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知らなかった!地域密着型サービスのすべて

「地域密着サービス」という言葉を聞いたことはありますか? 「何となく聞いたことはあるけど、どういったサービスなのかは知らない」といった方も多いのではないでしょうか。
「地域密着サービス」とは、認知症高齢者や要介護高齢者を対象に、介護度が重くなっても、住み慣れた地域で生活ができることを目的に創設されたサービスです。市町村に指定された事業者がサービスを行い、原則としてその地域に住む方が対象となります。しかし実際のところ、このサービスについての情報は、そこまで認知がされていないというのが現状です。今回は、そんな地域密着型サービスの特徴やサービスの種類、メリット・デメリットなどについてご紹介します。初めて利用される方にもわかりやすい内容となっておりますので、是非ご覧下さい。

『地域密着型サービス』ってなに?

「地域密着型サービス」とは、上述したように、認知症高齢者や要介護高齢者の介護度が重くなった場合にも、出来る限り住み慣れた地域で生活ができるようにする目的で作られたサービスのことです。対象者は以下の条件に当てはまる人となります。ご参照下さい。

【対象者】 ・65歳以上の人
・要介護認定を受けている人
・原則サービス事業者と同一の市町村に住民票を有する者
※40~64歳で特定疾病により要介護認定を受けている人も対象に含まれます
また、介護度より利用できるサービスが異なります。
要介護1~5の方 地域密着型サービス
要介護1・2の方 地域密着型介護予防サービス
介護予防認知症対応型通所介護
介護予防小規模機能型居宅介護
要支援2の方のみ 地域密着型介護予防サービス
介護予防認知症対応型共同生活介護のみ

一般的な居宅介護サービスとはなにが違うのか?

地域密着型サービスの特徴として、通常の居宅介護サービスとは異なる部分がいくつかあります。まず、利用者に何かあった際、すぐに急行できるよう24時間体制の緊急対応が可能です。地域密着型サービスには、訪問回数や時間、訪問間隔などの制限がありません。様々な状況に応じて、柔軟に対応できることは大きな利点となります。また、訪問介護や訪問看護、デイサービス、ショートステイが同一事業所からのサービスとなりますので、利用者にとっては顔なじみのスタッフが対応することで、まるで家族のような安心感を得ることができます。

地域密着型サービスの種類について

地域密着型サービスには様々な種類のサービスがあります。

<小規模多機能型居宅介護>
同一の介護事業者が、デイサービスを中心に、訪問、ショートステイを一体的に提供することが可能です。利用料は定額で、デイサービス、訪問、ショートステイを組み合わせる場合も定額となります。
「要支援1」自己負担額3,403円
「要支援2」自己負担額6,877円
「要介護1」自己負担額10,320円
「要介護2」自己負担額15,167円
「要介護3」自己負担額22,062円
「要介護4」自己負担額24,350円
「要介護5」自己負担額26,849円
*定額料金以外に必要な費用*
<初期加算(登録日から30日間)30円/日>
介護サービスを利用する最初の段階に支払う加算額。
《認知症加算500~800円/月》
認知症で支援や介護が必要な利用者の場合に加算される。
《訪問体制強化加算1,000円/月》
訪問サービスを担当する常勤の従業員を2名以上配置し、事業所全体のひと月当たりの延べ訪問回数が200回以上である事業所の場合に加算される。
《総合マネジメント体制強化加算 1,000円/月》
小規模多機能型居宅介護計画について、随時適切に見直しを行っている事業所の場合に加算される。
《看護職員配置加算480~900円/月》
常勤の看護職員を1名以上配置している事業所の場合に加算される。細かい条件により金額が異なる。
《サービス提供体制強化加算350~640円/月》
介護職員の総数のうち「介護福祉士」「常勤職員」の占める割合によって加算される。
※この他ショートステイを利用する場合は宿泊費(1,000~3,000円/日程度)、食費、おむつ(実費分)が必要
※自己負担は原則1割負担(利用者の所得により2~3割負担の場合あり)
※料金は地域によって単位数に違いがあり、若干異なる場合あり
<看護小規模多機能型居宅介護>
小規模多機能型居宅介護のサービスに、訪問介護が加わった比較的新しいサービスです。退院直後の自宅での生活に向けたスムーズな移行や、家族に対するレスパイトケア、相談対応による負担軽減などを目的としたものとなります。

平成24年4月に、「訪問看護」と「小規模多機能型居宅介護」を組み合わせて提供するサービスを創設し「複合型サービス」としていましたが、提供するサービス内容のイメージがしにくいとの指摘も踏まえ、平成27年度介護報酬改定において「看護小規模多機能型居宅介護」と名称を変更しました。
厚生労働省ホームページより抜粋

<定期巡回、随時対応型法訪問介護看護>
日中・夜間を通して、訪問介護と訪問看護が一体となり、連携しながら定期巡回や緊急時の対応を行う訪問サービス。
<夜間対応型訪問介護>
夜間の定期巡回による訪問介護。利用者の求めに応じた随時の訪問介護、ケアコール端末を設置し、利用者の通報に応じて対応するオペレーションサービスのこと。主なサービス内容は、1人暮らしをしている高齢者の夜間介護や緊急対応、ご家族様の夜間介護の負担解消です。利用条件は、原則その市区町村に住んでいる要介護の認定を受けた人(要介護者1~5)が利用可能になります。
「定期巡回サービス」
夜間、定期的に利用者の居宅を巡回して介護サービスを提供する「定期巡回サービス」では、ケアプランで決められた時間に訪問ヘルパーが利用者宅を巡回し、30分を目安に排泄介助や寝返り介助などの身体介助、安否確認などを行います。
「臨時対応サービス」
オペレーションサービスセンターから連絡を受け、ヘルパーが訪問して介護サービスを提供する「臨時対応サービス」では、急な体調悪化などの異変時にケアコール端末からの通報に応じてヘルパーが臨時に訪問して対応をしてくれます(都度料金がかかるので、注意が必要です)。
「オペレーションセンターサービス」
利用者からの通報を受けて、ヘルパーを訪問させるなどの対応をしてくれる「オペレーションセンターサービス」では、通報を受けたオペレーターが利用者の状況に応じてヘルパーを派遣したり、主治医へ連絡をします。救急車の手配をすることもあります。オペレーターは、看護師や介護福祉士、医師、保健師、社会福祉士、准看護士などの資格取得者が主に担当します。
※利用者は「定期巡回サービス」と「臨時訪問サービス」のどちらも利用することが可能です。
<地域密着型通所介護>
利用定員18人以下の小規模なデイサービス(平成28年4月より地域密着型サービスに移行)は、通常のデイサービスと同様に食事や入浴、レクリエーションや機能訓練などのサービスを提供しています。
<認知症対応型通所介護>
認知症高齢者を対象とした通所介護(デイサービス)は、12名以下の少人数でアットホームな雰囲気の中で入浴や食事介助、レクリエーションや機能訓練などをして過ごすサービスです。自宅から施設までの送迎も行ってくれます。このサービスは、認知症通所介護施設を単独で運営する「単独型」、他の福祉施設に併設して運営する「併設型」、認知症対応型共同生活介護(グループホーム)などの施設の一部を使って実施する「共用型」の3タイプに分かれています。それぞれタイプは異なりますが、共通しているのが、定員が少人数で人員配置の割合が高い為、手厚い介護が受けられるということです。また、認知症に関する専門的ケアを提供してもらうことができ、加えてそれらが地域密着型サービスであるという点が挙げられます。
<地域未着型特定施設入居者生活介護>
指定を受けた定員30人未満の小規模な介護専門の有料老人ホームや、軽費老人ホームで少人数の入居者に対し、食事や入浴などの生活支援や介護サービス、機能訓練などを提供しています。
<地域密着型介護老人福祉施設>
定員30人未満の小規模な特別養護老人ホームで入浴、排泄、食事等の介護、機能訓練、健康管理などのサービスが提供されます。

地域密着型サービスを利用する手順

サービスを利用する場合の手順は以下の通りです。

地域密着型のメリットとデメリット

地域密着型サービスにもメリットとデメリットがあります。下記にまとめてみましたので、ご参照下さい。

【メリット】
・時間や回数などに関して、柔軟に対応できる
・顔なじみの人からサービスを受けることが可能
・「居宅サービス」の場合、自宅で家族と生活しながら必要に応じて介護サービスを利用できる
・「施設サービス」の場合、家族が常に一緒にいられない場合でも、施設において専門家のケアが受けられる
地域密着サービスは、在宅と施設の両方でサービスが受けられ、地域の事情に合わせた手厚い介護を受けられることが、非常に魅力的な点と言えましょう。
【デメリット】
・他事業者が提供する一部の介護保険サービス(訪問介護、デイサービス、ショートステイ等)が受けられなくなる
・小規模多機能型居宅介護に所属しているケアマネジャーがケアプランを作成する為、前任との関係が切れてしまうことがある
・サービス内容に不満があっても、その部分を他の事業者へ依頼できない
・定額制の為、利用が少ない場合は割高に感じる
・各サービスに定員がある為、希望のサービスを受けることができない場合がある
実際にサービスの利用を希望されている方々は、上記のメリット・デメリットをしっかりと理解した上で、検討するように心掛けましょう。

地域密着型サービスにおける運営推進会議について

地域密着型サービスの事業者は、運営推進会議を開催しています。詳しい内容は下記をご参照下さい。

<運営推進会議の内容>
・日常サービスの提供内容や定例行事の実施報告
・利用者の構成(年齢、要介護度、利用年数等)
・事故報告(発生状況、再発防止策等)
・利用者の健康管理に係る取り組み(熱中症や感染症に対する取り組み等)
・非常災害対策の取り組み(消防計画の策定・見直し、避難訓練の実施等)
・地域連携の取り組み(地域行事への参加、異年齢交流、ボランティア受け入れ等)
<構成員>
・利用者や利用者の家族
・地域住民の代表(町会役員、民生委員、老人クラブの代表、交流している保育園や学校の関係者、ケアマネジャー、警察、消防関係等)
・事業所がある市町村の職員、事業所がある区域を管轄する地域包括支援センターの職員
<開催頻度>
・「地域密着型通所介護」「認知症対応型訪問介護看護」/6カ月に1回以上
・「定期巡回」「臨時対応型訪問介護看護」/3ヶ月に1回以上
・「小規模多機能型居宅介護(旧複合型サービス)」「認知症対応型共同生活介護(グループホーム)」
「地域密着型特定施設入居者生活介護」「地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護」/2か月に1回以上

地域密着型サービスの課題とこれから

地域密着型サービスは、サービス内容や時間帯の対応範囲が広く、それを網羅する人材を確保することが当面の課題となります。介護報酬が低い等の理由で採算が取れない為、定員が少ないのが要因の一つに挙げられます。また、ケアマネージャーへの周知が不足していることと、担当が変わることで提案がしにくいという課題もあります。利用者側としては、ケアマネージャーが変わることに躊躇してしまうケースもあります。定額制という点は分かりやすい反面、スタッフの体制など事業所の都合もあり、使いたいサービスが自由に使えるわけではない為、実際にはサービス単価が高く感じられてしまうこともあるようです。これらの課題は、特に在宅サービスにおいて顕在化しています。採算性と人材不足が深刻な問題となっている中で、今後も需要が高まってくることが予想されるサービスだからこそ、早急な対応が望まれているのです。

まとめ
いかがでしたでしょうか。地域密着型サービスは、介護度が重くなっても住み慣れた地域、または自宅でケアを受けることができるため、サービスに対する高齢者からの期待値は大きくなっています。しかし、本記事で説明してきたように、現状は採算が取れず、人材も不足しているという深刻な問題を抱えているのです。
とはいえ、これは地域密着型サービスに限ったことではありません。地域の高齢者を支えていくという考えは、サービス事業者だけでなく、地域住民が一体となって考えていく必要があると言えます。認知症高齢者がますます増加していくことが見込まれる現代社会において、地域住民による見守りは必須になってきます。ボランティアをはじめ、地域資源活用の仕組み構築なども視野に入れた、更なる展開に期待しましょう。