デメリットもあります。
ではどんなデメリットがあるのかまとめました。

【射幸心・依存性が強くなる】

射幸心や依存性が強くなってしまうと、楽しみにするという適度なリラックス状態から、はやく行きたい、遊びたいという気持ちが大きくなりゲームを行っている時間でない日常生活においてストレスになる可能性があります。

【イメージが悪い】

カジノ型、アミューズメント型という言葉や、パチンコやルーレットなどの内容がギャンブルや娯楽というイメージが強く、世間に良い印象を与えない。

また、カジノ型介護サービスが自由に広がることで、エイジズム(年齢差別)が激しくなってしまうのではないかと懸念されているという事実もあります。
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規制する動きもあり?!

高齢者のひきこもりが改善されてきていることや様々なメリットがあり注目されていたカジノ型介護サービスですが、兵庫県議会と神戸市議会は、高齢者がギャンブル依存症になる恐れがあることと、税金が使われている介護保険施設にそぐわないという経緯からカジノやパチンコ・麻雀などの娯楽設備を整えたアミューズメント型・カジノ型を取り入れている介護施設にパチンコや麻雀などの遊技を訓練内容にすることや、疑似通貨の使用、賭博を連想させる名称や広告を規制する改正条例を制定しました。

<まとめ>

高齢者の方がなんの楽しみもなく家にひきこもり心身が衰退してしまうよりも、楽しみや生きがいを見つけ、生きる意欲をもてるようなサービスへの取り組みはとても重要ではないでしょうか。
カジノ型のようにギャンブルや娯楽も時間を決めることや一週間のうちに一日だけにとどめることで依存を防ぎ、過剰な広告をしないことでサービスの継続ができると良いのではないかと思います。
また、規制されたところではギャンブルのイメージのないゲームを発案するなど、今後それぞれの介護施設のサービス内容の展開に、期待したいところです。

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