介護求人TOPケア転職ナビコラム介護のキャリアプラン > 【介護士さん必見!】コミュニケーションの上手な取り方とは?

【介護士さん必見!】コミュニケーションの上手な取り方とは?

どんな職場でも、コミュニケーションに関する悩みは多いものです。中でも介護の現場は、被介護者の方々は勿論、そのご家族や他職種の同僚といったように、様々な人との関わりがありますので、いかに上手なコミュニケーションを取るかが鍵となります。今回は、介護士さん必見の「被介護者との上手なコミュニケーション」について紹介していきます!

コミュニケーションの基本って?

コミュニケーションの意味を調べてみますと、「人間が互いに意思・感情・思考を伝達し合うこと。言語・文字その他視覚・聴覚に訴える身振り・表情・声などの手段によって行う(参照:三省堂 大辞林 第三版)」とあります。大雑把に言えば、コミュニケーションの目的は「人を理解し、人に理解してもらう」ことにあると言えるのではないでしょうか。そのために、言葉を使うだけでなく、ジェスチャーや表情などの「非言語」コミュニケーションを用いて、様々な情報のやりとりを行います。

言語コミュニケーション
言語(話すだけでなく、手話や筆記も含みます)を用いて、こちらの意見や価値観を伝えたり、相手の話を聞いて(傾聴)内容を理解すること。更に、相手に問いかける(質問)ことで、不明瞭な点を明確にするなどして、意思疎通を更に確実なものとします。
非言語コミュニケーション
言語以外の手段を使い、言葉に頼らないコミュニケーションです。人は表情や顔色、視線にジェスチャーといったもので、非言語コミュニケーションを行っています。聴覚的、視覚的、身体的などその種類は様々です。

一口にコミュニケーションといっても、その方法は様々であることが分かりました。それでは、介護の現場で役に立つコミュニケーションとは、どのようなものがあるのでしょうか?

介護現場におけるコミュニケーションとは

介護現場において、円滑なコミュニケーションを必要とされる場面は多々ありますが、特に介護を必要とされている方とのコミュニケーションの難しさは、介護職の方々であればよくご存じでしょう。被介護者には、高齢者の方々は勿論のこと、認知症を患っている方もいらっしゃいますので、身体能力の低下が原因で自分の意思を上手く伝えられなかったり、意思疎通ができずに、コミュニケーションが困難である場合が多いのです。そういった時でも、出来る限り相手の意思を汲み取って、相手の苦痛や悩みを軽減させてあげるためにも、介護職は高いコミュニケーション能力を身に付ける必要があります。被介護者とコミュニケーションを取るにあたり、前提として押さえて欲しい大切なポイントをまとめてみました。

ポイント① 自己開示は大事!

何はともあれ、介護する側が相手に対して心を開いていることを、しっかりと伝えなくてはなりません。たとえば自分の出身地など身近な話題から始めて、自己紹介をしながら、「私はあなたに心を開いていますよ」という気持ちが伝わるような話題作りを意識することが大事です。

ポイント② 話させ上手になること

自分のことばかり話していても仕方ありません。「あなたに興味があります」といったことを相手に感じてもらうためには、話を聞く際の姿勢や動作などにも注意しなくてはなりません。会話の中で適度に相槌を打つ、笑顔を見せるなどして、相手が会話に対するモチベーションを更に上げてもらえるようにします。「聞き上手」であるのと同時に、「話させ上手」になることを心掛けましょう。

ポイント③ 受容と共感

介護の利用者の方々は世代も様々で、意見や価値観が異なることもあるでしょう。その場合でも、否定的な言葉は極力避けて、まずは受け入れる(受容)ことが大切です。同時に、相手の気持ちを理解して、共感の意を示すことによって、相手との良い信頼関係の構築に繋がるでしょう。

ポイント④ 2つの会話術を活用しよう!

皆さんは、「オープンクエスチョン」と「クローズドクエスチョン」という会話術をご存知でしょうか。どちらも質問方法におけるテクニックです。それぞれの特性を理解し、上手く使いこなすことで、介護現場のコミュニケーションにも役に立ちます。

オープンクエスチョン
二者択一しかない解答をなるべく避ける、自由度の高い質問で、会話の内容を広げるための手法です。本音を引き出したいときにも有効ですし、自分の意思で話すことの満足感を得てもらうことも期待できます。但し、被介護者にとっては、主体的に考えて話を進める必要があるため、ある程度の負担がかかってしまうことには注意しましょう
クローズドクエスチョン
「はい」か「いいえ」、もしくは短い単語で答えてもらうことを前提とした質問です。事実を引き出したい時や、複雑な思考が難しくなっている認知症の方にも有効な手法です。反面、被介護者が受け身になってしまい、場合によっては尋問のように捉えられかねないので、あまり多用することは避けましょう。

2つの会話術を、適切な場面で組み合わせて使用することが重要です。

非言語的コミュニケーションについて

先述しましたように、コミュニケーションには言葉を使わずに、表情や目線、態度や仕草などによる非言語的なコミュニケーションといったものがあります。
介護者が服装や身だしなみに気を遣う、声のトーンを調整したりボディランゲージを駆使するといったことは、意識的に非言語的コミュニケーションを使って、被介護者に様々なメッセージを送っていることになります。また、被介護者の表情や様子といった「非言語」を観察することで、言葉によるコミュニケーションが困難な方の気持ちを汲み取ったり、要望に気付くことも多くあるのです。

ポイント① 服装・身だしなみに気を付ける

汚れた服装や身だしなみで訪問介護などを行ってしまったら、被介護者にとっても気分のいいものではありません。なるべく清潔感のある服装・身だしなみでいることが望ましいです。

ポイント② 表情や仕草を意識する

忙しいからと、無表情で機械的に仕事をこなしているような姿を見せてしまっては、相手との心の距離が開く一方です。出来る限り誠実な笑顔を絶やさないことは勿論ですが、相手の心情によっては笑っていることが逆効果になりますので、そういった場合は慎むように意識しましょう。会話の最中に腕組みや頬杖をつくといった仕草は、相手の気分を害してしまう可能性があります。視線を合わせる、前傾姿勢で熱心に話を聞くといった態度を見せたり、時には身振り・手振りを駆使して、共感の意を示すことも有効です。但し、こちらも時と場合によりますので、威圧的になってしまったりすることのないように注意が必要です。

ポイント③ 相手の表情や仕草を観察する

自分から意思を伝えることが困難な被介護者の方であれば、その方の表情やちょっとした仕草、いつもとは違った変化などを細かく観察することで、隠した本音に気付いたり、言いにくい事情を察したりすることができる場合があります。一朝一夕にできるものではありませんが、毎日の介護の中で、少しずつ実践してみることが大切です。

利用者との確かな信頼関係を結ぶために

人と人との心が通い合う状態であることを、心理学で「ラポール」と呼びます。「ラポール」を形成するためには、これまで説明してきたような、相手への共感や気持ちを受容することや、よく観察して相手に対する興味を持つこと。こちらに興味を持ってもらい、こちらが心を開いていることに気付いてもらう、といった小さな積み重ねを繰り返すことで、深い信頼関係の形成に繋がっていくのです。

まとめ
介護者と被介護者は、あくまで対等な関係であることが重要です。介護者が一方的にコミュニケーションを取ろうと努力しても、相手の心はいつまで経っても開かれることはないでしょう。相手の気持ちに寄り添い、相手の立場で考えるような介護を意識することで、初めて対等の信頼関係が生まれるのです。今回の記事を参考にして頂いて、双方が信頼し合えるような介護を実践してみてはいかがでしょうか。