介護の現場にロボットが取り入れられているというのは、ご存知ですか?
この動きは、今後ますます強まると予想されます。なぜなら、日本の高齢化は加速しているのに、介護士不足は依然深刻な状況が続いているためです。超高齢社会へと突入した日本では、介護者の負担を減らすため、現場での人手不足を解消するために、さらには利用者の自立支援のためにも、介護ロボットの導入が積極的になされています。そのためには、介護ロボット自体の性能強化が求められ、ロボット開発の現場はアツイ状況です。
今回は、そんな介護ロボットについて、詳しく知りたい方に役立つ情報をお伝えしていきます!
介護ロボットを介護現場に用いることは、利用者の自立支援にとっても、非常に効果的だと考えられます。介護士の人手不足という実情を考慮すると、これはとても効果的な対策になると言われていますが、一方で、普及についてはまだまだ課題があるのも事実です。
日本ですら、本格的な介護ロボット普及のためには、まだまだたくさんの課題があります。利用者の立場から見てみると、介護ロボットにもデメリットがあります。以下、どんな点があるか、ご覧になってみてください。
以下は、介護ロボット関連のニュースです。3つ取り上げてみました。
「介助者の負担を軽減!ベッドから車椅子への移乗をスムーズにするロボットとは?」
要介護状態になった高齢者のベッドから車椅子への移乗は、介助者にとって身体の負担が大きい動作の一つといわれています。介護スタッフの職業病ともいわれる腰痛の原因になるともいわれており、その負担をできるだけ減らしたいと考えている介護施設は少なくありません。
そこで注目を集めているのが、パラマウントベッドが6月上旬から発売する『ロボヘルパー SASUKE』です。これはマッスルが開発したロボット介護機器で、介助者の代わりにベッドから車椅子への移乗を行うというもの。最大の特長は要介護者をいわゆる“お姫様抱っこ”のように横抱きで抱え上げ、安定性の高い移乗を行う点。スムーズに座る姿勢へと移行し、車椅子へ座らせることができるといいます。
『ロボヘルパー SASUKE』は、経済産業省から補助を受けて公益財団法人テクノエイド協会が実施した『ロボット介護機器導入実証事業(ロボット介護推進プロジェクト)』に採択され、実際に介護現場における有用性が実証され、報告されています。出典:みんなの介護
「高齢者を病院内で適切に誘導。道案内をするガイダンスロボットが10月に登場」
かねてより日本精工株式会社では、視覚障害者向けの誘導ガイダンスロボット“LIGHBOT”を開発し、神奈川県の「さがみロボット産業特区」などで実証実験を行っていました。今回の発表によれば、これを改良した上、医療機関などで高齢者の案内を担当できるようにするそうです。
総合病院や大学病院といった大規模な医療施設では、新規の患者などが建物内で迷ってしまったり、どこへ行っていいのかわからなくなるケースが増えているといいます。また、忙しく立ち働いている医療スタッフが呼び止められ、道案内を担当することも多くなってきました。
そこで日本精工株式会社では視覚障害者向けの誘導ガイダンスロボット“LIGHBOT”を改良、こうしたニーズに応えるため、高齢者に道案内ができるロボットを活用し、医療機関のスタッフの業務外負担を少しでも減らしていくことができるようにしていくということです。出典:みんなの介護
法人向けのロボットレンタルサービスがスタート!将来的には介護施設向けの介護ロボットも?
介護ロボットの販売が次々と開始され、新たな技術や商品のニュースを耳目にすることも多くなった昨今。「興味はあるけれど値段が現実的ではない」という理由から介護ロボットの存在がまだまだ身近ではない介護関係者の方も多いかもしれません。
東京都に本社を置くオリックス・レンテック株式会社では、介護だけでなく様々な産業の企業に向けて、独自のロボットレンタルサービス『RoboRen(ロボレン)』をスタート。
第一弾は、産業用ロボットとして国内でも昨年から販売が始まっている「YuMi®」というタイプを最大6カ月のレンタル期間を設けて貸し出しをスタート。今後は介護用などのロボットのレンタルも始める意向を発表しています。出典:みんなの介護
介護ロボットとは、介護が必要な人に、歩く時や食事などの自立を助けたり、お風呂や車椅子などを利用する時の介助・支援をするロボットです。
介護ロボットは、高齢者がますます増加していくにも関わらず、不足している介護士の代わりに、2010年から、政府が開発・導入を進めているロボットです。
介護ロボットに関しては、医療機器のように、正式な定義がされているわけではありません。
どこにも明確な定義は存在しておらず、同義語には、「介護支援ロボット」、「介護福祉ロボット」などがあります。今のところ、人によって色々な解釈がされているのが現実です。
さらに、「何がロボットなのか?」、「どこまでがロボットなのか?」という点についても、明確な線引きがされていません。センサー機能がついているからといって、必ずしもロボットというわけでもありません。そのため、定義は非常にあいまいです。
「リーバ」
介護護支援ロボットです。実用的な介護支援ロボットにするため、人間を抱き上げられるように開発されています。前開発機種であったリーマンの材料や構造、情報処理系、センサー、操作方法、デザインは、今回全て見直されました。
最大で61キロの人を安全に抱える事ができ、運ぶ事までできます!発砲ウレタンは、東海ゴム工業が開発し、柔軟素材や成形技術により、関節をはじめ、全身を柔らかい外装にし、安全性に期待できます。
<ポイント>
- 61kgの人を、ベッドや車椅子から抱き上げ、移動し、抱き下ろす、一連の作業を実現
- 触覚を介したロボット操作で、被介護者の位置や姿勢、環境の変化に柔軟に対応
- 高剛性干渉駆動方式や高強度樹脂材料などの新技術を採用
「ユリナ」
2種類のバンドを交換する事で、移乗、オムツ交換、歩行訓練など、使い分ける事が可能です。
最大の特徴と言えば、操作を音声指示で行う事ができる点です。
方言や外国語もしっかりキャッチし、特定の人の音声登録なくても操作できるところが魅力です。走る時は、ジョイスティックの操作で行い、動作指示は音声に加えて、タッチパネルでもできます! 病院や老人施設、在宅介護でも使用できます。体重80キロの人まで持ち上げる事が可能です!メーカー:株式会社日本ロジックマシン
出典:介護ロボット普及推進事業
「自立支援型起立歩行アシストロボット」
ベッドからの移動をサポートしてくれる「自立支援型起立歩行アシストロボット」や、ベッドの上の状態も見守ってくれる「みまもりシステム」も開発しています。
メーカー/出典:パナソニック
「ROBEAR」
理化学研究所(理研)と連携して開発した介護支援ロボットです。
健康介護事業も手掛けているメーカーです。メーカー:住友理工
「パロ」
高齢者や認知症患者などへのセラピー効果が期待されるアザラシ型の、かわいいセラピーロボットです。
メーカー:大和ハウス工業
パロの他、ロボットスーツ「HAL」、会話支援装置「COMOON」、自動排泄処理ロボなども販売しています。
出典:草の家
「マッスルスーツ」
介護や物流産業等の現場作業の負担を減らすために開発された着用型ロボットです。
メーカー:菊池製作所
出典:山善
安定して歩けるよう支援してくれ、疲れを感じさせない乗り物、高齢者の震えを緩和させる肘装着ロボットも開発しています。
(参考資料:かぶれん)
トヨタが製作した介護ロボットです。機能は大きくわけて3つあります。
メーカー:東京大学IRT研究機構
(参考資料:介護ロボット普及推進事業)
神奈川工科大学の研究チームが開発しました。
サイエンスフィクションの映画に出てきそうなロボットのイメージで、点滅灯やケーブルが付いているスーツです。総重量は30キロで、着用に10分かかりますが、100キロまでの人間を楽々持ち上げる事ができる、頼もしいスーツです。
メーカー:神奈川工科大学
(参考資料:介護ロボット普及推進事業)
いかがでしたか?介護ロボットは、まだまだ色々な種類のロボットが開発されています。実際に介護現場に普及させるには、まだまだ安全性やコストの問題など、様々な問題をクリアしていく必要がありますが、今後もっと技術が進み、より安定した便利な介護ロボットができてくれば、介護士不足問題を打破する有効な一手となるかもしれませんね。