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ケアマネを目指すなら「居宅介護支援」についてしっかりと把握しておこう!

介護が必要になった高齢者に対し、社会全体で支え合うことを目的に制定された「介護保険制度」。現在、介護保険は40歳を迎えると全ての国民が加入することになりますが、その介護保険法保険給付対象サービスの一環として、「居宅介護支援」があるのはご存じでしょうか。
「居宅介護支援」とは、利用者が適切な生活支援を受けられるようにするため、ケアマネジャーが介護の計画を立てたり、介護サービスの手続きを代行したりすることです。
ケアマネジャーを目指されている方は、この記事を参考しながら、「居宅介護支援」の流れや対応について、しっかり把握しておきましょう。

居宅介護支援について

「居宅介護支援」とは、介護認定による要介護1~5の利用者を対象として、利用者の希望や要望を反映した自立生活を送るための目標を定め、その目標を達成するための手段をまとめる「ケアプラン」を作成するほか、利用者に合った適切な介護サービスが受けられるように様々な調整などを行うことを指します。

ケアマネジャーが「居宅介護支援」で行うサービスはどこまでが範囲?

こうした活動は、ケアマネジメントとも言われていますが、介護相談者から事情を聞く「インテーク」をはじめ、相談者の生活課題を分析する「アセスメント」、相談者の要望に応じたサービス計画を立案する「ケアプラン」、サービスの途中経過を評価する「モニタリング」、サービスを開始してから評価する「サービス評価」、サービスの評価を踏まえ、改良や調整を加える「フィードバック」の流れで介護支援を行うのが基本概念となります。
したがって、「居宅介護支援」でケアマネジャーが行うサービスとしては、「ケアプラン」の作成だけに留まることなく、要介護認定の申請の代行からサービス事業者との調整まで広範囲に及んだ対応が必要となるのです。

「居宅介護支援」を行う際の条件て何かある?

ここでは、「居宅介護支援」を行うケアマネジャーが把握しておくべきこととして、厚生労働省によって定められた指定居宅介護支援事業者に対する運営上のルールを取り上げます。
事業者に向けた運営上のルールではありますが、ケアマネジャーの対応にも大きく関わりますので、是非覚えておいてください。

[居宅介護支援事業者に対する運営上の主なルール]

※上記は、厚生労働省が定める「指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準」からの抜粋となり、各都道府県によっても条件が異なりますのでご注意ください。

利用者が居宅介護支援を受ける際の費用負担は?

基本的には、ケアプランの作成やケアマネジメントサービスはすべて介護保険が適用されるため、利用者の自己負担はありません。
但し、保険料の滞納等により、法定代理受領ができなくなった場合は、1ヶ月につき要介護度に応じて費用がかかります。この場合、指定居宅介護支援提供証明書を市区町村へ提出すると、所定額払い戻しを受けることができます。

居宅介護支援の利用方法の流れは?

「居宅介護支援」を受けるためには、要介護認定を受けることが必要です。
要介護認定の申請方法は、申請者が住んでいる市区町村の窓口もしくは、インターネットで申請書を入手して郵送で手続きすることが可能。市区町村の窓口で手続きを行う場合、本人、家族、その他の代理の方などで申請書類を提出することになりますが、本人以外が申請を代行する場合には印鑑の持参が必要です。
また、家族が何らかの事情で窓口に行くのが難しい場合には、市区町村の地域包括支援センター、居宅介護支援事業者、介護保険施設に申請を代行してもらうこともできます。
その後、市区町村窓口、地域包括支援センター、主治医などから、地域連携室に問い合わせをしてもらい、居宅介護支援事業所及びケアマネジャーの紹介を受けたら、「居宅介護支援」を開始することができます。

ケアプラン作成までの流れを把握しよう!

ケアプラン作成の流れについては、要介護認定を受けている介護者を対象とし、介護相談者から事情を聞く「インテーク」や、相談者の居宅に訪問して生活課題を分析する「アセスメント」、介護サービス提供事業者の担当者や主治医などの関係者を集めて「サービス担当者会議」など、主には下記1~3のプロセスを経て進めることになります。以下、それぞれの内容を詳しく解説していきましょう。

利用者からの問い合わせに対応する「インテーク」

「インテーク」とは、受け入れといった意味があり、相談者が訪れた際の最初の面接や、電話による相談のことを指します。
「インテーク」は電話による相談の場合が多いため、お互いに顔が見えない声だけのコミュニケーションとなりますので、相談者が話しやすいように接することに注意しながら、相談者の様々な不安を解消することも対応上のポイントとなるでしょう。

ケアマネジャーが利用者や家族などと面談する「アセスメント」

「アセスメント」は、客観的評価・査定といった意味になりますが、ケアプランを立案するための情報収集のことで、主には利用者や家族がどのような生活を望んでいるのかを聞き出し、相談者や家族が抱える課題を明らかにしたうえで、「短期目標」と「長期目標」を設定していきます。「インテーク」は電話相談の場合が多いことに対し、「アセスメント」は本人とその家族を交えて相談者の自宅で行うのが一般的と言えるでしょう。
そして、利用者が目標を達成するためにどんな支援が必要となるのかを検討を進めますが、ケアマネジャーの個人的な判断による偏りを避けるため、厚生労働省が示した「課題分析標準項目」を使って評価しています。
この「課題分析標準項目」は、歩行や排せつなどの基本的な動作から、調理や掃除などのやや複雑な動作、利用者の居住環境を評価する項目などがあり、合計23項目に及ぶ調査を実施しなければなりません。

ケアプランの作成及び介護サービス提供事業者との契約を締結

続いて、利用者からのヒアリングや「課題分析標準項目」の調査結果を踏まえ、実際に提供する介護サービスなどを具体化したケアプランの原案を作成します。
その後、ケアプランの原案を利用者とその家族に対して説明を行い、利用者の希望に沿ったものになっているか擦り合わせを行ったうえで、介護サービス提供事業者の担当者や主治医などの関係者を集めて協議する「サービス担当者会議」を開き、ここでケアプランを完成させることになります。
ケアプランが完成したら、利用者が介護サービス提供事業者と契約すればサービス開始となります。

ケアプランの作成及び介護サービス提供事業者との契約を締結

続いて、利用者からのヒアリングや「課題分析標準項目」の調査結果を踏まえ、実際に提供する介護サービスなどを具体化したケアプランの原案を作成します。
その後、ケアプランの原案を利用者とその家族に対して説明を行い、利用者の希望に沿ったものになっているか擦り合わせを行ったうえで、介護サービス提供事業者の担当者や主治医などの関係者を集めて協議する「サービス担当者会議」を開き、ここでケアプランを完成させることになります。ケアプランが完成したら、利用者が介護サービス提供事業者と契約すればサービス開始となります。

ケアマネジャーが実施するモニタリングについて

ケアマネジャーの仕事は、利用者と介護サービス提供事業者と契約すれば業務が完了する訳ではなく、サービス開始後も利用者宅に定期的な訪問をするとともに、介護サービス提供事業者にも継続的に連絡を取り続け、提供サービスなどに不都合がないかをチェックしながら、ケアプランが常に最適な状態になっていることを目指していきます。
こうした活動の中で、介護サービスの提供を開始した後に行う現状把握のことを「モニタリング」と言いますが、ケアプランで掲げた目標が達成できそうか、利用者や家族の生活に変化が現れたか、新たな課題が生じていないかなどをチェックしていきます。
「モニタリング」は、利用者の状況は時間の経過とともに変化していくことを前提としていますので、利用者及び介護サービス提供事業者に対し、月に1回以上は実施することになっています。

まとめ
ケアマネジャーの仕事は、今回記事で取り上げた「居宅介護支援」も然り、ケアプランの作成に留まることなく、利用者にとって最適なプランやサービスが提供されているかどうかを常に見直すことが重要です。そうした活動を通じて、利用者やご家族の方、関わった人たちからの評価を得ることができれば、きっと大きな励みになるのではないでしょうか。