今回は介護業界に携わっている方なら耳にしたことがあるかもしれない【リハビリテーション会議】についてご紹介します。内容や目的、流れなどを確認し、是非実務にお役立てください。
リハビリテーション会議新設の背景についてご紹介します。
ずばり、【理学療法士】への期待が見えていると言えるでしょう。
リハビリテーション会議は医師を含む多職種がアセスメント(評価、査定、すること)結果を共有し、普段の生活やそれに対する支援の目標やそれを実現する期限、具体的な支援方法、頻度・時間、訪問の必要性、各職種の関わり方等を取りまとめ、リハビリテーション計画を作成する場として期待されています。
そもそもの始まりは第1回の高齢者の地域における新たなリハビリテーションのあり方検討会での「当たり前のことが当たり前にできていない」という指摘でした。
この指摘こそが今回の改定の鍵となっています。
上記を「リハビリテーションの原点回帰」という表現でその必要性を強く主張しています。
この原点回帰という言葉をうけ、解決すべき課題もいくつか挙げられています。
まず1つ目は患者・利用者教育の必要性です。
患者、利用者自身が成長する、その手助けをするということですね。
2つ目は専門職の質の向上にむけた研修体制の強化です。これはリハビリテーション専門職の質向上を目的とした研修体制の強化が目的です。
そして3つ目は、評価に基づいた自立支援、リハビリテーション終了の検討です。
このように、リハビリテーション専門職に大きな期待が向けられた改定となっています。
リハビリテーション会議とは、通所リハビリテーション事業所や訪問リハビリテーション事業所でリハビリテーションマネジメント加算2(II)を算定する為に行われる会議です。
この会議に似ていてよく間違えられる会議に、「サービス担当者会議」があります。
これはケアマネジャーさんが中心(司会・進行役)になって開催・運営されていて、リハリテーション会議とは別物になります。
リハビリテーション会議では、ケアマネージャーが主催、司会進行を行うのではなく、加算を算定している事業所が主体となって実施します。
通所リハビリテーション、訪問リハビリテーションのサービスを提供していて、リハビリテーションマネジメント加算2(II)を算定している事業所が開催し、リハビリテーションの内容や目標を共有し、リハビリテーション会議の内容を記録に残します。
この会議の主役には言語聴覚士や理学療法士、作業療法士が務めるべきものだと考えられています。
そしてこの会議で重要なのは、ただの客観的な意見ではなく専門的な知識、技術の伴った専門的な立場からの意見、助言です。例えば、【リハビリテーションの目標】【これからの見通し】【ケアマネジャーに対してケアプランの助言】などなど・・・
多くの意見や助言が求められます。
そして、それぞれが専門的な立場からの意見や助言を、他職分野の方にわかりやすく説明する能力も必要になります。
専門用語などばかり多く使って、その分野に携わっている人しかわからないような説明では会議の効率が大きく下がります。
具体的でわかりやすい説明、専門用語を控える(又はその都度説明を挟む)などして他職分野の方々にも理解しやすい説明、助言、提をしていくことが重要です。
リハビリテーション会議の参加者
リハビリテーション会議には、介護利用者とその家族、そして医師、理学療法士、作業療法士、担当ケアマネージャー、居宅サービス等の担当者などが参加します。
会議当日に欠席した構成員がいた場合は、照会する必要はありませんが、会議後、速やかに情報を共有しておく必要があるでしょう。
リハビリテーション会議を開催し、リハビリテーションマネジメント加算2(Ⅱ)を算定しようする通所りハビリ、訪問リハビリステーションは多々あると思います。
出席者全員のスケジュールを調整して会議を実施するだけでも大変ですが、訪問リハビリテーションなどの利益につながる業務を押しのけて会議を実施するわけですから、リハビリテーションマネジメント加算2(Ⅱ)での増収分が事業所にとって増収となるのかの見極めも必要となりそうです。