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細かい気付きが介護の事故を防ぐ!福祉用具に関するヒヤリハット!

高齢者の体を支えたり助けたりするはずの福祉用具ですが、間違った使い方をすると、とても危険です。
今回はそんな福祉用具に関する注意点やヒヤリハットについて用具別にわかりやすく解説します。
介護現場でのヒヤリハットについて知りたい方、介護の仕事に携わっている方必見の情報です。

ヒヤリハットの先にある事故

ヒヤリハットとは、重大な事故には至らないが、そうなってもおかしくない一歩手前の状況や発見のことです。
このヒヤリハットの先にある事故はたくさんありますが、昨年も老人ホームで入浴中に要介護女性がおぼれて亡くなるという出来事が起こってしまいました。

要介護の女性、入浴中に死亡 さいたまの老人ホーム

さいたま市緑区の有料老人ホーム「イリーゼ浦和大門」で昨年12月、「要介護5」の認定を受けていた入居者女性(当時71)が入浴中に溺れて死亡する事故があったことが6日、市への取材で分かった。事故は職員が女性から目を離した間に起きたという。
市は再発防止策をまとめた改善報告書を今月末までに提出するようホーム側に行政指導した。埼玉県警は業務上過失致死容疑に当たる可能性もあるとみて、関係者から事情を聴いている。
市によると、昨年12月17日午前、女性は職員に付き添われて入浴。職員は他の入居者の介助をしようと脱衣所に行き、数分後、女性が溺れていることに別の職員が気づいた。女性は病院に搬送されたが死亡した。〔共同〕

出典:日本経済新聞

1人で何人もの介助をしている介護職員にとって、このような状況は身近にたくさんあるのではないかと思います。
だからこそ、ヒヤリハットを超えた先には重大な事故が待ち受けている、また介護の仕事とはそのような事故といつも紙一重であることを十分理解し様々な注意点を把握しながら介護を行う必要があります。

介護ベッドの注意点とヒヤリハット

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【注意点】

  • 寝位置を正し、ベッドを上げた時にきちんと座れるように調整します。
  • 背上げをする時は利用者の両手がどこにあるのか確認します。
  • 高さ調節機能を使用した際は、安全な高さに戻すまで目を離さないようにする。

【ヒヤリハット】

  • 背上げをした際に正しい姿勢で座れていなかったため、食事が上手く飲み込めず、つまりそうになってしまった。
  • 利用者の腕がベッドの柵にはいっていることに気付かずリモコン操作で背上げをしてしまい、挟まって危うく骨折させてしまうところだった。
  • 高さ調整機能を使用し、ベッドを高く上げたままにして他の作業に移ってしまったところ利用者がベッドから降りようとして、もう少しで落ちそうになってしまった。
  • ベッドの柵と柵の間に利用者の首が挟まってしまい、気付くのが遅かったら重大な事故になるところだった。
  • 背上げの際、少し目を離していたら利用者が動こうとしていて、ベッドから落ちそうになってしまった。

車椅子の注意点とヒヤリハット

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【注意点】

  • 座る姿勢に目を配り、椅子と腰に隙間ができないよう深く座らせ、それでもすべりおちてきてしまう場合は、姿勢を保持するクッションなどを使用し利用者の体に合わせる。
  • 車いすのブレーキロックは、かけた後も動かないか確認する。
  • 車椅子のフットサポートの位置が利用者に合っているか確認する。

【ヒヤリハット】

  • 車椅子と腰の間に隙間があったため、利用者が椅子から滑り落ちそうになってしまった。
  • 車椅子を利用している時に自分で強くブレーキをかけてしまい前に落ちそうになってしまった。
  • ゆるい坂道で、車椅子のブレーキロックをかけていたが、タイヤの空気が少なかったためきちんとロックされておらず動き出しそうになってしまった。
  • 車椅子のフットサポートの位置が利用者に合っておらず、足がきちんと乗っていなかったため、フットサポートとタイヤの間に足が挟まれそうになってしまった。
  • 利用者が車椅子に座ったまま、下に落ちた物を取ろうとして前方に転倒しそうになってしまった。

ポータブルトイレの注意点とヒヤリハット

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【注意点】

  • ポータブルトイレの高さは、利用者の足のかかとがしっかり地面に着くように調節します。
    高すぎる場合は、ちょうど良い台などをしっかり固定して足場にします。
  • ポータブルトイレがぐらついていないか確認し、ぐらつく場合はネジがゆるんでいないか確認する。

【ヒヤリハット】

  • ポータブルトイレの高さが合っていないことに気付かず、利用者が上手くいきむことができず便秘になってしまった。
  • ポータブルトイレのネジがゆるんでいたため足が外れてしまい転倒しそうになってしまった。
  • ベッドから降りる際にポータブルトイレにつかまって降りようとしたところ、ポータブルトイレが倒れ、転倒しそうになってしまった。

入浴関連用品の注意点とヒヤリハット

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【注意点】

  • お風呂の浴槽や洗い場はきちんと掃除しておき、ぬめりなどがないようにしておきましょう。
    また、ぬめりがあると浴槽内の滑り止めマットが浮き上がってしまうこともあるため確認が必要です。
  • 浴槽内に入れる浴槽台の位置は、前にしすぎるとすべり座りになってしまうことがあるのできちんと確認し直しましょう。
  • 浴槽から出る時に入浴用いすなどに捕まって出ないように声をかけ確認する。
  • 入浴用いすの足の劣化などを常に確認しておきましょう。

【ヒヤリハット】

  • お風呂の洗い場が滑りやすくなっており、利用者が転倒しそうになってしまった。
  • 浴槽内に入れる浴槽台の位置が正常ではなく、すべり座りになってしまい、危うく顔まで湯につかってしまうところだった。
  • 浴槽から出る時に入浴用いすに捕まって出ようとしたところ入浴用いすが倒れ、一緒に転倒しそうになってしまった。

<まとめ>

福祉用具を利用する方の一番身近にいるのは介護職員であるため、福祉用具の専門知識はなくても細かいことを気にして、気付くようにすることがとても大切です。
小さな気付きから大きな危険を回避できることもあるため、何か気付いた事があった場合は、福祉用具専門相談員やケアマネージャーに相談し改善しましょう。
上記で紹介したヒヤリハットを頭に入れ、その先が重大な事故に繋がっていることを意識し、利用者が安全に福祉用具を利用し快適に生活できるように気を引き締めて介護サービスの提供を行えると良いですね。

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