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介護資格の種類について詳しく説明!

2025年にはおよそ250万人の介護職員が必要とされており、介護職のニーズは日に日に増し、有効求人倍率も高い水準で推移しています。また、超高齢化社会を迎える日本にとって、介護は私生活でもより身近なものになっていくでしょう。
たとえば介護資格の登竜門である初任者研修は、介護の現場で働く方だけでなく、自宅で両親の介護が必要になった方が少しでも専門的な知識を得るために資格を取得したというケースも少なくないようです。
このように介護の資格は現場でも私生活でも非常に役に立ちますが、介護職員としてのキャリアをお考えの方であれば、介護福祉士やケアマネージャーといった資格へチャンレンジしたいという方も多いのではないでしょうか。
今回は介護のキャリアを積んでいくためには必須とされている資格についてご紹介したいと思います。介護職員としてのキャリアプランを考える上でぜひ参考にしてみて下さい。

介護の仕事に必要な資格は?

主要資格は5つ!これだけは押さえよう!!

介護資格には初任者研修や実務者研修をはじめ、さまざまな資格が存在します。
サービス提供責任者やケアマネージャーになるには実務経験だけでなく、資格を取得することが絶対条件となります。なりたい職種や経験したい仕事ができるようになるはどのような資格を取る必要があるのか、ここでは介護資格の中でも特に主要とされている資格についてご紹介していきたいと思います。

介護職員初任者研修
介護の基礎知識、スキルがあることを証明できる入門資格となっており、最短で1ヶ月で取得が可能となります。(※スクール等に通い、研修を受けることが必須となります。)
資格学校では土日コースや夜間コースなどがあるので、仕事をしながら資格取得を目指されている方も多くいます。
介護業界への第一歩という位置づけになるので、初めてホームヘルパーや福祉施設介護員として経験を積まれたい方はまずこの資格の取得を目指しましょう。
実務者研修(介護職員基礎研修及びホームヘルパー1級相当)
介護職員初任者研修の上位にあたる資格です。取得することで、訪問介護事業所で配置が義務付けられている「サービス提供責任者」として働くことができるようになります。
現場で必要とされている経管栄養やたん吸引についての基礎知識もここで学ぶことができます。
また、2017年1月の介護福祉士国家試験から受験資格として実務者研修の修了が必須になりましたので、介護福祉士を目指されている方は必ず取得しておきましょう。
介護福祉士(国家資格)
現時点で介護職唯一の国家資格となっており、毎年10万人以上の受験者が資格の取得を目指しています。
介護福祉士の資格を取得することによって、給与アップを見込めるほか、生活相談員や現場の主任・チームリーダーとしてのキャリアアップをすることができます。
気になる合格率は60~70%程度で、実務者研修と比べると取得難易度はやや高めとなっています。
受験資格として実務経験3年以上実務者研修を修了することが必須となりますが、別ルートとして福祉系の高校を卒業されている方であれば筆記試験のみ合格すれば介護福祉士の資格を取得することも可能ですので、ご自身のキャリアに合ったルートで資格取得を目指されてはいかがでしょうか。
ケアマネジャー(介護施設専門員)
介護保険制度に基づき、介護サービスを利用できるようにケアプランを作成することができる資格です。ケアマネージャーが介護における「コーディネーター」のような役割を担っています。
資格を取得するには、筆記試験(介護支援専門員実務研修試験)を合格した後に、87時間の研修を修了し、登録申請が受理されれば晴れてケアマネージャーの資格取得となります。
ケアマネージャーの合格率は平均で25%程度と狭き門となっていますが、試験は年に1回のみなので、しっかり準備をしてのぞみましょう。
ただし、受験資格として実務経験が5年以上あることと、それと合わせて、介護福祉士や作業療法士など特定の法定資格を有しているか、生活相談員や支援相談員としての経験があることが必須となっています。
無事ケアマネージャーの資格を取ることができれば、ご自身が作ったケアプランによって利用者の生活が改善されたり、利用者やそのご家族に代わって事業所へ要望を伝えたりなど非常にやりがいのある仕事に携わることができます。
介護事務
こちらは介護施設における事務全般を行う為の資格で、メインは「介護報酬請求業務(レセプト作成)」となります。介護報酬の請求は厚生労働省により3年ごとに改正される為、常に新しい情報を把握し、理解しておくことが必要となります。介護事務に関しては、いくつかの団体が運営していますので、よく確認してから受験することをお勧めします。(どの団体の資格を取得しても、介護報酬請求業務ができるようになるという部分は変わりません)

介護業界で役立つ専門知識と資格

専門知識を身につけよう!

5つの専門分野とは別に、介護業界で役に立つ資格は他にもあります。それぞれのシチュエーションで役立つものが色々ありますので、業務の幅を広げるためにも受講を検討してみてもいいかもしれません。

福祉用具専門相談員
要介護者や障碍者に公的介護保険で福祉用具を利用する際、本人や家族の希望に応じて福祉用具の使い方やアドバイスをする専門職です。厚生労働大臣が指定する講習会を受講することで取得可能となります。
喀痰吸引等研修
たんの吸引、経管栄養を行える介護職員を養成する研修です。基本研修と実地研修に分かれており、両方修了することで医師の指示や看護師と連携の上実施できるようになります。
同行援護従業者養成研修
視覚障害によって移動に著しい困難を有する方へ、外出時に同行し、必要な視覚的情報の支援、必要な移動援護、排泄、食事等の必要な介護をおこないます。
レクリエーション介護士
高齢者へ喜びや生きがいを与え、笑顔にできる介護スタッフ育成を目的として、高齢者とのコミュニケーション能力、レクリエーション知識や実行スキルを身につけるためにできた新しい資格です。
行動援護従業者養成研修
知的障碍者や精神障害、発達障害で行動上困難があり、日常的に介護が必要な方への援護をおこないます。以前は資格不要でしたが、平成30年4月以降は研修を修了し知的障碍児者もしくは精神障碍者の直接業務1年以上の実務経験が必要になりました。
精神・発達障害で日常生活や外出時にサポートが必要な方に対して行動する上での適切な介護サービスを提供することがメインとなります。
移動介護従業者(ガイドヘルパー)
視覚障害や全身性障害、知的障害のある方に対して、外出時の移動の介護を行う際に必要となる知識・技術のことです。他介護資格を取得していれば最短2日で取得可能となります。主な活躍の場は、在宅介護サービス会社、老人ホーム、障碍者施設などの福祉施設や病院です。
介護予防運動指導員
高齢者の方に快適なライフスタイルを過ごしてもらう為に、筋力トレーニングや運動を通した身体ケアを行うスキルのことです。介護現場で、現場リーダーを任されたり、高齢者の方からの信頼をされやすくなったりと取得することで、介護業界において差別化された人材になれることもあるようです。
認定介護福祉士
介護福祉士の上位資格として2015年より認証・認定を開始した民間資格です。介護福祉士よりも、さらに多様な利用者や環境に対応できるための知識やスキルの習得を目指します。介護職員へサービスの質向上を指導するスキルと実践力を磨きます。
難病患者等ホームヘルパー
難病患者等の生活の質向上のために、多様化するニーズに対して適切なホームヘルプサービスを提供する人のことです。行政や地方自治体の指定する機関で研修が行われており、全カリキュラムを履修することで修了証が授与されます。※難病患者等ホームヘルパー養成研修を受講するにはホームヘルパー・初任者研修などの資格が必要となります。
重度訪問介護従業者
重度の肢体不自由者(障害程度区分4~6)で日常的にサポートを必要とする方に介護サービスを提供するための資格です。研修は基礎課程と追加課程があり、基礎課程の修了者は障害程度区分4・5の利用者に、追加課程の修了者は障害程度区分6の利用者にサービスを提供することができるようになります。(都道府県によっては、基礎課程・追加課程と医療的ケアの基本研修を行う「統合課程」が実施されていることもあります。
サービス介助士
利用者が自立した生活、生きがいのある豊かな生活を送れるよう「おもてなしの心」と「安全な介護技術」を学び、お手伝いを必要とする相手に不安を感じさせず介助できる心構えと方法を身につける資格です。大学・専門学校の講座にも取り入れられており、個人受講も含めて多くの方が資格を取得した社会的ニーズの高い資格になっています。

介護現場で役立つ国家資格とは?

介護現場で活躍するために、取得を目指したい国家資格

国家資格と職種

これからご紹介する資格は、介護職員としてのキャリアの幅を広げることができます。
先ほどの主要資格と合わせて取得することによって、介護・福祉業界における希少価値を高めていきましょう。

管理栄養士 利用者の健康の維持・増進に向けて食事の献立などを作成し、栄養指導を行うことができます。
栄養士 現場でさまざまなスタッフとコミュニケーションをとる際に必要な知識を得ることができます。
調理師 正しい食材、調理方法により、利用者へ安全な料理を提供することができます。たとえばグループホームなどで料理を任されたときに活きる資格です。
理学療法士 身体などに障害をお持ちの方に対して、治療体操や電気療法を用いて機能回復させるためのリハビリを提供することができます。
作業療法士 理学療法などによって回復した利用者に対して、これまでと同じように日常生活を送れるよう社会復帰のサポートを行うことができます。
言語聴覚士 耳が遠い方や飲食が困難な利用者に対して、その方に合ったコミュニケーションや補聴器や点字器などの指導を行うことができます。
柔道整復師 筋力などの低下によりケガをしやすくなった利用者に対して、予防としてレクリエーションなどを通じて機能回復させることができます。
あん摩マッサージ師 治療後などで痛みが残る利用者などに対して、血液やリンパの循環を良くして健康的な生活が送れるようにマッサージを行うことができます。特に訪問介護事業所や病院などで需要が増えています。

サービス・施設別 介護の職業早見表

居宅サービスでの職種と資格

サービス・施設 主な職種 主な資格
通所介護(デイサービス)・介護付有料老人ホーム 介護職員(福祉施設介護員) 介護福祉士、実務者研修、初任者研修
生活相談員 社会福祉士、社会福祉主事、精神保健福祉士、介護福祉士
調理職員 管理栄養士、栄養士、調理師
看護職員 看護師(正・准)
機能訓練指導員 理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、看護師(正・准)、柔道整復師、あん摩マッサージ師
訪問介護サービス 訪問介護員(ホームヘルパー) 介護福祉士、実務者研修、初任者研修
サービス提供責任者 介護福祉士、実務者研修、同行援護従業者養成研修
居宅介護支援(ケアプラン作成) ケアマネジャー 介護支援専門員
短期入所生活介護(ショートステイ) 管理者 介護福祉士、社会福祉士任用資格
訪問看護サービス 看護職員、看護師(正・准)、保健師  
住宅型有料老人ホーム・軽費老人ホーム 訪問介護員(ホームヘルパー) 介護福祉士、実務者研修、初任者研修

施設サービスでの職種と資格

サービス・施設 主な職種 主な資格
特別養護老人ホーム・介護老人保健施設・介護療養型医療施設 ケアマネジャー(施設ケアマネ) 介護支援専門員(ケアマネジャー)
介護職員(福祉施設介護員) 介護福祉士、実務者研修、初任者研修
生活相談員 社会福祉士、社会福祉主事、精神保健福祉士、介護福祉士
調理職員 管理栄養士、栄養士、調理師
看護職員 看護師(正・准)
機能訓練指導員 理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、看護師(正・准)、柔道整復師、あん摩マッサージ師

その他サービスでの職種と資格

サービス・施設 主な職種 主な資格
グループホーム 管理者・計画作成責任者 介護支援専門員(ケアマネジャー)、介護福祉士
介護職員(福祉施設介護員) 介護福祉士、実務者研修、初任者研修
サービス付き高齢者向け住宅 介護職員(福祉施設介護員) 介護福祉士、実務者研修、初任者研修
介護タクシー ケアドライバー 普通自動車二種免許、初任者研修
まとめ
いかがでしたでしょうか?介護業界でどのようなキャリアを積むかによって、取得すべき資格や取得ルートは異なってきます。また、栄養士や理学療法士といった資格も取得しておくことによって、現場でのスタッフとの連携がスムーズになったり、さまざまな利用者のニーズに応えることができる上、現場などで重宝される存在になるでしょう。
ただし、資格によって受験資格が異なるので、試験日や試験内容などとあわせてしっかりとスケジュールを立ててのぞみましょう。
介護の現場は資格がすべてではありませんが、取得できたことによって、あなたがやりたい仕事や利用者にしてあげたいことができる可能性がぐっと広がるので、ぜひ参考にしてみてください。