現在、日本には450万人以上の認知症患者がいるといわれています。
認知症の症状は、人によって出方が異なり、その人に合った関わり方が必要になってきます。
そこで今回は、認知症という病気から、患者数の多い4つの原因疾患までを深堀りしていきたいと思います。
【認知症】
認知症(にんちしょう、英: Dementia、独: Demenz)は、後天的な脳の器質的障害により、いったん正常に発達した知能が不可逆的に低下した状態である[1]。犬や猫などヒト以外でも発症する。狭義では「知能が後天的に低下した状態」の事を指すが、医学的には「知能」の他に「記憶」「見当識」を含む認知障害や「人格変化」などを伴った症候群として定義される[1][2]。これに比し、先天的に脳の器質的障害があり、運動の障害や知能発達面での障害などが現れる状態は知的障害、先天的に認知の障害がある場合は認知障害という。
出典:wikipedia
脳は、人間の行動の司令塔です。
スポーツは、司令塔がしっかり指示を出さないと周りは上手く動くことが出来ません。
人間の身体も同じです。
司令塔がうまく働かなくなれば、精神活動も身体活動も同じようにうまく働かなくなります。
認知症とは、様々なことが原因で脳の細胞が死んでしまったり、働きが悪くなったりすることによって色々な障害が起こってしまい、生活する上で支障が出てくる状態のことです。
年齢を重ねれば重ねるほど、誰でも思い出したいことがすぐに思い出せなくなったり、新しいことを覚えるのが難しくなってきたりしますが、【認知症】は、今述べた【加齢によるもの忘れ】とは違います。
区別するのは難しいと感じている方も多いかもしれません。
そこで、「加齢によるもの忘れ」と「認知症によるもの忘れ」の違いを表にまとめました。
物忘れ | 認知症 | 物忘れの自覚 | 自覚あり。思い出せる。 例)「うっかり予定を忘れてしまう」、「物をどこにしまったかすぐに思い出せない」など。 |
自覚なし。思い出せない。 例)「約束したこと自体を忘れる」、「物をしまい忘れたこと自体を忘れる」というもの。 |
経験(体験)の喪失 | なし 例)今朝何すぐに答えられなくてもヒントをもらうと思い出す事ができるなど。 |
あり 例)今朝ご飯を食べていたとしても「朝ごはんなど食べてない」と答えてしまう。など。 |
物忘れの程度 | 徐々にしか進行しない | 進行する 例)今日の日付が分からない、いつも探し物をしている、何度も同じことを聞くなど。 |
理解・判断などの能力 | 支障なし | 支障を来たす 例)自分のすることが良いか悪いかわからなくなる。など。 |
生活への支障 | 支障なし | 支障を来たす 例)水道の水を出しっぱなしにしたり、コンロの火をつけっぱなしにして鍋を焦がしたりする、家族の顔を忘れるなど。 |
全てに共通する点として挙げられるのが、健康な方の物忘れは、「約束を忘れたこと」、「しまい忘れたこと」は覚えているのです。
つまり、”自分が忘れているということ”を覚えているのです。
認知症の初期症状として知られているものをいくつかご紹介します。
下記に心当たりのある方は、もしかすると認知症の疑いがあるかもしれません。
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認知症の疾患として代表的なものが、
の4つがあげられ、4大原因疾患と呼ばれています。
これらの4大疾患について詳しい症状などをご説明したいと思います。
認知症を発症している方の半分を占める割合の方がこのアルツハイマー型認知症と言われています。海馬や脳全体に萎縮がみられることが特徴です。
主な症状としては、
などが、記憶障害から始まり、徐々に広範囲な障害へ進行していきます。
この認知症は、レビー小体という特殊なものが脳にでき、細胞が死滅してしまうことによって起こります。
アルツハイマー型認知症よりは海馬の萎縮、記憶障害ともに少ないのが特徴です。
主な症状としては、
脳梗塞や脳出血が起き、血管が詰まることによって酸素が行きわたらなくなり、そこの神経細胞が死んでしまうことによって起こる認知症です。
この認知症は、よくなったり悪くなったりを繰り返し進行していきます。
症状としては、
血管性認知症の人は、脳梗塞などが起きて再発する事も多く、急に症状が悪化することがあるので注意が必要です。
この認知症は、若年性認知症など若い人でも発症することがある認知症で、前頭葉と側頭葉というところの委縮によって起こるものです。
患者数が少なく、原因などまだ解明出来ていない事が多く、有効な薬もまだ出ていません。認知症といえばもの忘れというイメージがありますが、この認知症ではもの忘れはあまり見られず、一般的な行動から逸脱していることが多いため、精神疾患と医師に誤診される場合もあります。
前頭側頭型認知症の症状の特徴としては、
このように、原因疾患によって現れる症状は異なってきます。介護の職場で働いている方々が、認知症の人の”脳のどこに変化があるのか”を知ることで、その方をどうケアしていけばいいのかが決まってくるので、ケアの方向性をしっかりと見極めることが重要です。
自分の家族がもし認知症になってしまったら、、、。
そんなときは、一人で抱え込まずに、周りの人に相談したり、医師や介護職の人、ケアマネージャーの方に相談しましょう。
ケアマネージャーに依頼し、ケアプランを作成していただくこともできます。
抱え込んでしまって体を壊してしまったら元も子もありません。
自分の体もケアしつつ、認知症の方に寄り添い過ごしていくようにしていきましょう。