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なぜ介護業界は出入りが激しいのか。多くの介護職の方の退職理由とその後の声!

2017年度の公益財団法人介護労働安定センターの発表において、介護職員(非正規職員)の採用率・離職率が高いことが分かりました。この結果によって、介護職員の出入りが激しいということが、実感ではなく数値としても明らかとなりました。ここまで業界内において人材の流動が多いのはなぜなのでしょか…。そこで今回は、現場で働く介護職の方が辞めたいと思った瞬間や、実際に退職を決意した理由などをご紹介しながら、いま現在退職をお考えの方や、「現職で引き止めたられてなかなか退職できない」といった方々のお悩み解決のためにその対処法についてお教えしたいと思います!

介護のお仕事を辞めたい!と思う瞬間

熱意や理想の介護を持って始められた介護のお仕事でも、時に辞めたいと涙を流して思ってしまう瞬間があることでしょう。この瞬間を減らすことができれば、介護業業界も明るく出入りの激しさを減らすことができると切に思います。では、その涙の辞めたい瞬間はどんなものでしょうか…
実際のお声を集めてみました。

このように、決してボランティアではない現場の「人」が集まる職場での人間関係はかなり精神をむしばみ追い込んでしまうことでしょう。さらには、低賃金なうえにそれに見合わない過酷な労働…休みたくとも休めない人手不足。ご利用者さまとの相性も良好であればまだヤリガイになるかもしれませんが、我が侭な横柄な態度の度が過ぎて、誠意をこめて対応すべき内容なのかの判断も難しいものがあり、ましてやその対応の相談すら周りにも言えないほどの多忙さ…。誰にも相談できず助けもない、改善もできない・されない職場で悩む日々をすごしているとふと「辞めたい…」と思ってしまう瞬間がきてしまいますよね。また、腰痛や身体の疲労が蓄積し、体調を崩したり怪我をしてしまった時に「もう限界かも…自分が介護される側になる」と吹っ切れてしまうケースも。

介護の仕事が続かないのは本当なの?

次に、介護の仕事について、実際にどれくらいの人が離職しているのか見ていきましょう。前述の通り、公益財団法人介護労働安定センターでは、介護職に関する離職率についても調査しています。公益財団法人介護労働安定センター「介護労働実態調査」の直近3年間の推移を見てみると、次のようなことがわかりました。離職に関する調査では、訪問介護員と介護職員を職種で分類し、その中で正規職員と非正規職員にわけて集計していますが、調査結果の傾向を要約すると、訪問介護員が年々正職員の離職率が微増傾向にあり、介護職員の非正規職員の離職率においては20以上と高い割合となっています。また、離職者の勤続年数を見てみると、平成29年度での調査結果では、「1年未満」が38.8%、「1年以上3年未満」が26.4%で両者を合計すると65.2%となっており、「3年以上」で離職した人が34.9%といった結果でした。そして、厚生労働省においても新卒者の離職状況を2018年10月に発表していますが、卒業後3年以内に離職する人が多く、離職率の高い職業として医療、福祉が4位に入っていましたので、介護の仕事が続かない人が多いのは事実と言えるでしょう。

「介護労働実態調査」離職率に関する調査結果

〈直近3年間の離職率〉
平成29年
訪問介護員 17.0(正規職員) 13.8(非正規職員)
介護職員 14.3(正規職員 20.36 (非正規職員)
平成28年
訪問介護員 16.8(正規職員) 14.8(非正規職員)
介護職員 14.7(正規職員 21.3(非正規職員)
平成27年
訪問介護員 15.8(正規職員) 13.5(非正規職員)
介護職員 14.9(正規職員 21.7(非正規職員)
〈新規学卒就職者の就職後3年以内離職率 ( )内は前年比増減〉
大学
宿泊業・飲食サービス業 49.7% (▲0.5P)
教育・学習支援業 46.2% (+0.8P)
生活関連サービス業・娯楽業 45.0% (▲1.3P)
医療、福祉 37.8% (+0.2P)
小売業 37.7% (▲0.9P)
高校
宿泊業・飲食サービス業 63.2% (▲1.2P)
生活関連サービス業・娯楽業 59.2% (▲0.2P)
教育・学習支援業 56.5% (+0.5P)
小売業 48.8% (▲1.6P)
医療、福祉 47.0% (+0.1P)

みんなの退職理由はどんなもの?

では、実際に退職に踏み切った方の退職理由はどのようなものなのでしょうか。
公益財団法人介護労働安定センターの平成29年度「介護労働実態調査」の結果によると

1位 職場の人間関係に問題があったから(20%)
2位 結婚・出産・妊娠・育児のため(18.3%)
3位 法人や施設・事業所の理念や運営の在り方に不満があったから(17.8%)

となっています。
やはり職場環境や経営理念に対する理由が多いとされていますね。ほかにも、実際に業務に支障がでてしまう「体力的にもたない」という理由…もはや介護の仕事自体を続けるのが困難なほどの体調状況となっているそう。次いで、なかなか改善されていかない「給料面への不満」が退職理由とされていますね。とても責任もあり過重労働な職なのに、
見合ったお給料すらもらえずに生活も豊かになれない現状。より良い職場、または異業種へと行動にうつしたのでしょう。

引き留めの経験談

離職は貴方の人生を左右する重大な決断になりますが、辞意を決意してから職場に退職の意思を伝えてみると、会社側から退職を引き留められる場合があります。引き留められるは悪いことばかりではないと思いますが、結果として円満に退職できれば良いものの、会社と折り合いがつかないことも珍しくはありません。引き留められた方の経験談をまとめてみると、主に「退職が急なので引継ぎができない」「貴方の仕事を評価しているので、勤務体系や賃金を見直すので続けて欲しい」といった理由が多いようです。以下、実際にどのようなケースがあるのかもう少し詳しく説明するため、離職経験者が実際に経験した引き留めの話を挙げてみましょう。

ケース1:退職を受け付けてくれない(Yahoo!知恵袋より引用)
精神的に追い詰められ、限界を感じ、会社に退職したいと、退職届を持って行きました。会社側は、「辞めるには、この会社専用の退職届がある。それを出さないと辞められないけど、君に渡すつもりはない。それに、規則で退職は3ヶ月前に言えと言ってあるだろ」と、退職を受け付けてくれないケースです。
ケース2:退職を引き延ばされてしまう(Yahoo!知恵袋より引用)
親の介護や約束していた正社員登用がないため、6年勤務した会社に退職の願いしたところ、今一度じっくり考えてみて欲しいと言われて一旦保留。その後、再度退職の決意を示したところ、転職先が決まるまで、現在の会社の介護休暇を使用すればと言われ、引き延ばされてしまうようなケースです。

引き留められた場合の対処法!後腐れなく退職しよう!

退職を決めたは良いものの、人手不足の施設は引き止めることもしばしばしありますよね。ここでは、どうすれば良いのか対処法をご紹介します。

退職へのステップ

無断欠勤はトラブルを生むだけなので控えましょう!

Step 1
退職すると決めたら、退職の2ヶ月前くらいを目安に、退職の意思表示をします。自己都合での退職の場合、「退職届」ではなく、「退職願」を用意しましょう(退職願に、具体的な退職理由を記載する必要はありません。しかしきちんと提出の日付を明記しましょう)
Step 2
直属の上司に退職の意思表示をし「退職願」を提出しましょう。さらに上の方への報告が必要な場合は、自分からお時間をもらいに伝えることをオススメします。人伝えだとどうしても聞いていないから辞めさすことができないなどトラブルを招きかねません!
Step 3
引き継ぎのスケジュールや退職日について、上司に相談しながらスケジュールを立てていきます。
Step 4
立つ鳥跡を濁さずに引き継ぎがある場合にはきちんと書面で残すこと。お世話になった方々に、しっかり挨拶を済ませ、これまでの感謝の意を伝えましょう。

このような円満なステップの流れでいければ良いのですが・・・現実は難しい環境の施設もあるかと。そもそも辞めますと言った時点で引き止めにくることでしょう。管理側も引き止めのノウハウを持っているので、すんなりと辞めさせてくれるのは難しいと思います。まずは「退職したい意思」をきちんと持ち、言葉にしましょう。

引き止めの対処法

「あなたが必要なんです、辞められたら困る」

回答例:「お気持ちは大変嬉しいのですが、ここでは難しいキャリアアップを目指していき資格取得をしたいと思っています」
☆ある程度当たり障りのない内容にとどめておいたほうが懸命です。

「これからは待遇や給料を良くしていくから」

回答例:「お気遣いを頂いてありがたいと思っていますが、退職の意思は変わりません」
☆このように特定の人や環境への不満を口にすることは避けましょう。

「君を育てる為に、いくら予算を費やしたと思っているんだ。賠償してから辞めろ」

まず、そのような道理で賠償の義務を負うこともありませんし、裁判沙汰になることも滅多にありませんので、きちんとき然とした態度で「働かせていただいたことに感謝をしておりますが、退職させていただきます」と、かわすことをオススメします。もし恐怖を感じる場合には、労働基準監督署に相談をしてもよいでしょう。

円満に退職できる伝え方

会社を円満に退職するなら、退職の伝え方だけでなく、タイミングも考慮してください。職場や同僚などへの不満は口にせず、「職種を変えたい」「家族の介護をしなければならない」「結婚や出産が理由」などの個人的な理由を伝えるほうが良く、できれば退職希望日の約3か月前から準備して退職願を提示してみましょう。
3ヶ月前の理由とは、会社の規模や状態にもよりますが、会社側が新たな人員の配置や引継ぎの体制を整えるのに必要な時間となるためです。
こうした引継ぎなどの話し合いを会社にした後、退職日を会社側と調整して、約1ヶ月前に退職届を提出する流れにするのがベストです。
そして、繁忙期や重大なプロジェクトが進行している時期は、退職の話は避けましょう。

伝えないほうがよいこと

逆に退職理由として伝えないほうが良いことは、前述した内容とも重なり、表裏一体とも言える、会社側の事情を全く考慮しない自己中心的な言い分です。
退職には様々な理由があると思いますが、仮に上司や同僚との人間関係が原因だったとしても、そうしたことは直接的に言うべきではありません。話し方を間違えると、むしろ反感を買ってしまう場合さえあります。また、会社に退職を正式に開示するまでは、自身が退職することを周囲に伝えるのは控えるべきです。特に、上司よりも先に、別の職員から貴方の退職の意向が伝わるのは心象が良くありません。

面接での退職理由の伝え方

ところで、退職と同時に、転職活動などにおいて、退職理由をどのように伝えるべきか、迷っている方も多いのではないでしょうか。
そんな時、貴方なら面接でどのように伝えますか?
面接官が退職理由を確認するのは、主に2つの理由が挙げられます。
1つ目は、貴方が新しい会社に入社した場合、「同じ理由で退職をする可能性があるか」を確認したいといった意図です。会社にとっては、人材の採用までには時間や費用をかけており、採用しても直ぐに退職するようなことがあれば損失になると考えるのが一般的です。これに加えて、もう1つは「貴方が何を重視しているのか」「仕事に対する熱意」などを把握したいと考える傾向があり、貴方が社風に馴染む人材であるかどうかを判断しているのです。こうしたことからも、面接時に退職理由を聞かれた場合には、ポジティブな理由に言葉を変換して伝えるように心がけましょう。

具体例を挙げてみると

「事務として入社したが、実際には営業に配属されました。その後、しばらく営業の仕事を経験し、配置換えを相談したものの、会社側から異動は考えてないとのことで退職を決意。この会社では、せっかく営業の経験もできたので、現場の営業の仕事から得られた意見や状況も活かしながら、貴社の事務職に特化して働きたいと思っています」などと回答するのも1つの方法です。

退職時に知っておきたい退職手当のこと

会社を退職する時には、退職金がもらえることは皆さんもご存じですよね。長く会社に在籍していた場合には、退職手当について会社と話し合うことになるでしょう。
退職金の相場は、退職理由、勤続年数などによっても計算方法が変わります。例えば、退職金は、基本給月額×退職理由別・勤務期間別支給率+調整額で計算しますが、貴方の会社の就業規則を見て確認してみましょう。ここでは、一般的には会社からどのくらいの退職金が手当てされているのか、東京都産業労働局が調査した「中小企業の賃金・退職金事情(平成30年版)」のモデル退職金を参考に見ていきましょう。モデル退職金とは、卒業後すぐに入社し、普通の能力(無資格など)と成績で勤務した場合の賃金水準であると定義しています。更に詳しく見てみると、高校卒が11,268 千円、高専・短大卒が11,066 千円、大学卒が12,034 千円といった結果となっており、新卒で入社して定年まで働いた場合には、約1,100万円以上もの退職金が支給されていることがわかります。また、退職手当は、基本給をベースに計算することが多いので、同調査におけるモデル賃金「医療、福祉の初任給」の項目を見てみると、新卒の初任給の平均にして、高校卒が190,884円、高専・短大卒が197,371円、専門学校卒が207,421円、大学卒が205,788円となっており、業界の賃金水準を把握しておくと、貴方の会社の退職金が他と比べてどうなのかも参考になるでしょう。

まとめ
責任の重い職業だからこそ、他の職業よりも大きな充実感、やりがいを感じることが出来ます。そういった気持ちを大切にできる職場を見つけることが大事かもしれませんね。
もちろん大変なことやつらいこともたくさんあると思いますが、なによりも今後の社会において介護職はなくてはならない存在となるでしょう。
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