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ケアマネージャー(介護支援専門員)の気になる仕事内容をたっぷりとご紹介!【ケアプラン作成のポイントつき】

介護保険制度の誕生とともに産声をあげたケアマネージャー。通称「ケアマネ」と呼ばれるケアマネージャーは、介護保険に関するスペシャリストです。ケアマネージャーは利用者が安心して介護サービスが受けられるように利用者を擁護、支援し続ける立場にあり、利用者のよき理解者でなければなりません。当初はなかなか理解されづらく認知度も現在ほど高くありませんでしたが、介護保険制度の普及や超高齢化社会が進む中で徐々に注目を浴びるようになりました。
今回はケアマネージャーの詳しい仕事内容から魅力、悩みについてまでたっぷりご紹介していきます。ケアプラン作成にあたってのポイントについてもお届けしますので、現在ケアマネージャーとしてご活躍されている方にも役立つ記事となっていますのでぜひご覧ください。

ケアマネージャーの仕事内容を知ろう

まずケアマネージャー(正式名称:介護支援専門員)は、介護保険制度に基づき「介護が必要な高齢者・身体の不自由な方」と「介護保険サービス」繋ぐ大切な役割を担っています。
主な仕事としては下記のような業務を行っています。

ケアマネの主な仕事一覧

このようにケアマネージャーは、ケアプランの作成を中心として、介護業務の枠に収まらない仕事を多岐にわたって携わることになります。その中で利用者一人ひとりの介護度や環境把握に努めて、施設入居なのか、それとも在宅ケアなのかなど、本人の希望する生活スタイルや、利用者とその家族の経済状況を見極め、それぞれの意向を最大限活かすために尽力します。また、地域の高齢者が困らないように民生委員や近隣の情報を元に積極的に介入していき、新規利用者を増やすこともケアマネージャーにとって重要なお仕事です。
つづいてケアマネージャーのメイン業務となる“ケアプラン作成”について詳しくご紹介したいと思います。このケアプランは「居宅サービス計画」ともいわれ、利用者がどのような内容の介護サービスを受けるのかを記載した書類になります。そのためには、ケアマネージャーが利用者の生活課題や身体状況を具体的に把握しておく必要があり、ケアプランをいきなり「作成してください」と言われても立てることはできません。基本的には後項の1~7の流れに沿ってケアプランを作成していきます。

訪問介護員同士の人間関係について

ケアプラン作成にまつわる業務の流れ

①インテーク(初回面接)

利用者と顔と顔を合わせて向かい合い、介護に対する不安を取り除くことを目的とした話し合いの場です。何を相談したら良いかわからず、不安を抱えている利用者に対しては、ケアマネージャーとしての役割も伝えた上で、利用者が話す内容に親身になって耳を傾け、介護や援助の必要性を確認して、利用者やそのご家族が理解しやすいように分かりやすく整理して答えるようにしましょう。また、利用者にとって最適な介護を行っていくには、ご家族やかかりつけの病院・介護サービスなどと連携をとる事も重要であり、すでに介護サービスを使用している場合は主治医や当該の事業所からも利用者の情報を入手できるので活用しましょう。

②介護認定と契約

介護保険サービスを受けるには現在住んでいる市区町村に申請して、要介護認定を受ける必要があります。しかし、申請書類の作成ができない高齢者の場合はケアマネージャーが代わって介護認定書類を作成をすることがあります。
また利用者とケアマネージャーの契約は、利用者が市区町村の役所から渡されたリストなどからケアマネージャーを選びます。契約書はトラブル回避の為にもできる限り整備され見やすいものを用意すると良いでしょう。

③アセスメント(課題分析)

利用者が身体的・精神的にどんな状況で、どんな生活をしているのかなど“具体的に把握”し、それを元にどのような介護や支援が必要となりそうか分析します。くわえてご家族との状況について知ることも非常に重要な項目になります。

④ケアプラン作成

ケアプランは居住サービス計画とも呼ばれ、利用者が介護生活を送る上での「原案」になります。このプランを元に良質なサービスの提供を行っていくため、このケアプラン作成がケアマネージャーにとってメインとなる仕事になります。

⑤ケアカンファレンス(サービス担当者会議)

ケアマネージャーは作成したケアプランを元に定期的にケアカンファレンスを行う義務があります。ケアカンファレンスは、サービスが開始される前や変更・修正された時などに行われ、参加者はケアマネージャー、サービス提供者、利用者やその家族となり、意見交換や情報の共有を行います。ケアマネージャーは会議の議事録を記録して、最低2年間は保存しておかなければなりません。

⑥利用者宅訪問とモニタリング

ケアマネージャーはケアプラン作成をして終わりではありません。高齢者の体調は変化しやすく、ケアプラン作成後も利用者宅を月に1度は訪問して、状況把握をしながら利用者をモニタリングする必要があります。その際に利用者からサービスを受ける介護ヘルパーさんに対しての小言を聞くのも立派な仕事です。
無理難題を言う利用者も中にはいますが、案外きちんと説明をすると納得してくれる利用者は多いのでしっかりと向き合っていきましょう。ちなみにこの訪問を怠ると介護報酬が減算となりますので注意しましょう。

⑦給与管理と苦情対応(リスクマネジメント)

市区町村がサービス事業者に対して介護報酬をきちんと支払えているか、利用者が利用料を払えているかを管理する業務もケアマネージャーが行っています。
利用者にとって必要なサービスを基準額内に収めるのは非常に難しくケアマネージャーの腕の見せ所です。利用者側の自己負担額に配慮して限度額内に収めても、1割負担の部分に重荷を感じてしまう方もいるので、時にはケアマネージャー自身が手伝えることは手伝って済ませてしまうこともあるようです。
また、人が行うサービスなのでクレームはつきもの。苦情対応もケアマネージャーの仕事のひとつです。利用者から「介護職員のマナーが悪い」「きちんとした説明をしてくれない」「ケアプランを変更してほしい」など中には理不尽極まりない苦情を寄せられることもありますが、自分の中の常識では考えられないことや些細なことでも利用者の発言に傾聴することが大切です。

知りたい!ケアプラン作成のポイント!

ケアプランの作成に頭を悩ませているケアマネージャーさんは多いかと思います。ここからはケアプラン作成のポイントを詳しく見ていきましょう!
ケアプランは、ざっくりいうと利用者一人ひとりに沿った「介護サービスの説明書」と「スケジュール表」のようなものです。なので、ケアマネージャーが作成する「ケアプラン」なしには、利用者は介護サービスを受ける事はできません。もちろん利用者の身体状態や環境によっては、適宜見直しが必要になる事もあり、最初に作成したケアプラン通りにサービスを受けられるとは限りません。また、きちんとスケジュールに沿って介護サービスが実施されているかどうか、ケアプランを作成した後もケアマネージャーがチェックをしていきます。

【ポイント1】利用者の意向をとことん聞く!

ケアプランで一番に重要なことは、ケアマネージャーの独断による計画立案ではなく“利用者と協働作業で進めること”。基本的には、利用者とその家族の希望を「そのまま記載する事」が原則ですが、表面的に発せられている言葉をそのとおりに記載しても本当の意味での意向にはなりません。大事なのは、利用者の真意をしっかり聞いてあげる事です。

【ポイント2】「ニーズ欄」はポジティブなこと記載する!

ケアプランのニーズ欄にて、利用者が「できない事」ばかり並んでいると利用者本人のモチベーションが下がってしまいます。そうしないためには利用者との面談の際に「〇〇したいんですね」「そう、そう」という具合に利用者の「したい生活」を自然な流れで確認し、利用者が目標に向かって歩んでいけるようにまとめましょう。「どのような生活がしていきたいのか」「そのための課題は何なのか?」という流れで、できるだけ利用者が前向きな気持ちになれるような表現を使います。これは利用者も、サービスを何のために利用するかが分かりやすくなるためオススメです。
なお、ケアマネージャーの勝手な解釈で「〇〇したい」と要望を書くのはNGです。そして利用者が日常生活の中のどの部分を大事にしたいかは、それぞれの価値観によって異なります。障害や介護の度合いが同じだとしても、人によってそれぞれニーズの優先順位は大きく異なってくることは覚えておきましょう。
利用者や家族とよく話し合いながら、生活のどの部分を重要視したいのかを確認していき、優先順位をつけていきましょう。

【ポイント3】あとでケアプランを見る人のことも考える!

ケアマネージャーが作成したケアプランを元に、次はサービス事業所が訪問介護計画などを作成していきます。したがって、その原案となるケアプランが、納得のいく仕上がりに作られていないと介護サービスのクオリティも下がってしまいます。「この記載内容で個別のサービスプランが立てられるだろうか?」ということを念頭においてケアプランを作成していきましょう。
また、ケアマネージャー自身が手がける「モニタリング」も次の過程となります。効果を計測しやすいように、ケアプランの「目標」はできるだけ具体的に記入しておくことをオススメします。
最後に下記のような要点を見直すと、利用者もサービス提供者も納得のいくケアプランになるでしょう。

上記のようなポイントに注意したケアプランの作成を行うことで、利用者だけでなく、サービス提供者の視点にも立ったプランを作ることができ、ケアマネージャー自身もケアプランの作成がしやすくなるはずです。
このことからもケアマネージャーは「介護保険に関する専門的な知識」だけでなく「フットワークの軽さ」やニーズをしっかりと聞き出す「ヒアリング能力」、介護施設や医療機関との調整を行う「調整能力」、関係者を集め、利用者にとって最適なケアプランの遂行を進める「マネジメント能力」などさまざまな能力が求められる仕事なのです。
ただし、勤務する職場によって細かい業務や特徴は異なります。例えば有料老人ホームのケアマネージャーは、通称「施設ケアマネ」と呼ばれ、老人ホームに入居している利用者のためのケアプランを作成します。また、施設内で利用者の様子が見れることから情報収集もしやすく、一人で100名の利用者を担当することも少なくありません。一方で、認知症型グループホームでは入居定員がそもそも少ないため介護現場の業務も兼任することもあります。

ケアマネージャーの魅力

業務量が多く大変なことが多いケアマネージャーですが、その分魅力ややりがいは沢山あります。
特に作成したケアプランが上手くいった時は、達成感があり、目に見えた結果に大きなやりがいを感じることができるでしょう。
利用者の要望に力を尽くして立てたケアプランによって利用者の生活が前向きなものになり、”利用者の介護度が低くなった””利用者が元気になった”と利用者やそのご家族の笑顔をみた時はケアマネージャーをしていてよかったと実感できる瞬間でしょう。たとえ大きな成果ではなく、小さなことであっても利用者やサービス提供者が喜ぶ姿をみれることはケアマネージャーならではのやりがいとなります。そういった日頃の積み重ねによって利用者だけでなく、利用者のご家族からも頼りにされる存在になります。
時には利用者の最期を見届けることもありますが、利用者のさまざま人生に寄り添えたこと、できる限り痛みや苦しみを軽減して充実した暮らしの手助けができたこと、そして共に歩み考えてきた時間はかけがえのない貴重な時間を得ることになるでしょう。それを是非、悲しい気持ちばかりではなくケアマネージャーの1つの魅力として捉えてみてはいかがでしょうか。
また、ケアマネージャーは基本的に日勤のため、夜勤はないのでライフステージが変化しやすい女性には大きな魅力といえるでしょう。

ケアマネージャーの目指し方

このように非常に魅力が多いケアマネージャーですが、どうすればケアマネージャーになることができるのでしょうか。
まず第一に、福祉や医療系の国家資格保有しつつ5年以上の実務経験と“介護支援専門員資格”が必要になります。

この実務経験が有効となる条件が様々あり、「介護福祉士・社会福祉士・看護師などの保健・医療・福祉系の国家資格を所持し、それに基づく業務に従事した期間が5年以上ある」「生活相談員や支援相談員として、相談援助業務に従事した期間が5年以上ある」といった、非常に長い期間の経験を必要とします。これらの経験を経て「介護支援専門員実務研修受講試験」の受験資格をようやく得ることができます。
「介護支援専門員実務研修受講試験」は年に1回各自治体の管轄によって実施されています。この試験に合格したら、次に87時間の「介護支援専門員実務研修」を修了して、各自治体に登録を受理されれば、待望の「介護支援専門員証」を交付され、ケアマネージャーとして働くことできます。また、介護支援専門員証は資格取得後、5年毎に更新手続きが必要となります。
ちなみに介護支援専門員資格は、介護福祉士が自身のステップアップのために取得したり、看護師が介護の専門知識を得るために取得をするケースが多いようです。また、介護支援専門員資格よりも上級の「主任介護支援専門員」という資格も存在し、さらなるステップアップも可能となります。

ケアマネージャーのワークスタイル

次にケアマネージャーの働き方についてご紹介します。ケアマネージャーは利用者との面談やデスクでの事務作業が中心のため、介護現場ほど体力を消耗することは基本的にありません。
勤務時間は日中勤務が基本で、居宅介護支援事業所ではケアマネージャー自身が利用者と約束をして訪問するので、日々の仕事のスケジュールについても自由度は高い働き方ができるといえるでしょう。
ただし、忙しさの度合いはケアマネージャーごとによって異なります。休日などプライベートの時間に利用者やそのご家族にから電話がかかってくることもあるので夜間や休日も働く場合があります。また介護施設で働くケアマネージャーは、介護現場に出て介護業務も兼業していること多く、夜勤を担当することもあります。
「休日出勤」や「現場と兼務」と聞くとケアマネージャーに対してハードなイメージを持つかもしれませんが、総合的にみるとケアマネージャーは介護に携わる職種の中でも特に業務をコントロールできる“働きやすい仕事”といえるでしょう。日勤帯で働け、事務作業が中心で身体的負担が少ないというメリットは、長く働き続けやすい環境といえるので、実際ケアマネージャーの平均年齢は48歳と介護職の中では高めに位置しており、残業時間も月平均4時間となっています(厚生労働省「平成29年 賃金構造基本統計調査」より)。

ケアマネージャーの理想と現実との悩み

しかし良い点ばかりではないないのも現実としてあります。下記の三菱総合研究所が発表したケアマネージャーの悩みについての調査結果をご覧ください。

ケアマネージャーが抱えている「業務遂行上の悩み」上位5位(複数回答)
1位 記録する書式が多く手間がかかる 64.2%
2位 困難ケースの対応に手間が取られる 45.5%
3位 ケアマネの業務範囲が明確でない 29.7%
4位 制度が頻繁に変わり対応に時間と労力がかかる 29.3%
5位 利用者本位のサービスが貫けない 20.7%

出典:三菱総合研究所 2017年7月21日時点

ケアマネージャーが抱えている「勤務上の悩み」上位5位(複数回答)
1位 自分の力量について不安がある 52.3%
2位 賃金が低い 32.4%
3位 残業が多い・仕事の持ち帰りが多い 14.8%
4位 勤務上の悩みは特にない 13.8%
5位 兼務業務が忙しくケアマネ業務の時間が取れない 11.8%

出典:三菱総合研究所 2017年7月21日時点

「自分の力量についての不安」に次いで、給料の低さが悩みであると約3人に1人の割合で現役のケアマネージャーが答えています。ケアマネージャーは介護職の中の役職としても上位な為、平均月給は265,300円(厚生労働省「平成29年 賃金構造基本統計調査」より)と一般的な介護士よりも高いとされていますが、業量の多さを考えると見合っていない給料として将来をも不満だとしているケアマネージャーが多いようです。

「新しい事に気づかせてあげる質問」をする!

利用者との対話の中で、一方的に利用者の意見を聞くだけでは、利用者の暮らしの向上に繋がるケアプランの作成は難しいでしょう。利用者の方に“考える”機会や新しい”気づき”を与えてあげることも大切です。これにはかなり高度なヒヤリング能力が必要となりますが、利用者が自分でも気づけなかったような答えを導きだしてあげられるような質問が必要となります。利用者の話を注意深く聞き、「なぜそう思うのか?」「別の方法だとダメなのか?」といった、相手に考えさせるような質問を投げかけてみるようにしましょう。

まとめ
「いい介護はいいケアマネージャーから」という言葉があるとおり、介護業界の中でも特に責任のある職種だからこそ業務範囲が広く、仕事内容も専門的な部分が多いため日々勉強をしていかなければなりません。しかし、あまりの業務量の多さに最近では、人工知能(AI)を登用してのケアプラン作成を試みている民間企業が登場しています。これがどれだけの効率化を進められるのかは未だわかりませんが、少しでもケアマネージャーの仕事の負担を軽減する一歩になることを期待しましょう。