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介護現場の気になる人間関係!良好な関係を築く方法と良い職場の選択方法

介護の現場に限らず、毎日同じ空間で決まった人と顔を合わせる職場で、良好な人間関係を築くのは決して簡単なことではありません。
給与や待遇、通勤距離といった条件が全て納得できるものであったとしても、人間関係が良くないことで働きづらくなり辞めてしまう方が多くいるのではないでしょうか。
そこで今回の記事では、介護の職場で人間関係が上手くいかず悩んでいる方や、これから介護業界への転職を考えている方に役立つ、介護現場での人間関係の築き方について解説し、良好な人間関係を形成するためのポイントや解決策を紹介していきます。

介護現場の人間関係

介護現場で働く方の多くが女性であるため、女性特有の人間関係に陥りやすいことが特徴として挙げられます。また、介護の現場は介護士だけでなく、生活相談員、看護士、ケアマネージャーなどといったさまざまな職種の人が1つの職場やフロアに集まることが多いです。結果的に、仕事内容や年齢層によって、物事の考え方や視点が異なることもあり、どうしても意見の食い違いなどによって派閥ができたり、極端なことを言えば、人間関係そのものが崩壊してしまうこともあります。
さらに、介護職は非常にハードで、身体的・精神的にもストレスの溜まりやすい仕事であることから、小さな事が発端となって人間関係が悪化してしまうことも。総合的に判断して、介護の現場は、人間関係を良好に保ち続けることが難しい職場と言えるでしょう。

上表にあるように、介護業界の離職理由として最も多いのが、職場内の人間関係となっております。先述しました通り、介護の現場特有の人間関係の難しさが、このような結果を生んでしまっていると言えましょう。それでは、実際にはどのような人間関係の問題が起こっているのでしょうか。

職場でのいじめ

介護業界は基本的に女性社会であるがゆえに、些細なことから陰湿ないじめに発展するケースもあるようです。実際にあなたが働き始める職場や、現在の職場でそういった噂などを耳にした場合、事前にどのような準備や対策をしておけば良いのでしょうか。いじめに合いやすい原因なども含めて、具体的な例をいくつか挙げていきます。

新人社員はターゲットにされやすい

多忙を極める介護の現場で、新人に付き添って一から仕事を教えることは先輩職員にとって非常に大きな負担となります。教える側の先輩職員にとっては、日々の業務と並行して行うことになる以上、教えてもらう側の新人が要領が悪かったり、なかなか仕事を覚えなかったりすると、どうしても疎ましく思われがちになってしまいます。新人として新しい職場や施設へ配属となったら、決して受け身にならず、わからないことがあれば自分から積極的に質問をして、いち早く仕事に慣れていくことが重要です。「元々要領が悪くて仕事がなかなか覚えられない……」といった方でも、人一倍努力をして、その姿勢が先輩社員に伝われば、いじめに発展する可能性は低くなるでしょう。

グループ行動

女性は集団で行動することを好ましく思い、少しでも輪を乱すような人を良く思わない傾向があります。ですが、グループでの人間関係や付き合いが苦手という方や、職場で必要以上の人間関係を持つことに抵抗のある方なども多くいらっしゃると思います。
そういった方が、いじめの対象とならないようにするには、自ら積極的にグループの輪の中に入って、社交辞令でも上手く振舞うことです。最初は非常に勇気がいると思いますが、いじめに発展しない対策の1つとして非常に有効です。

仕事ができない

要領が悪く思うように仕事ができない、教えられたことを何度も間違えてしまうという方もいじめの対象になることがあります。周りに迷惑をかけないために、一生懸命仕事に取り組んだとしても、手順を間違えたり、大きなミスをしてしまっては、本末転倒となってしまいます。要領が悪い人の多くは、準備不足のまま、ぶっつけ本番で研修や仕事に臨んでしまうことが大きな原因であると思われます。要領良く仕事をするためには、毎日あたまの中でシミュレーションを行ったり、できなかったことや分からなかったこと、自分の成長に繋がりそうなことは常にメモに残して、時間があるときに先輩職員に質問するなど、次の研修や仕事に活かしていくことが重要です。少しずつでもあなたの努力や成長を周りの職員が感じ始めたら、「少し手伝ってあげよう」「アドバイスしてあげよう」と周りのスタッフから手を差し伸べてくてくれることも増えるでしょう。このような原因の他にも、「利用者から人気があって羨ましい」「仕事が大変でどこかにはけ口が欲しい」「自分より楽をしているように見える」など、人間特有の嫉妬が原因でいじめに発展することもありますので、度が過ぎる場合は信頼できる先輩職員や上司などに相談してみましょう。

良好な人間関係を構築する秘訣

介護の職場に限らず、どんな職場でも人間関係を良好に保つための秘訣をご紹介します。

心で思っていることを態度や表情に出さない!

嫌な上司がいたり、職場が自分には合わないと感じていても、きちんと挨拶をして、心の中で思っていることを顔や態度に表さないことが大切です。無意識のうちに、本音が態度や表情に出てしまっているというのは、よくあることです。意識的に取り組むようにしましょう。

会社での行事や付き合いにはなるべく参加する

行事や職場の付き合いも、呼ばれるうちが花、とも言えます。
行事がある時や職場の人に誘われた時は、なるべく出席するようにして、「付き合いが悪い」という印象を持たれないようにしましょう。また、断る際にもなるべく角が立たないように、上手く言葉を選ぶようにすることが大切です。また、食事や宴会の席での会話の中で、誰が誰を良く思っていないのか、誰と誰が仲が良いのかなどを把握しておくことで、職場でも無駄な気を遣わず働くことができるでしょう。

悪口や陰口は言わない

職場では、同僚または上司の陰口・悪口が飛び交うような場に遭遇してしまうこともあると思いますが、その場の雰囲気に流されて、絶対に陰口や悪口を言わないように気を付けましょう。職場の方とそのような話になった場合、同調して一緒に悪口などを言ってしまうのではなく、「私はあまり気がつきませんでした」「~は合わないのですね」といったように、当たり障りのない返答で上手くかわすようにしましょう。相手に悪い印象を持たれない上に、その後の人間関係のもつれにも巻き込まれずに済みます。

一定の距離をとる

「良好な人間関係」を築くことができれば、「なんでも話せる仲」、「なんでも相談できる仲」になれる……とは限りません。職場の人と深い関わりを持たず、一定の距離を保ち、当たり障りのない関係を築くことも、一つの「良好な人間関係」です。そのように割り切ることで、大きなトラブルに巻き込まれることなく、過度なストレスを感じることなく働き続けることができるでしょう。

相手の意見をきちんと聞く

自分の考えや意見を押し付けるのではなく、相手の意見をしっかりと聞いた上で、お互いの妥協点を見つけたり、自分の考えに間違いはなかったのか冷静になって、客観的に物事を考えることも大切です。協調性を高めることで、円滑なコミュニケーションが可能となります。

言葉を選ぶ

「親しき中にも礼儀あり」という言葉があるように、どれだけ仲が良くなったと思っても、衝動的・感情的な言葉は控えましょう。きちんと先々のことを考えて言葉を選び、話しをしましょう。せっかく築いた信頼や人間関係が、たった一言で崩れ去ってしまうこともあります。

もう限界!と感じた時の3つの選択肢

職場の人間関係や、慢性的なストレスによって精神的に追い詰められてしまい、「もう限界だ!」と我慢の限界に達することもあると思います。そんなとき、みなさんはどのようにして乗り越えていますか?ここでは、そんな状況に陥ったときに有効な3つの選択肢を用意しましたので、そのときの状況や環境に応じて試してみてはいかがでしょうか。

状況を回避する(辞める)

我慢の限界が訪れてしまった場合に、確実にその状況を回避するには、その職場を辞めることが一番手っ取り早い方法と言えます。限界まで追い詰められ、肉体的、精神的にも衰弱し、耐えることにも疲れ、話し合いや相談をする気力も起きないとなってしまったら、早急に転職を検討なさってください。逃げるようで嫌だと思う方もいるかもしれませんが、一度身体や精神を病んでしまってからでは取り返しがつかなくなっていまう場合もありますので、そうなる前に、心身共に健康のまま長く働いていくための手段として、時には逃げることも必要です。自分に合った職場を探して、心穏やかに過ごすことができれば、仕事にも身が入り、人生も良い方向へと向かうはずです。

とにかく耐える

「とにかく耐える」という選択肢もありますが、どれほど精神的にタフな方でも、耐え続けて限界を超えてしまう時がいつかやってきます。ゴールの存在しないマラソンを走らされているように、ストレスとなっている原因がいつ解消されるかも分からない状況は健全とは言えません。仮に、苦手としている人の異動や退職が決まっている、環境改善の見込みが立っている、といったことが判明しており、ある程度のゴールが見えている場合に関しては、その日まではなんとか耐えてみる、というのも一つの方法です。ただし、無理をし過ぎないように、適度に自分を労わってあげることは忘れないようにしましょう。

とことん戦う!とことん話し合う!

納得するまで、とことん戦い、とことん話し合うといっても、大前提として、ストレスを感じている原因や、いじめを受けている現状や、あなたを良く思っていない人に対して正面から向き合う強い心を持たなければなりません。
もしかしたら、自覚がないだけで自分に原因がある可能性も考えられます。その場合は、相手に主張するだけでなく、自分ともきちんと向き合い、「いつからそうなったのか」「何が原因だったのか」を冷静になってしっかりと考えることも大切です。
職場以外の人でも良いので、信頼できる友人などに相談をしてみて、客観的な意見に耳を傾けてみるのも良いかもしれません。原因が判明して、それがたとえ理不尽な理由であったとしても、和解のために、まずは相手が良く思っていないとする部分を謝ってみて様子をみてみましょう。もしかしたら相手も冷静になって、歩み寄ってくれるかもしれません。それでも変わらない場合は、「何故そのようなことをするのか」「どうしたら普通に接してくれるのか」「何が気に入らないのか」を率直に聞いてみましょう。相手は直接聞いてきたことに驚いて、行動や言動を改めるかもしれません。また、自分の非を認め、「何かあれば直接言ってくださいね」と、良い関係を望んでいるということが相手に伝わるように、堂々としていることで相手からの印象が変わり、状況が好転することもあるでしょう。
苦手な相手に対して、面と向かって話をする勇気やタフさがない、という方は不向きかもしれませんが、行動を起こさなければなにも変わらないことも事実です。自分の置かれている状況を出来る限り冷静に把握した上で、最善とまではいかずとも、なるべくベターな方法を取れるようにしましょう。

人間関係が原因で退職する場合の注意点!面接での上手な伝え方

人間関係が原因で転職を決意した場合は、以下の点に注意してください。また、転職の際の面接における上手な退職理由の伝え方もご紹介します。

今の職場を退職する際に気を付けるポイント!

同僚に退職の理由を聞かれても、「人間関係」が原因であることは伝えないようにする
「他の職員に退職理由を聞かれても、「人間関係がうまくいかず辞める」ということは絶対に伝えないようにしましょう。今の職場内での噂が広がり、ますます居づらくなります。介護の業界は狭いため、最悪の場合、転職先の施設にまで話が伝わる場合があります。もし同僚などに退職理由を聞かれた場合は、なるべく他の理由を答えるようにしましょう。
人間関係でトラブルを起こした相手にもきちんと挨拶する
人間関係でトラブルを起こしたり、うまくいかなかった相手に対しても、きちんと退職の挨拶をしましょう。辞める職場でも、最後のフォローは重要になります。これが最後だと割り切って対応することが大切です。
業務の引継ぎは最後までしっかり行う
自分が携わっていた業務は、中途半端にすることなく、きっちりと引継ぎを行いましょう。責任をもって最後まで仕事に取り組むことで、円満な退職に繋がります。

面接での上手な退職理由の伝え方は?

実際に転職活動を始めた際に、一番悩むのが退職理由の伝え方です。ストレートに退職理由を「人間関係が原因です」などと伝えてしまっても、面接官に好印象を与えることはできません。”また同じ人間関係でがうまくいかないのではないか””応募者本人に問題があるのではないか”と思われてしまいます。そうならないためには、なるべくオブラートに包みながら、上手に伝えることが大切です。

具体的な退職理由の伝え方
人間関係が原因となっていることを完全には隠さずに、うまく前向きに伝えるには、下記のような方法があります。
・お互いに関心がなく、コミュニケーションの少ない職場だった
・チームプレーで仕事をすることが好きで、より積極的にコミュニケーションの取れる職場で働きたい
・チームで同じ目標に向かって仕事をすることのできる職場で働きたいと思った
また、完全に人間関係以外の理由に変えてしまうのも一つの方法です。

人間関係のよい転職先の選び方とは

次の職場でも失敗しないように、よりよい職場を選ぶためにはどのようなことに気を付ければよいのでしょうか。100%ではないですが、以下の項目に当てはまる場合は、人間関係がよくない可能性があるといえます。

【応募前に気を付けること】
・頻繁に求人が出ている。
・待遇等が細かく記載されていない。
・他と比較して大幅に給与が高い。

頻繁にハローワークに求人を出しているような場合、その職場は常に人材が不足しており、その要因が人間関係にある可能性があります。また、他と比較して明らかに給与が高い、給与の内訳や他の待遇がはっきりしていないなどの求人は、離職率が高く採用が急務のため、とにかく厚い待遇に見えるようにしている可能性が高いです。

人間関係のよい職場かどうかを見極めるためのポイント

それでは、具体的に良好な人間関係を築けている職場であるかどうかを精査する際に、重要となるポイントを挙げていきます。

【面接時・見学時に気を付けること】
・職員がしっかり挨拶をしてくれるか
・利用者との関係が良好そうか
・職員の年齢層の幅が広いかどうか

実際に働いている職員の方々が、気持ちよく挨拶をしてくれるかどうかは非常に重要です。人間関係が良好な職場では、お客様や応募者に対して自然と明るい挨拶が出ます。また、利用者の表情が穏やかで明るいものであれば、その施設がしっかりとしたサービスを行っていることが分かります。さらに、施設が清潔に保たれているかといったようなことにも注目してみましょう。人間関係が良好で、心身共に余裕のある職場であればこそ、看護サービスから清掃に至るまで、しっかりと気を遣うことが可能になるからです。このようなポイントからも、職場の人間関係や雰囲気は少しずつ読み取ることができます。※上記の内容がすべて当てはまるわけではありません。あくまでも参考情報としてご活用ください。

紹介予定派遣という選択

「紹介予定派遣」とは、一定の派遣期間の後に、派遣先の企業との直接雇用を結ぶことを前提とした雇用制度です。決められた試用期間中に、職場の雰囲気や業務を体験できるため、自分が今後も働いていけるかどうかを見極めることができます。また企業側にとっても、入社後のミスマッチが起きにくいというメリットがあります。期間終了後の社員登用の判断は、当然企業側がすることになりますが、あなたが「この職場では長く働けそうにない」と判断し、継続した契約を望まないとなった場合には、気まずい思いをすることなく退職することが可能です。「紹介予定派遣」のメリット・デメリットは以下のようになります。

メリット
・試用期間の間に、自分に合った職場であるか判断することができる
・派遣会社によるサポートを受け、契約などもスムーズに進めることができる
デメリット
・派遣期間中は、勝手に辞めることができない
・直接雇用後も、必ずしも正社員雇用となるわけではなく、契約社員からスタートという場合もある
まとめ
どのような職場であっても、良好な人間関係を構築していくというのは非常に難しい課題です。だからといって、「あの人のせいで・・・」、「あの人がいけない・・・」と矛先を周りに向けるだけでは、建設的とは言えません。良好な人間関係を築くための一歩を自分から踏み出し、時にはこれまでの自分を変えることによって、周りの人たちへの印象を変え、どのような状況・環境であっても、良好な人間関係を築いていくような努力が求められます。また、スタッフへの過度な業務負担や、コミュニケーション不足による組織の崩壊などが原因で、職場の環境そのものが悪くなってしまうケースも多く見受けられます。特に介護の現場は、人手不足などが原因で職場の環境が整っていない施設も多いのです。まずは人手不足の問題を解決することで、職員の余裕が生まれ、良好な人間関係も築きやすくなるような施設が増えるといいですね。