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介護業界の離職率は高い!?その真相に迫ります!

「離職率高いんでしょ?」 「常に人手不足で大変そう」介護業界について、このようなイメージを持たれている方は多いのではないでしょうか。今回の記事ではイメージではなく、実際の離職率や離職理由はどのようなものなのか? その実態について詳しく解説していきたいと思います。いま介護職として転職をお考えの方向けに、“離職率が高い職場を見分けるポイント”も合わせて紹介していきますのでぜひ参考にしてみて下さい!

介護職の離職率ってどのくらい高いの?

公益財団法人介護労働安定センターが公表しております、平成29年度「介護労働実態調査」の結果によりますと、平成28年10月1日から平成29年9月30日まで介護職(訪問介護員+介護職員)の採用率が17.8%、離職率は16.2%となっております。この数値は他の職種と比べて高いのでしょうか? 以下の表をご参照下さい。

※引用:厚生労働省 「介護労働の現状」より

上表にあるように、介護職員の離職率は低下傾向にあるのと、他産業と比べてもやや高い水準となってはおりますが、その差は1.3%となっております。このことから、介護職員の離職率が著しく高い、というわけではないことが分かります。尚、介護職の離職率の内訳は、常勤の正規職員の場合は訪問介護員の離職率が高く、非正規職員(パート等)の場合は、介護職員の方が高くなっております。以下の表もご参照下さい。

※引用:公益財団法人介護労働安定センター「平成29年度介護労働実態調査」より

介護職の離職率の推移が低くなっている理由って?

近年、介護職員の待遇も改善されつつあります。厚生労働省の 「平成30年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要」によると、介護職員(常勤)の平均基本給額は、平成29年9月の時点で177,990円。平成30年9月には181,220円と、3,230円増となっております。決して高い数値とは言えませんが、給料が上がっていることで、離職率が低くなってきていることは間違いないでしょう。
但し、他産業と比べて介護職の採用率が高いことを考慮すると、依然として介護業界は人手不足が常態化している、といった現状は否めません。

介護職のよくある退職理由って?

それでは介護職の退職理由には、一体どのようなものがあるのでしょうか? まずは下記の表をご覧ください。

※引用:厚生労働省 「介護労働の現状」より

上表にあるように、介護職の退職理由として最も多いのが、職場の人間関係となっております。続いて結婚・出産・育児といった理由が挙がっておりますが、おおもね人間関係の問題や職場の理念、運営への不満などが主な理由と言えそうです。それでは、幾つかの退職理由について詳しく見ていきましょう。

〈退職理由①〉結婚・出産から育児への専念

女性中心の職場である以上、この退職理由は致し方ないところではあります。残念ながら、現状は福利厚生が整っている介護施設も多いとは言えず、産休や育休を設けていない、または取得しにくいといった現状もあり、ライフステージの変化と共に、離職を決意される方も多いようです。

〈退職理由②〉職場の人間関係

退職理由として最も多い「人間関係」の問題ですが、これはどの職場でも退職理由の上位に挙がるものですし、何も介護業界に限ったことではありません。介護職に限定して考えるのであれば、慢性的な人材不足による業務過多から、同僚とのコミュニケーションを取る余裕がなくなってしまうといったことや、他職種と上手くいかないといったことが挙げられます。特に後者に関しては、医療従事者との軋轢を感じる介護職員が多いようです。

〈退職理由③〉施設の理念運営、職場環境への不満

病院や施設などが掲げている理念、運営方針に共感して就職したものの、実際には全く現場に反映されていなかった、といったパターンもあるようです。介護職に就かれる方は、高い理想を持って仕事にあたる方が多く、そういった不一致は見過ごせないのでしょう。もちろん、どんなに高い理想を持った優秀な人材であったとしても、1人の人間にやれることには限界があります。残業や休日出勤は当たり前、過重労働に耐え切れずに、やむなく退職してしまうといった負のスパイラルに陥ってしまっているのは否めません。給与面での不満も含めて、今後も需要が高まる介護業界の職場環境は、早急な改善が望まれますね。

〈退職理由④〉将来への不安

基本的にルーティン作業の繰り返しという介護士の仕事に対して、人によっては将来の不安を感じる方もいるかと思います。あまり昇進に繋がる職業とは言えませんし、自らキャリアアップへの道筋を立てていかないと、昇給なども望み薄であることは事実です。

〈退職理由⑤〉収入の低さ

よく言われるように、介護職は給料が高い職業ではありません。理由③や④で述べた通り、待遇面での不満から将来への不安にも繋がり、転職を考える人も多いのです。とはいえ、退職理由としては、トップ3に入らなかったというのは意外かもしれません。給与面での悩みや不満はあれど、収入の低さが直接的な退職理由となるケースは、思いの外少ないのかもしれませんね。

離職率が高い介護施設の特徴を知ろう!

実際の離職率や就業条件は、職場によって差があります。現場で働いている介護職の方の立場としては、離職率の高い職場は、人間関係や待遇面の悪さなど何かしら離職理由になるものがあるのでは、と考えてしまうでしょう。だからこそ、次の転職先はより良い環境の施設を探すことになるのですが、求人募集欄に「うちは離職率○○%」などと書いてあるはずはありません。入社してから「こんなはずじゃなかった」と後悔する前に、書かれている条件の良さだけを見て安易に転職先を決めるのではなく、しっかりと精査して勤続しやすい職場を探しましょう!

◎離職率が高いとされる介護施設のポイントをご紹介◎

求人募集が頻繁に出ていないか
人材を厳選し採用が厳しいということもありますが、職員の離職率が高い可能性があります。
職員数に対して採用人数が多すぎないか
もちろん本当に大量募集の場合もありますが、一定の退職者が出ても大丈夫なように、という理由でこのような対応をしていることがあるので注意しましょう。
休日が少なすぎないか
求人の「年間休日」に注目をしてみてください!介護業界の平均の年間休日数は109日ほどです。つまり、それ以下の条件になってくると、他施設よりも休日が少ないということになります。
給料が高すぎないか
当然ながら、給与面で優遇されているというのは働いている側からすれば、非常に魅力的に感じます。但し、それ以外の待遇・職場環境が悪く、離職者が多いこともあるので注意が必要です。
面接の対応は適切か、時間は短すぎないか
互いのことを知る時間もなく、突然いつから来れますか?などの対応をされた場合も注意しましょう。とにかく人手が欲しいというだけで採用をしている可能性があるので、条件や福利厚生といった条件をきっちり確認しても、嫌な顔をせず教えてくれるような施設が良いでしょう。
職場見学の対応は適切か
見学に行った際には、他職員に目を向けてみましょう。笑顔も挨拶もなく、走り回り怒号やきつい物言いが聞こえてきたら、余裕がなく人手不足であることが分かります。また、施設内が清潔に保たれているかといったことも重要です。清掃などにも手が回らない、つまり余裕がない職場であると言えます。

このように、離職率が高い職場を見極めるポイントはいくつか存在します。とはいえ、膨大な求人募集から1つずつ精査していくのは難しいですよね。また、実際の現場について詳しい情報を得るとなると、非常に困難です。重要なのは、複数の職場を比較して客観的な見解を得るということです。もちろん、個人の力には限界がありますし、就業しながらとなると時間がいくらあっても足りません。そんな時には、当ケア転職ナビのような転職支援サービスをご活用下さい!ケア転職ナビでは、お一人おひとりが専任のコンサルタントに相談しながら、転職活動を進めることができます。一般的な特別養護老人ホーム・有料老人ホーム、訪問介護、デイサービスの求人はもちろん、病院・クリニックなど、さまざまな施設の募集求人をご紹介し、働き方や条件も固定勤務や時短勤務の求人をはじめ、高給与・土日祝日休みなどご希望の条件で親身になって探し、面接から入職後までサポートを行っています。
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離職率の高い介護施設を見分けるには?!

次に離職率が高い職場であるかどうかを見分けるポイントを取り上げますが、方法としては職場見学や職場体験に参加するなど、実際に自分の目で確かめてみるのが良いでしょう。
離職率の高い介護施設を特定したり、瞬時に見抜いたりすることは難しい面もありますが、ここでは離職の要因になりそうな7つのチェックポイントを紹介していきます。

①電話の応対

職場見学や職場体験の受入れがない施設の場合、貴方から受け入れの可否についての相談を持ち掛けてみることで、施設がどのような対応をするのか確認してみましょう。
例えば、電話で問い合わせた際、横柄な対応をされたり、無下に断られるようなら、可能性として日々の業務の中でも同じようなことが起こっていると考えられるので、注意しましょう。

②施設長やリーダーの人柄

職場見学の際には、施設長やリーダーなど、いわゆる施設上層部の方々に案内してもらうことが多いです。言い換えれば、その上層部の方々がマネジメントしている職場となりますので、施設長やリーダーなどの人柄は、職場の環境を映す鏡になっていると言っても過言ではありません。また、施設長やリーダーの一般職員との接し方など、貴方がその職場で馴染めそうな環境かどうか、見学の際にはしっかりと確認をしておきましょう。

③介護職員の対応

施設長やリーダーと同様に、施設見学の際には、現場の職員にも挨拶することになるはずです。入社後は貴方の先輩となる可能性のある職員ですが、見知らぬ人でも、笑顔で気持ち良く挨拶してくれるか、利用者や周囲にいる家族にまで丁寧に挨拶しているかなど、先輩職員の表情や行動を確認しておきましょう。基本的なことですが、介護の仕事に対する意識の高さや姿勢といったものは、挨拶や表情で大半は読み取ることができます。雑談などによる職員同士の楽しそうな会話を目にしても、ふとしたところで見せる険しい表情や、忙しそうに動き回っていたり、身なりも乱れて表情にゆとりがないようであれば、必ずしも良い職場であるとは言い切れないでしょう。

④介護職員と看護師の連携

介護施設は、介護職員と看護師が連携を取りながら働いている職場が多くあります。
このような場合、医療の専門知識や技術のある看護師は、介護職員に対して現場で指示を出して補助を求めることが多々あるので、どうしても看護師と介護職員の間に上下関係が生まれてしまうことがあります。そのため、連携がうまくいっていない職場も多く、コミュニケーションを取らなくなることで、人間関係を悪化させてしまうケースも多いようです。

⑤人員配置の方法

職場見学や職場体験の際には、人員の配置についても、上司や先輩に質問してみましょう。
例えば、ローテーションによる人員の配置ではなく、同じところに同じ人をずっと配置しているような場合、適材適所といえばそれまでですが、セクション間で派閥があったり、他セクションと連携が取れていないなど、そのような固定された配置の中で働くことになります。

⑥環境整備の状態

施設内の環境が整備されていることは、利用者にとって快適に過ごすことができるかどうか、重要なポイントの1つになります。
例えば、臭いがあまりに不快に感じるような状況であれば、そこまで手が回っていない環境の職場であることを表しています。

⑦地域との交流

介護施設と地域でどのような交流が図れているかもチェックしておきたいポイントです。介護施設は、閉鎖的な環境だとストレスを増長させると問題視されるケースもあり、利用者の家族や友人などの出入に留まらず、日ごろから地域の人と積極的に交流している開放的な施設のほうが安心です。地域交流は、その施設のホームページでも確認できると思いますが、施設内の掲示物などでも確認しておきましょう。

まとめ
今回は、介護の現場における離職率はどの程度のものなのか、そして主な退職理由がどのようなものか解説させていただきました。超高齢化社会となる現代で、介護職の役割はますます重要なものとなります。現在、少しずつ実施されている行政による介護職の待遇改善も、このような現状を踏まえると、より早急な対応が求められることになるでしょう。