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介護殺人の原因とその背景!~対策と今後の課題~

介護に関係する殺人事件は、毎年何件も起きており原因の追及や対策が考えられています。
そんな、介護殺人はどのような状況の基で起きているのか、またその原因は何なのか?について解説するとともに、今後の対策や課題についても触れていきたいと思います。

介護に関するニュースピックアップ

実際に起きてしまった介護の殺人事件ニュースをご紹介します。

川崎・老人ホーム連続転落死事件…施設で何が起こっていたの?

川崎市の介護付き有料老人ホーム「Sアミーユ川崎幸町」で入所者3人が平成26年に相次いで転落死した事件で、神奈川県警は殺人容疑で元職員、今井隼人容疑者(23)=横浜市神奈川区立町=を逮捕した。
 逮捕容疑は平成26年11月3日夜から4日未明、87歳の男性入所者を4階ベランダから投げ落とし、殺害したとしている。
出典:産経ニュース

衝撃的な連続転落死事件「川崎老人ホーム転落死事件」。
逮捕された今井容疑者は、介護職は未経験ながら、救急救命士の資格を持っていることもあり、上司や同僚からも期待を受けていたそうで、手際よく淡々と仕事をこなす姿から「優秀な介護職」という評価を受けていたといいます。
周りからの評判は良く、今後に期待をされていたのに一体なぜこのような事件を起こしてしまったのでしょうか?
そして、暴行や窃盗などの事件が相次いでいたという同施設自体も、多くの問題を抱えていたのかもしれません。

(認知症社会)介護、思い詰め殺人 孤独・体調不良…将来を悲観

事件は2013年12月の朝、関東地方のベッドタウンで起きた。元建築業の男性(77)は自分で119番通報し、妻(当時64)に対する殺人未遂容疑で逮捕された。妻は重度の若年認知症だった。翌日、搬送先の病院で亡くなった。
出典:朝日新聞DIGITAL

別居をしていた夫婦が、妻の認知症の症状をきっかけに再び同居。妻の若年認知症は進行し、身の回りのことが徐々に出来なくなり、後に1人で外出してしまったり、妄想的な言動や暴言を繰り返すようになってしまい「妻が寝ている間」以外、夫は休めず、目を離せない生活だったそうです。
容疑者(夫)は、妄想から勘違いして怒り狂いはさみを振りおろしてきた妻からはさみを取り上げたところ、マフラーで締め上げられたため、思わず近くにあった電気コードを妻の首に巻きつけてしまったという悲劇です。
介護に疲れた末におきてしまう殺人事件、特に認知症が進行していくと、介護する側の負担は計り知れません。このような悲劇を招かないためにはどうすればよいのでしょうか。
地域社会との連携、介護を一人で抱え込まない環境づくりなど、たくさんの課題が見えてきます。

「地裁が泣いた介護殺人」10年後に判明した「母を殺した長男」の悲しい結末

「もう生きられへんのやで。ここで終わりや」という息子の力ない声に、母親は「そうか、あかんのか」とつぶやく。そして「一緒やで。お前と一緒や」と言うと、傍ですすり泣く息子にさらに続けて語った。「こっちに来い。お前はわしの子や。わしがやったる」。
 その言葉で心を決めた長男は、母親の首を絞めるなどで殺害。自分も包丁で自らを切りつけて、さらに近くの木で首を吊ろうと、巻きつけたロープがほどけてしまったところで意識を失った。それから約2時間後の午前8時ごろ、通行人が2人を発見し、長男だけが命を取り留めた。
出典:デイリー新潮

父・母・息子の3人家族であったが、父が病死、その後母親が認知症を発症し進行、10年経つ頃には夜間の徘徊などが多くなり、介護をすることで長男は仕事を続けることができなくなり休職することになりました。
収入がなくなり生活が苦しくなることから生活保護を申請したところ休職中であることを理由に断られ、症状が進み仕事に復帰できないことから退職し生活保護の申請を再度試みたが失業保険を理由にまた認められませんでした。
生活が困難になり、やがてアパートの家賃が払えなくなり、母親との心中を考えるようになり殺害に至ります。
介護事業所のケアマネージャーなど、まわりに相談できる方がいればこのような状況にならなかったかもしれません。
また、この介護殺人では、一生懸命介護をしたい長男に対し、社会制度や介護制度が十分ではなかったのではないかと社会に対しての疑問を覚えます。

介護で殺人が起きてしまう原因

本来ならば考えられないような殺人という行為ですが、一体何が原因で人を殺めるまでに至ってしまうのか…
その原因を考えてみましょう。

<介護でのストレス>

家族が介護をするケースでの原因としては「半強制的な介護」という状況があります。
介護に割けるお金もあまりなく、自分で食べていくのが精一杯の家族が介護を強いられることは、やはり相当の精神的・肉体的ストレスとなるでしょう。
介護苦は、殺人以外にも、介護者自身の自殺や高齢者虐待の原因にもなっています。
特に高齢夫婦での「老老介護」では、周りに手助けをしてくれる人間がいなかったり、うまくストレスを発散できなかったりと、非常に苦しい環境にあるケースも多いようです。
そういった環境に長く閉じ込められているうちに心を病み、最悪の選択をしてしまうこともあるのではないでしょうか。

<介護施設の人手不足による疲れやストレス>

介護施設でのケースでは、介護業界の慢性的な人手不足による個々の仕事量の増加や給与面での不満、利用者に対するストレスなどが原因になっていると思われます。
職場での人間関係や仕事のストレスは同じ職場の人間は同じく感じている場合もありますので、職場の雰囲気が暗くなってしまうこともあるでしょう。
そして利用者に対するストレスだけでなく、職場でのいじめなども場合によっては存在します。
先ほどと同様に自分の周りに誰も助けてくれる存在がいなかった場合、その心的ストレスは蓄積し、虐待や職務怠慢へとつながります。
そんな中で追いつめられ続けた結果、殺人という行為に至ってしまうのではないでしょうか。
他にも虐待のエスカレートにより、介護者を死亡させてしまうケースも存在します。
この介護業界における負のスパイラルが、殺人事件を起こしている原因の一つなのではないでしょうか。

<金銭的な問題>

介護によるストレスを軽減させるために介護サービスを利用しますが、金銭的に余裕のない方は、それによって生活が困難になり行き詰ってしまいます。
また、介護をするために職に就けず、生活するお金がなくなり絶望感が原因で起こってしまうこともあります。

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介護殺人を起こさないために!

介護殺人の原因は介護でのストレス、忙しい職場でのストレス、生活苦、など様々な原因があります。
介護殺人を起こさないようにするためには、まわりに相談したり在宅介護では、介護サービスを利用できる環境であれば上手に利用することが大切です。
介護はとても大変であるため1人で抱え込み介護をしようとすることでストレスが溜まりやすく介護殺人に至ってしまうケースが多いです。
自分1人でどうにかしようと思うのではなく、介護の相談窓口に電話をして、相談してみると解決に繋がることがあります。
また介護の相談窓口は1つではないため、納得のいく答えがでるまで相談してみることをオススメします。

【今後の課題】

◆介護の人手不足の解消

人手不足から、職場の仕事が上手くまわらず職員同士の関係や環境が悪くなることなどの悪循環をなくし介護職員のストレスを軽減させる。
そのためには、給与面や待遇の見直しが重要になります。

◆介護の相談窓口が身近にあることを認識してもらう

介護についての相談といってもどこに連絡して良いのかわからず、連絡しないままストレスが限界まで達してしまうことを防ぐため、介護の相談窓口が身近にあり、1つではないことを、介護者に認識してもらうことが大切です。

◆介護による生活苦問題

介護サービスを利用したいけどお金がなく、1人で介護を抱えるしかない方への対策や、介護によって働くことができず収入がない中、生活していかないとならない場合の対処方法をしっかり作り、そのような方たちの道を明記することが介護殺人を起こさないための対策に繋がります。
そのためには、介護と仕事を両立できるように、介護休業制度を使いやすく改定することや介護休業制度が受け入れられやすい環境を作っていくことが重要です。

<まとめ>

介護はとても大変なことです。
しかしながら、その大変さに負けてしまい、罪を犯してしまうのは非常に悲しいことです。
現在介護でお悩みの方も、これから介護を行う方も、正しい心構えを持ち、利用者だけでなく自分も大切にしながら介護に向かっていってください。
また、介護殺人は、社会制度や介護制度が十分でないため、よりきびしい生活と介護に陥ってしまっているケースもあります。
そのため、社会制度や介護制度の面からも見直し、対策を通し、今後介護による殺人が起こらないような介護サービスの体制や制度が求められています。

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