職務経歴書は、履歴書だけでは伝えきれない具体的な業務内容を記載できるので、詳細な経験や能力・知識をアピールすることができます。
特にアピールしたい「成果」や「結果」は、定量的かつ具体的にに数字を用いて書いていきましょう。そうすれば面接官もあなたの能力や経験がイメージしやすくなり、お互いが良いかたちで採用へと繋がるでしょう。
転職活動が初めてという方は、職務経歴書を書いたことがないという方も多いのではないでしょうか。
これまでの簡単な経歴や保有資格などを記載する履歴書であればスラスラ書けても、職務経歴書となるとどうやって書けばいいのか、なにを書けばいいのかお困りの方もいると思います。
そもそもなぜ職務経歴書が必要なのでしょうか?
履歴書に記載されている情報からでも、ある程度は求職者の経験値を予測できます。しかし、同じ業界・同じ業種・同じ施設で同じ期間就業したとしても、人やその時の環境によって得られる経験や能力は決して同じではないでしょう。
それはその人によって目指すキャリアや、目標、働き方などが異なるからです。
中途採用は基本的に即戦力を求めていますので、採用を考えている施設へ配属となった場合に、すぐに適応できるかどうかの判断材料のひとつとして職務経歴書を重要視しています。
採用を考えている施設と同規模・同種類の施設で、担当してほしい業務内容の経験を持っている人材のほうが入社後のギャップもなく、すぐに活躍してくれるイメージを持ちやすいのは当然でしょう。
施設によって、業務範囲が異なるので、お互いの認識のズレがあると、これまで経験したことのない業務を急に任されて不安を覚えると同時に、採用した施設も「イメージしてたの違うなぁ・・」とミスマッチが生まれてしまいます。
職務経歴書はより具体的に能力や経験を記載することによって、履歴書では伝えきれない長所のアピールに繋がるのと同時に、お互いのミスマッチを妨げる効果もあるのです。
職務経歴書を提出する目的がわかったところで、まずは職務経歴書の土台となる基本フォーマットについて理解していきましょう。
職務経歴書のフォーマットは特に決まったものはございません。なのでご自身で書きやすいフォーマットをWeb上などから見つけるか、一からExcelやWordを使って作成いただいても構いません。今回は一例としてオーソドックスなフォーマットをお見せしたいと思うのでぜひ参考にしてみてください。
①記入年月日と氏名の記入
記入した年月日と氏名を記載しましょう。(記入してから月日が経過している場合は書類応募をする月日に修正しましょう)
②職歴の要約を記載
これまでどういった経験をどれくらいしてきたのかをわかりやすく簡潔にまとめたものになります。
最初にこれを200~300字程度で記載しておくことによって、面接官にあなたの経験や能力が伝わりやすくなります。
③法人・施設概要
運営母体が株式会社なのか非営利法人(社会福祉法人や宗教法人など)なのか、売上高や施設の拠点数、従業員数などを記載しておくと、採用担当者にもどういった環境で働いていたかが伝わりやすく、「大手の〇〇施設だから、しっかりとした運営体制のもと働いていたのかな」や「施設規模からすると、業務範囲に捉われず、いろいろな経験を積まれてそうだな」など読み取ることができます。
④職歴の記載
より具体的な業務内容や、主体的に取り組んだ事や、それによって得られた成果などを記載します。
職歴の書き方には大きく分けて3つあり、書き方を工夫することによって採用担当者へ与えるイメージを変えることができます。
・編年体式
1社目の経歴から現在に至るまでを時系列に沿って記載していく書き方なので、初めて職務経歴書を書くという方にとっては非常に書きやすい書式だと思います。
最もポピュラーな書き方ではありますが、その分アピールしたい経験などを目立たせる工夫も必要です。
・逆編年体式
先ほどの編年体式とは逆に、直近の職歴から過去に遡りながら記載していく書き方です。
直近の経験や能力をアピールしやすい書式になるので、過去の職歴がアピールに繋がりにくい方や、異業種から転職してきて直近の経験しかアピールできない方にとってメリットは大きいでしょう。
・キャリア式
職務内容別に分けて記載していく書き方になります。異動や転職などによって、職務内容にバラつきのある方にとって有効的な書式になります。希望する職種によって記載する順番を変えることで、アピールに繋がりやすくなります。
以上のように、職務経歴書のフォーマットや書き方によって、採用担当者へ与える印象は変わってきますので、ご自身の経験や能力を書面上で一番アピールするにはどのように書いたらいいのか工夫してみてはいかがでしょうか。
ポイント① 経験・能力 |
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「どのような経験をしてきて、そこでどういった能力を培ったのか」 採用担当者は職務経歴書を見て、現時点であなたがどれだけの経験・能力を持っていて、入社後、どういうかたちで活躍してもらえそうか、をイメージします。 たとえ業界経験が少なくても、就業年数に対する経験値が高ければ、ポテンシャルの部分を評価されるでしょう。 |
ポイント② 施設の種類・働き方 |
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「どういった介護の現場で働いていたのか」 ご存知のとおり、介護施設は有料老人ホームや特別養護老人ホーム、デイサービス、グループホーム、介護老人保健施設など、施設形態は多岐にわたります。その施設によって携わる業務内容や利用者の人数、介護度も異なりますし、日勤のみや夜勤専従など働き方によっても、経験を活かしてもらえそうか判断する材料となります。 |
ポイント③ 業務の内容 |
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「これまでどんな実務経験を積んできたのか」 現在に至るまでどのような経験をし、それによってどういった能力が得られたのか、経験値を把握するとともに、どれだけ即戦力として働いてもらえそうか判断する重要なポイントになります。 |
それではこれまでの職歴をどう書いていけば良いか、具体的にレクチャーしていきます。
役職も評価されている証拠のひとつといえるので、サブリーダーやフロアリーダーなど記載しておきましょう。
「介護ヘルパーとして介護業務に従事」と記載されているだけでは、職務経歴書からあなたの経験や能力を詳細に読み取ることはできません。箇条書きでも問題ないので、「食事介助」や「レクリエーションの企画」など具体的な業務内容を記入しましょう。
先ほどお伝えしたように数字を用いて具体的な目標や達成率などを記載することももちろん大事ですが、利用者や施設長などから喜ばれたり、評価されたエピソードなどがあればアピールポイントのひとつになるので記載しておきましょう。
介護職員初任者研修の資格を取得後、訪問介護ヘルパーとして〇〇区近郊エリアで要介護度1~3の利用者様を担当。利用者様の介護度にあわせて、生活援助(買い物や料理、洗濯、掃除などの身の回りの世話)や身体介護(食事・入浴介助、排泄、着替えの補助など)に携わってきました。
利用者様とのマンツーマンでのコミュニケーションを大事にし、利用者様が少しずつ自立していくことにやりがいを感じています。
デイサービスセンターにて、日々の送迎から入浴介助、食事介助、排泄介助を中心に担当しました。
食事介助では、誤嚥の防止のため目配りを徹底し、食後の口腔ケアなども行いました。入力介助や排泄介助では安全に配慮してなるべく利用者のペースに合わせて誘導などを行いました。
また、レクリエーションの企画から進行まで行い、企画したプログラムは利用者様に高い評価を得ることができました。
常勤としてユニット制(1ユニット10名)の特別養護老人ホームにて、おむつ交換や食事・排泄・入浴介助などに従事しました。
少人数制での運用でしたので、他のスタッフとのコミュニケーションを大事にし、日中や夜間の見回りなどで得た情報などを記録して、日勤と夜勤の引継ぎなどもスムーズに回るようになりました。
また、認知症の方への対応や、実務者研修を修了したことにより、経験と知識を多く積むことができたので、介護福祉士を目指しながら、今後もこれまでの経験を活かして利用者様へより良いサービスを提供していきたいと思います。
介護付き有料老人ホームにて、日勤パートとして主に入浴介助や食事介助などに従事しました。
前職の特別養護老人ホームでの経験を活かして、要介護度4~5の利用者様に対してもスピーディーに対応することができました。
1ユニット8名のグループホームにて、身体介護・生活援助に従事しました。
認知症の方が楽しく過ごせるように、レクリエーションの企画・運営を主体的に取り組み、日々のコミュニケーションなどで受け取る小さなサインにも気を配りました。
認知症の方に対する経験と知識を得ることできたので、次のキャリアアップへ繋げていきたいと考えています。
訪問介護職員として5年間従事した後に、サービス提供責任者として8名のスタッフを統括し、ヘルパーへの指導・スケジュール管理、介護計画書の作成・説明、新規利用者様との契約、ケアマネジャーとの連携などに従事してまいりました。特に利用者様やそのご家族とのコミュニケーションを密にとることによって、少しずつ関係性を築き、お客様満足度を前年の70%から90%へ上げることができました。
〇〇大学社会福祉学部を卒業後、20〇〇年より訪問介護事業所にてホームヘルパーとして勤務。20〇〇年に社内の資格取得支援制度を利用してケアマネジャーの資格を取得。20〇〇年〇月より居宅介護支援事業所へ異動し、利用者様にとって最適となるケアプランの作成やモニタリングに従事しました。
常勤の介護スタッフとして10年勤務後、有料老人ホームの生活相談員として3年従事。
その後、施設長としてスタッフのマネジメント、勤怠管理、施設の事業計画作成、損益管理などに従事しました。
これまでに培ったノウハウやアイデアを活かして、さらなる施設の拠点拡大、サービス向上に精進してきたいと思います。
これまで主に飲食店において接客・ホール業を担当しておりました。
介護業界は未経験でありますが、接客業にて培ったコミュニケーション能力や、お客様目線に立った丁寧且つ迅速な対応を貴所でも活かしていきたいと考えています。
※現在、介護職員初任者研修を受講中。20〇〇年〇 修了予定。
さきほど業態別における職歴の書き方についてご紹介させて頂きましたが、もう少し具体的に成果や実績などを記載したい方のために項目別にまとめましたので、ぜひ参考にしてみてください。
例1 |
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介護職員として、食事介助・排泄介助・入浴介助などのサービスを提供し、多くの利用者に寄り添い、心が打ち解けられる介護を目指し仕事に取り組みました。 また、レクリエーションの企画を自主的に立案するなど積極的に業務に携わりました。 |
例2 |
ケアマネージャーと介護職の仕事を兼務し、食事・排泄・入浴介助からケアプランの作成まで幅広い仕事を行ってきました。 ケアプランの作成では、ご家族の要望と利用者の方の個性を見て判断し1人ひとりに合ったプランの作成を心がけてきました。 |
例1 |
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入居者と様々な話をし、個性を把握しプランを作成したことで、入居者の認知症の症状を少しずつ改善することができました。 |
例2 |
1人ひとり丁寧な介護を心がけたため、入居者の多くの方から信頼を集め、施設での良いスタッフランキングNO.1に選ばれました。 |
例3 |
介護ボランティアに参加し仕事以外で高齢者と触れ合うことで、新しいレクリエーションの案を立てることができました。 |
例1 |
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入居者が安心して生活できる環境を整え、毎日楽しく過ごせるような活動を企画し実行してきたことで、入居者の方から笑顔と信頼を得ることができました。 今後も様々な視点から、よりよい環境を作るための案を企画し実行に繋げたいと思っております。 また、資格の取得にも積極的に努め、向上心を持って仕事に臨む姿勢を継続させていきたいと考えています。 |
例2 |
介護職員として2年間勤務し、食事・排泄・入浴の介助などの介護サービスを行う中、入居者の方との信頼関係、職員同士のコミュニケーションの大切さなどを実感し、仕事を円滑に進めるための環境についても学んでまいりました。 今後も、入居者や職員の方から信頼を得られるよう努め、より経験を積み技術と実績を身につけていきたいと思っています。 |
例1 |
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老人ホームで介護職員として入居者に介護サービスを提供し、介護度の高い方の介護も担当し経験を積んできました。 業務を行う中で、介護度が高い方ほど、細かい介護サービスと体力が必要であることを感じました。 私は体力にも自信があり、丁寧で細かい介護を心がけているため、要介護度の高い方の入居の多い特別養護老人ホームである御社でもっと力を発揮できるのではないかと思い、志望しました。 |
例2 |
祖父の介護を担当してくれたヘルパーの方が、とても親切で人当たり良く頼りがいがあったため、私もそのような介護職員になりたいと思ったことがきっかけで、介護職に興味を持ち、介護職員初任者研修を受け勉強してきました。 また、以前より人の役に立つ仕事がしたいとも思っていたことから、認知症のケアを重視した介護を行う御社なら、多くの人の役に立てるのではないかと思い志望しました。 今後は、経験を積みながら勉強を怠ることなく日々精進しながら努めたいと思っています。 |
職務経歴書を記入する上でやってしまいがちな失敗談をいくつか紹介し、失敗しないためのポイントも同時に紹介していきます。
職務経歴書は、どのような企画に携わり、どんな成果を上げてきたかなど自分をアピールする書類でもありますが、あまりにも長い文章は担当者の方に良い印象はうけません。
そのため、わかりやすく簡潔にアピールできるような文章を記入しましょう。
たくさんの能力があっても、企業側が求めていない能力であると採用はされません。
受ける職種と関係のある能力を選び、職種と繋げてアピールすることで、企業側が即戦力になると判断し採用に繋がります。
改行など、読みやすいように工夫されていない、ただ記入しただけの職務経歴書は目にとまりにくいです。
見出しを太字にする、改行や構成などを考え見やすいレイアウトにすると、選ばれやすくなるでしょう。
職に就いていなかった時期の空白の経歴を記載することで、担当者の方は職がなかなか見つからなかった、何もしていなかったと思うため、良く思われません。
アルバイトでも家事手伝いでも良いので、そこで何を学びどんな能力を身につけたかを記入し、そこからもアピールするようにすると前向きな姿勢と捉えてもらえます。