介護求人TOPケア転職ナビコラム介護のキャリアプラン > 訪問介護職員(ホームヘルパー)の給料について徹底解説!雇用状況や将来性についてもご紹介!

訪問介護職員(ホームヘルパー)の給料について徹底解説!雇用状況や将来性についてもご紹介!

利用者のご自宅に訪問し、介護サービスの提供を行う訪問介護職員(以下、ホームヘルパー)は、介護職の中でもとても人気な職種になります。規模の大きな介護施設では、利用者一人ひとりと向き合うことは難しい介護現場となりますが、訪問介護の場合は、施設特有の人間関係の悩みも少なく、個別ケアを重要視できるため、転職を希望される方が多くいらっしゃいます。本稿では、そんなホームヘルパーの気になる給料実態について、詳しく紹介していきます。正社員やパート・アルバイトなどの雇用形態別や施設別の給料相場など、ホームヘルパーの給与事情について様々な視点から分析してきます。将来性についても触れておりますので、特にこれからホームヘルパーを目指す方にとって必見の内容となります!

訪問介護職員(ホームヘルパー)の平均給料―年収・月給・賞与の相場―

早速、ホームヘルパーの年収や月給、賞与の相場を見てみましょう。

訪問介護職員(ホームヘルパー)の給料相場
平均年収 313万5600円
平均月給 23万6500円
平均年間賞与 29万7600円
最大年収 約380万円
平均年収の範囲 約280~350万円

上記の表で示したように、ホームヘルパーの平均年収は約314万円(平均年齢46.9歳)となっています。現在、全職種の平均年収は約422万円なので、おおよそ100万円近く下回っています。しかし、ホームヘルパーの年収は年々上がってきており、現状は最大年収約380万までのぼる方もいらっしゃいます。さらにホームヘルパーはキャリアアップがしやすい職種ですので、ケアマネージャーを目指すなどで、将来的に平均年収を超えることは可能です。

訪問介護職員(ホームヘルパー)の施設別年収比較

実は、ホームヘルパーの職場は一般的に知られている訪問介護事業所やヘルパーステーションだけではなく、様々な施設で活躍の場がある職業です。主な各施設別の年収は、下記をご参照下さい。

訪問介護事業所(ヘルパーステーション 330万円
介護サービス付き高齢者住宅(サ高住) 320万円
有料老人ホーム 310万円
病院 320万円

施設別では年収に大きな差はなく、高収入とまではいきませんが、やはり病院が運営している職場に関して言えば、比較的福利厚生も充実し、好待遇なことが多いです。また、どの施設でも人手不足なため、主任などの役職に就くことができれば年収アップが望めます。

訪問介護職員(ホームヘルパー)の年齢別平均年収推移

年齢 平均年収 平均月額給与 平均賞与
20〜24歳 178.4万円 11.2万円 44.6万円
25〜29歳 222.2万円 13.9万円 55.6万円
30〜34歳 244.1万円 15.3万円 61.0万円
35〜39歳 278.6万円 17.4万円 69.6万円
40〜44歳 313.0万円 19.6万円 78.3万円
45〜49歳 350.6万円 21.9万円 87.6万円
50〜54歳 375.6万円 23.5万円 93.9万円
55〜59歳 372.5万円

23.5万円

93.1万円
60〜65歳 253.5万円 15.8万円 63.4万円

ホームヘルパーは最初の給料こそ低めですが着実に給料が増えいき、50代前半を迎えて年収のピークである375.6万円、賞与も93.9万円となっていることが分かります。

パート・アルバイトや派遣雇用での訪問介護職員(ホームヘルパー)の給料相場

ホームヘルパーは、効率よく働きたい方やご家庭をお持ちの方が多いため、パート・アルバイトや派遣での雇用形態でご活躍している方が大変多くいらっしゃいます。では、給料の相場はどのくらいになるのでしょうか。下記の表をご覧ください。

パート・アルバイトと派遣勤務の訪問介護職員(ホームヘルパー)の給料相場
パート・アルバイト 派遣
平均時給 1,166円 1,330円
平均月給 10万5000円 24万円
平均年収 125万円 305万円

パート・アルバイト勤務は時給制のため、正社員よりも低い給料になりますが、全国のパートの平均時給は976円であることから、比較的水準の高い給料相場だと言えます。これは、ホームヘルパーになるには初任者研修以上の資格が必要である為、このような時給設定となっているようです。
各施設によって異なりますが、訪問介護における身体介護の時給相場は1件あたり1,800~2,500円、生活援助の時給相場は1件あたり1,300~1,600円となっています。そのため、体力に自信がありガッツリ稼ぎたい方は、身体介護を中心に行うことをオススメします。なお、施設勤務スタッフの場合には時給750~1,000円、日給6,000円前後が相場です。
そして上記の表にあるように、実のところホームヘルパーは派遣社員として勤務する方が割高で、福利厚生も登録派遣会社の待遇となるため、非常に充実していることが多くあります。中には時給1,700円という派遣ホームヘルパーの職場もあり、大変オススメな雇用形態です。詳しい派遣ホームヘルパーの働き方のご相談については、当ケア転職ナビにお問い合わせください!注意点としては、ホームヘルパーは利用者の自宅へ訪れるための“移動費”というものが発生します。これは、本来であれば時給に含まれずに別途手当がつくことが基本なのですが、現状の介護業界では不透明な部分となっており、事業所によっては時給に含まれてしまう場合もあります。訪問介護に転職・就職を希望している方は、必ず事業所に確認するように心掛けましょう。

正社員の訪問介護職員(ホームヘルパー)の給料相場

利用者一人ひとりにしっかりと向き合え、キャリアアップの可能性もある正社員ホームヘルパーの給料相場は平均年収約270~280万円、平均月給19万4400円となっています。しかしそれぞれのキャリアによっては下記のように変動があります。幾つかのパターンをまとめてみましたので、下記をご参照下さい。

訪問介護職員(ホームヘルパー)未経験での転職の場合

月給は約17~20万円が相場となりますが、ホームヘルパー以外の介護職の経験があれば加算されることがあります。また、初任者研修やヘルパー2級以上の資格手当を設定している職場がほとんどです。

訪問介護職員(ホームヘルパー)の経験がある転職の場合

こちらの場合は経験年数によっても変動しますが、未経験の方と比べると少し高めになり、月給約18~21万円が相場です。特に、実務者研修や介護福祉士資格所持の資格手当に関しては、基本給が更に高く上乗せとなります。

賞与・昇給について

事業所の規模の大小により、賞与が出なかったり昇給制度がないこと多くあります。

各種手当について

訪問介護は、実は加算が多いです。「特定事業所加算・処遇改善加算・地域加算・朝、夜間加算」といったものが、年収に反映されます。

訪問介護職員(ホームヘルパー)の仕事内容は?

ここで、ホームヘルパーがどんな仕事をしているかを紹介していきます。
ホームヘルパーは、介護や支援を必要としている方が住み慣れた自宅で安心して生活できるように、食事や排せつなど身の回りのサポートから基本動作である寝返りや起き上がり・歩行などの介助を、一名の利用者に対してホームヘルパーが一人で対応します。
主に「身体介護」「生活援助」「通院介助」といったサービス提供をしており、具体的な内容としては、以下のような業務となります。

身体介護…利用者の身体に直接的触れる介助のこと

生活援助…利用者の身の回りの家事のサポート

通院介助

利用者の病気の改善や健康維持のために自宅から病院、病院から自宅までの移動や受診手続きをお手伝いします。
このように、様々な仕事を基本的にホームヘルパーが一人で行うため、施設の介護現場よりも自由度が高く、無理に職員の意見と合わせるといったことはありません。それ故に、非常に大きな責任を伴いますし、相応の覚悟が必要となる仕事です。ホームヘルパーは、いわば利用者の生活の一部、人生のパートナーともいえる存在です。だからこそ、お互いの相性が合わないといったケースもあり、大きなトラブルにまで発展してしまう可能性があることも事実です。同時に、直接利用者に感謝の言葉を頂いたり、心を開いてくれなかった利用者が笑顔を向けてくれた時など、他では味わうことのできない達成感を得ることができます。人の為に働いている、という大きなやりがいを感じることのできる職種だと言えるでしょう。

訪問介護職員(ホームヘルパー)の雇用の現状は?

では、人気のあるホームヘルパーの雇用状況は、どのようになっているのでしょうか。実のところ、2010年頃からホームヘルパーのニーズは非常に多くなり、まだまだ人手が足りていないというのが現状です。そもそも、介護士自体の成り手も少ないのですが、さらにホームヘルパーは「初任者研修・ヘルパー2級」以上の資格が必須となるため、依然として雇用の需要や有効求人倍率も高いのです。この機会に、社会貢献度の高いホームヘルパーへの転職や就職を考えてみてはいかがでしょうか。将来性という点においては、後述しますのでご参照下さい。また、公益財団法人 介護労働安定センター「ホームヘルパーの就業実態と就業意識調査」によると、継続就業についても「今後も訪問介護職員として働き続ける」と答えたホームヘルパーの方は74.7%と7割以上も占めています。こういったことからも、現状の労働環境でも満足している方が多く、待遇の良い職場が多数存在していると言えましょう。

訪問介護の将来性~需要はあるの?~

それでは、今後の訪問介護の需要についてもご紹介します。あと数年で、最も人口数が多い団塊の世代である65歳以上の方が「高齢者」の割合を押し上げ、高齢化社会を深刻化させています。その介護支援に使われる医療介護保険は、国の財政を圧迫させる原因の一つであるとも言われていることもあり、行政は、病院や介護施設ではなく、在宅ケア中心の介護を推進しています。そのため、訪問介護の施設数も増加傾向にあり、平成29年の時点では“35,311施設”あり前年から298施設も増えています。したがって、訪問介護の重要はますます高まることが予想され、「介護の質」も問われる現在、ホームヘルパーの給料である介護報酬も上がっていく可能性が大いに期待できます。また、ホームヘルパーは10年以上経験を積めば、地域によっては“生活相談員”になることができ、更なる年収アップも不可能ではありません。ホームヘルパーは、個人で訪問介護の事業所を開業すれば、年収1000万円を得ることも可能な職種です。当然ながら、必要な資格や経験を積まなければなりませんが、自宅開業ができるという点から、少ない資金からでも独立ができます。加えて、あまり訪問介護事業が盛んではない地方こそ高齢者が多く、人口自体は少ない田舎でも事業が始められ、需要があることも魅力の一つです。最初は利益が追いつかない可能性も当然考えられますが、訪問介護事業は利用者の人数が約15名で利益が月30万円前後と確実に利潤が多くなっていきます。訪問介護は需要がある事業なため、きちんと経営をしていけば年収1000万円以上稼げることも夢ではないでしょう。これは言うまでもないことですが、個人の経営力がないと苦労を強いられることも考えられますので、常に勉強を怠ることなく、地道に経験を重ねていくことが大切です。

まとめ
訪問介護職員(ホームヘルパー)の給料は、現状よりも低く設定されていた時期もあります。しかし、世論からの後押しにより、行政がこれまでの制度の見直しを検討し、処遇改善などを行ったことで、ようやく介護職の中でも比較的安定した職種になりました。更に、今後も在宅ケアは重要視されていくことは間違いなく、今以上に待遇が向上していくことでしょう。
利用者と一対一で行う介護である以上、大きな責任感や覚悟が必要な職種ではありますが、ホームヘルパーは利用者のことを第一に考えることのできる、やりがいある仕事です。また、キャリアアップや独立も視野に入りやすく高収入が期待できる職種ですよ!