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認知症のチームケアが大事!介護に有効なチームケアのポイントとは!?

認知症の方の介護は、経験したことのある方しか、本当の大変さ、苦労はわからないかもしれませんが、認知症を発症しているか否かで、介護のハードルも大きく違ってきます。徘徊や暴言、被害妄想などなど、認知症の進行とともに次々に起こる変化や言動に、腹が立つこと、切なくなること…たくさんあると思います。
今回は、そんな認知症のケアについて、「チームケア」というアプローチで、詳しくご説明していきます。

認知症ケアは一人では大変!チームや利用者家族も巻き込もう!

チームケアの重要性を知る

認知症ケアは、たった一人で完結するのは難しいものです。できたとしても、ベストなケアができなかったり、何か問題にぶちあたる事があるでしょう。ケアを担う人は達は、自分の限界を知る事も大切です。介護の仕事は、何でも自分一人だけでこなすのは、非常に難しい事なのです!
自分が担当になったからといって、何でも一人で抱え込もうとするのはいけません。まずは自分ができる事と、できない事を区別して考えましょう!
できない事は、他人も巻き込んで、協力してもらえばいいのです。これがチームプレーです。役割分担をうまくしていけば、互いの能力の過不足を補う事ができます。

利用者の家族も巻き込む!

認知症ケアにあたっては、チームだけでなく、利用者のご家族も巻き込んでいくといいでしょう。時代と共に、家族の形も変化しています。
その変化の中で、認知症の高齢者を抱える家族は、担いきれない問題にあたる事もあります。そうすると、家族の中で、様々な葛藤が生まれてきます。
施設などに入れた家族は、常に胸の奥で自分を責めていたり、罪悪感を感じたりしてしまうものです。反対に、施設に入所させても、面会にすら来ないご家族の方もいらっしゃいます。何らかの事情により、もう顔を見たくないという家族もいます。
ケアを提供する介護スタッフとしては、これまでの家族歴や、関係性も含めて葛藤を理解してあげ、ご家族の方とうまく付き合っていく事が大切です。
利用者のご家族も支える事が、結果的に認知症の方をサポートする事にもつながるのです!
面会に来ないご家族の方がいたら、面会に来るよう促しましょう。また、関係性が悪いようであれば、何か介護スタッフ側でも、協力できる点がないか、考えてみましょう。

観察ケアも大切に!

認知症ケアにおいては、認知症の方の生活を阻害しない程度に、観察していく事も大切です。これを「見守りケア」と言っていますが、これには、ケア提供者との情報交換や、協力が不可欠です。観察現場から離れる場合には、新たに観察ケアするスタッフに、場を離れる事や、今までの観察内容も、正確に引き継いでいきます。「観察」には、ご利用者様の身体の不調や、周辺症状を観察していく事も含まれています。周辺症状が現れる時間帯や原因、環境などにおいても、ここの見守りケアから見えてくるものです。また、身体の不調についても、日常生活の観察を通して把握できるようにしましょう!

認知症のチームケアでは目標と情報の共有が大切!

認知症のチームケアの第一段階としては、まず目標を設定してからケアを行っていく事です。チームケアを行う場合には、それぞれの利用者さんに対し、チームとしての目標を立て、共有し、それぞれがどのような対応をすればいいのかというのを考えていきます。
スタッフ同士が、一つの目標を共有する事により、日常的なケアでの情報交換もしやすくなり、利用者の状態や変化を知る事が効率的です!
勿論、対応方法とそれぞれの役割も、全員で把握できるようにしています。こうする事により、もしも問題が生じても、お互いをフォローできるようにします。
もうすでに起こっている問題についても、直接関わっているスタッフだけでなく、チーム全体の問題として、一緒に対応策を考える事が重要です。
さらには、うまくいったケアや対応についても、共有するようにします。例えば、対応の難しい利用者との会話においても、その人の心からの笑顔を引き出す事ができたなら、その理由を分析し、次回のケアに結びつけていくようにしましょう。
この時、それぞれの職種において、役割の中で得た情報交換も必要となります!
このような分析やフィードバックは、夕方のミーティングで行うなど、習慣にしておくといいでしょう。こうする事により、目標→実践→分析・振り返り→新たな目標という、良好なサイクルが生まれ、良い方向へ向かっていくのです。
うまくいった事もそうでなかった事も、全部記録に残すようにしましょう。話し合いに参加できなかったスタッフにも、情報共有しておく事は大切です!

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Q1.チームケア未経験の方へはどう対応すればいいの?

介護の世界では、色々なスタッフさんが存在しています。経験豊富のベテランスタッフもいれば、未経験でまだよく分かっていないスタッフもいらっしゃいます。熱意あるスタッフさんもいれば、冷めているスタッフさんもいます。
能力や経験知の差によって、スタッフに温度差が生じてしまい、業務に支障が出てしまう場合もあります。介護スタッフ同士のチームケアを良好な状態にするには、どのような事が必要になるのでしょうか?
業務をソツなくこなせるスタッフが、良いスタッフとも限りません。大切なのはバランスと協調性です。スタッフの得意とするものも、色々なので、お互いにフォローし合いながら、チームケアに取り組んでいこうとする姿勢が大事です。
スタッフへの不平や不満をグチグチ言っているようなスタッフたちは、支え合うという事を怠っています。
たとえ後輩が未経験で、至らない点が多かったとしても、その他のスタッフがフォローしてあげれば、全体として良い仕事ができます。介護利用者もスタッフも、皆同じ人間です。役割分担し合いながら、自分のできる事をやり、できない事は他のスタッフにフォローしてもらうなどして、より良いチームケアが成り立つようになります。未経験のスタッフがいても、できるタイミングで、できる事をさせればいいのです。業務を覚えるスピードに関しても、人それぞれです。
できないスタッフがいても、その人の良いところを見つけ、伸ばしていくようにすればいいのです。飲み込みが遅くても、理解してもらえるまでとことん話し合えばいいのです。コミュニケーションが苦手で、信頼関係がなかなか築けないようなスタッフであれば、できる人が自らお手本になり、見せてあげればいいのです!

Q2.ひもときシートは、どう活用すればいいの?

認知症介護研究・研修東京センターの役割とは

認知症介護研究・研修東京センターで4は、平成20年4月から、厚生労働省からの委託を受け、認知症ケア高度化推進事業を行っています。この事業は、認知症の方や、そのご家族のニーズに対応するために、国内外の実践例やその効果に関する情報収集や分析、評価を行い、情報発信する事により、認知症介護現場のケア向上をはかっていきます。

事業の3本柱

事業は、3つから成り立っています。

  • 個別訪問相談援助事業
  • 海外調査
  • 事例研究

(参考資料:ひもときねっと

Q3.落ち込んでいる原因がわからない時、どうすればいいの?

認知症は気分が落ち込むことがある!

認知症の症状として、気分が落ち込む、食欲がない、感情が鈍くなる、何に対しても興味が出ないというような症状が現れます。これをうつ状態と言っています。
認知症の介護で使われる「うつ」は、一般のうつとは異なり、「気分が落ち込んだうつ状態」であると判断するといいでしょう。また、抑うつは、「家で邪魔者扱いされている」など、ネガティブな妄想を起こしてしまう可能性もあります。
うつ症状は、アルツハイマー型や脳血管性、前頭側頭葉型が原因の場合もありますが、一番多い例が、レビー小体型の認知症です。これは、生活環境が大きく変わった事などが原因になりやすいものです。身内や親しい人が亡くなったり、住み慣れた場所から知らない土地へ引っ越したり、
介護施設への入所など、生活環境が大きく変わった時に、気持ちが落ち込むと、うつ症状が起こってしまうのです。

飲んでいる薬が原因の場合もある!

飲んでいる薬が原因で、気分が落ち込んでいる場合もあります。うつを起こしやすい薬の中には、高血圧の薬や鎮痛剤、パーキンソン病の薬が挙げられます。認知症の方でも服用している場合があるので、十分に注意しましょう。

<まとめ>

いかがでしたか?認知症に関するチームケアの方法が分かりましたか?認知症ケアにあたっているスタッフさんの中には、とてもつらい思いをしながら、一人で抱え込んでしまう人もいます。
「介護」という仕事をしているプロとして、選ばれた人材は、最善を尽くして、認知症の方のケアをしなければなりません。人は、何か失敗して、叱られたりすると、その失敗を隠そうとしてしまう場合があります。しかし、隠そうとすればする程、その問題も大きくなってしまいます。周りが気づいた時には、手遅れになっているケースもあります。この例は、介護スタッフの間でも、利用者さんとの間でも同じです。このような状況は、何としてでも避けたいものです。
認知症ケアは、チームプレーです。そしてチームケアが求められます。どんな些細な事でも、何でも相談し合えるチームが理想的です。

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