いよいよ節分が近づいてきました。豆まきは、子供の頃に行った思い出があるのではないでしょうか?特に手の込んだ準備はいらない行事ですが、後片付けが面倒だったりと、最近では、あまり家庭でやるところは少ないように感じます。しかし高齢者にとっては、昔から続く伝統的な行事として、節分を楽しみにしている方も多いようです。
寒い2月の行事ですが、身体が縮こまらないように、積極的に身体を動かすレクをしてみましょう。
節分というと、思い浮かべるのは、鬼、豆まきなどでしょうか?元々の節分の意味は、季節を分けるということで、旧暦の大みそかになります。そのため地方によっては、節分のことを“年越し”と呼んだり、鬼を追い払うための行事である“追儺式(ついなしき)”が行われているところもあります。
また、“福豆”といって、自分の年の数だけ豆を食べる風習は割と身近なものではないでしょうか?高齢者に、年の数だけというのは至難の業ですが、こうしたときは“福茶”と言って、お茶の中に豆を入れて飲みます。しかし、お茶の中に直接豆を入れるのは、誤嚥が心配ですから、節分の日には、“黒豆茶”などを飲みながら自分の幼いころの節分をゆっくり思い出してもらう機会としたいですね。
ここでが、介護者が身体を動かして楽しめる節分のレクをご紹介します。
[用意するもの]
半紙、割りばし、カラーペン、お手玉(もしくは新聞紙を丸めて作ったボール)
[ゲームの方法]
半紙にカラーペンで鬼の顔を描く。半紙の上下に割りばしをつけ、的にする。
担当者が鬼の絵の半紙を持ち、介護者にはお手玉を当てて、鬼の絵を破ってもらう。介護者にあわせて、担当者が動き、的の距離や高さを変えられるので、みんなが楽しみやすい。
[用意するもの]
鬼の仮装、お手玉または、大豆の小袋
[ゲームの方法]
担当者が鬼の仮装をする。介護者には、お手玉を渡しておく。鬼が来たら、“鬼は外、福は内”と大きな声を出しながら、お手玉を投げて当ててもらう。大豆でやる場合、後片づけが大変になるので、大豆の小袋ごと投げてもらうとよい。
[用意するもの]
ボール(もしくは新聞紙を丸めて作ったボール)、画用紙、かご2つ以上
[ゲームの方法]
かご1つにつき、ボールを15個~20個用意する。そのうちの5つに鬼の顔を描いた画用紙を貼る。用意スタートで、かごの中から、鬼の顔のボールだけを出す。早く出せたほうが勝ち。トーナメントにして戦ってもよい。
[用意するもの]
画用紙、カラーペン
[ゲームの方法]
いろいろな縞々柄の鬼のパンツを2枚ずつ画用紙に描く(黄色&黒、ピンク&白など)。
1枚は、床に散らばせ、もう1枚は、鬼役の担当者が持つ。
「鬼のパンツはこれでーす!」と1枚を掲げ、介護者は床に散らばったカードから同じ柄を探し、一番早く見付けた人が勝ち。
“恵方巻”の恵方とは、縁起の良い方向のことを指します。2017年の恵方は、 “北北西やや右” だそうです。最近では、恵方巻もずいぶん身近になってきました。
そこでここでは、高齢者向きの恵方巻のアレンジをご紹介します。
恵方巻と一緒に食べたいものは、大豆の煮ものとイワシのつみれ汁です。大豆は単品でも良いですし、人参やひじきと一緒に軟らかく煮てもよいですね。イワシのつみれは臭み消しのショウガやお豆腐を加えて、ふわふわと軟らかい食感に仕上げましょう。
豆まきの豆は硬くて食べられなくても、軟らかく煮たものなら誤嚥の心配も少なくなります。
また、イワシは、“やいかがし”といって、ヒイラギの枝にイワシの頭をつけたものを家の玄関に飾ると、ヒイラギのとげとイワシの匂いで鬼が逃げるという言い伝えがあります。最近ではこうしたことをしない家庭も増えてきていますが、節分の日には、この2つの食材をメニューに加えて、食から節分を満喫したいですね。
いかがでしたか?
普段、旅行や外出などままならない高齢者にとって、想像以上に季節の行事のレクリエーションを楽しみにしているものです。
創意工夫をして、ぜひ介護の現場でも節分の行事を楽しんでみましょう。