介護に携わっている方の多くが、腰痛に悩んでいるのではないでしょうか。
もともと腰痛もちだったという方でなくても、介護の仕事に就いてから、どうも腰が痛い…という方もいらっしゃると思います。
今回は、そんな介護の職業病とも言われている腰痛について、その原因となる習慣や腰痛の改善法、効果的なストレッチなどをご紹介します。
人の体は、背骨がS字にカーブしていることで、負荷を分散し衝撃を逃がす働きをしています。
そのため、背骨が歪んでしまったり、変形してしまうことで上手く負荷を分散できず、要である腰に影響が現れやすくなることや、お腹の深層にある筋肉(インナーマッスル)が衰えてくることで、筋肉で支えていた負荷が腰にかかってしまい腰痛に繋がります。
このように、歪みや筋力の低下の他に、日常的に腰に負担をかける行動などによって腰痛は引き起こされます。
介護職では、「介護腰痛」という言葉があるほどに、腰に大きな負担のかかるお仕事だといえます。
特に入浴介助や移乗介助、排泄介助などの際には、前かがみや中腰の姿勢が続くので、腰に負担がかかり、必然的に腰痛になりやすい環境にあるのです。
そして他にも、夜勤などの変則勤務があるので、その疲れから腰を中心にだるさを感じ、それが腰痛へとつながったりもします。
人の命をあずかる仕事なので、緊張感から体全体に余計な力が入ってしまい、腰痛になってしまう場合もあります。
また、頭の中であれこれ考えるといった、精神的な負担をもちながら介護を行っている時、腰背部の筋肉へかかる負担は、精神的負担がない時よりも、かなり増加するといわれています。
ストレスによる精神状態も、腰痛に影響を与えているのです。
腰痛を予防するために出来ることはたくさんあります。
普段のお仕事中でも出来る腰痛の予防法や日常的な予防法を、いくつかご紹介しましょう。
下にある重い物を持ち上げる時は、足を伸ばしたまま持ち上げるのではなく、膝をまげて、しゃがんだ姿勢から物を持ち、ゆっくり持ち上げることで、膝にも負荷が分散され、腰の負担を軽減することができます。
このように、腰だけに負担をかけないためには、持ち上げる物に体を近付け、肘や膝の力を使いワンクッションおくことで腰への衝撃を和らげると良いでしょう。
中腰の姿勢は腰に大きな負担を与えます。
そのため、訪問介護で行う家事業務の掃除機をかける際は、掃除機の管を長くし中腰にならずに掃除機をかけるようにすることや、テーブルの下は、膝をついてかけることで、中腰の姿勢を避け、腰に負担をかけないようにすることができます。
また、トイレ掃除や浴室掃除の際どうしても中腰にならないとできない場合は、つかまれる場所を探し、片手でつかまりながら掃除をすることや、膝をついて掃除をすると良いでしょう。
一度使い始めてしまうと手放せなくなるコルセット。
ネットや、スポーツ用品店などで販売されています。
ただコルセットを腰の周りに巻いておくだけで、腰への負担が大きく軽減されます。
腰を痛めている方でなくても、予防として使用している方は多いので、使ったことがないという方は、是非一度、試してみてください。
上記の腰痛が起こる原因でも解説したように、深層の筋力の衰えは腰痛に繋がるため、インナーマッスルを鍛えることで、筋肉で負荷を支え腰への負担を減らすことができ腰痛を予防することができます。
トレーニングには、簡単なエクササイズからヨガ、ピラティスなども効果的です。
運動により、腹筋や背筋が鍛えられ筋肉で腰回りを支え、腰にかかる負担を軽減することができるため、日常的に運動をすることは、腰痛予防にとても効果的です。
一日一時間程度のウォーキングや水泳がおススメです。
腰痛を改善させるためには、リラックスして、細かい筋肉を動かすことがポイントです。
背骨の周りには多くの細かい筋肉がついています。
背骨周りにある細かい筋肉は背骨を動かさないとどんどんと固まってしまい、この筋肉が固まってくると腰の動きが悪くなり、腰全体の筋肉も硬くなるのです。
そこで、背骨周りの筋肉をほぐすとっても簡単なストレッチであるヨガのポーズからいくつかご紹介します。
腰痛の改善として代表的なポーズであり、背骨の柔軟性を高め腰痛を改善します。
固まってしまった腰回り筋肉をほぐし腰痛の改善に繋げます。
背中の歪みを正し、腰痛を改善するためのポーズです。
骨盤の調整や、下半身を鍛えることで、腰痛の予防・改善に効果的なポーズです。
※ストレッチをするのに適したタイミングとしては、お風呂上がりなど、体が温まりリラックスしているタイミングで行うと、大きな効果が得られるでしょう。
介護のお仕事はとても体に負担のかかる職業なので、日頃から疲れを溜めないようにして、
腰痛の予防対策を行いながら、また腰痛になってしまっている方も、ストレッチ等を毎日続けて、腰痛改善をしていきましょう。