どんな職業であっても、やはり気になってしまうのは給料事情。それは介護業界においても当然考えることですよね。
基本的にはキャリアアップをすることで給料も上がっていくと思いますが、介護業界で働いている方にとって、キャリアアップを目指す上で一つの目標となるのが「ケアマネージャー」(介護支援専門員)ではないでしょうか。そこで本稿では、ケアマネの給料事情について詳しくご紹介していきます。今後、ケアマネージャーを目指す方々にとって、必見の記事となっておりますので、ぜひ最後までお読みください!
常勤のケアマネージャー、及び非常勤のケアマネージャーの平均給与・基本給は以下のようになっております。
常勤のケアマネージャー |
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・平均給与:350,320円 ・平均基本給:217,690円 |
非常勤のケアマネージャー |
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・平均給与:122,500円 ・平均基本給(時給):1,280円 |
※厚生労働省「平成30年度介護従事者処遇状況等調査結果」より
平成30年9月と平成29年9月における、常勤のケアマネの給与額を比べると、給与全体で7,550円、基本給で1,960円増加という結果になっております。おおむね、ケアマネージャーの給料は増加傾向にあると言えるしょう。
同じ介護業界における、他職種の給料も見ていきましょう。下記表をご参照下さい。
平成30年9月 | 平成29年9月 | 差 (平成30年-平成29年) |
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介護職員 | 300970円 | 290120円 | 10850円 |
看護職員 | 372070円 | 364880円 | 7190円 |
生活相談員・支援相談員 | 321080円 | 312390円 | 8690円 |
理学療法士、作業療法士、 言語聴覚覚士又は機能訓練指導員 |
344110円 | 334500円 | 9610円 |
★介護支援専門員 | ★217690円 | ★342770円 | ★7550円 |
事務職員 | 307170円 | 300120円 | 7050円 |
調理員 | 254450円 | 249450円 | 5000円 |
管理栄養士・栄養士 | 309280円 | 301300円 | 7980円 |
平成30年9月 | 平成29年9月 | 差 (平成30年-平成29年) |
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介護職員 | 181220円 | 177990円 | 3230円 |
看護職員 | 234150円 | 231730円 | 2420円 |
生活相談員・支援相談員 | 210570円 | 206980円 | 3590円 |
理学療法士、作業療法士、 言語聴覚覚士又は機能訓練指導員 |
227070円 | 224610円 | 2460円 |
★介護支援専門員 | ★217690円 | ★215730円 | ★1960円 |
事務職員 | 208330円 | 204070円 | 4260円 |
調理員 | 176120円 | 174250円 | 1870円 |
管理栄養士・栄養士 | 206770円 | 204940円 | 1830円 |
参照:厚生労働省「平成30年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要」より
上記の表からも分かる通り、ケアマネージャーの平均給与額は、看護職員に次いで2番目に高いという結果になっております。基本給に関しましては、看護職員とリハビリ職に抜かされる形で、3番目という結果です。
それではここで、様々な観点から、ケアマネの給料がどのように変わっていくのかを紹介してきます。経験年数や年齢別、または勤務先の規模などで、違いがあることが分かるかと思います。
経験年数 | 男性 | 女性 |
1~4年 | 244,300円 | 229,200円 |
5~9年 | 279,600円 | 246,700円 |
10~14年 | 288,700円 | 262,300円 |
15年以上 | 308,400円 | 270,000円 |
※厚生労働省 「平成30年 賃金構造基本統計調査」より
上表にあるように、ケアマネージャーとしての経験年数が、如実に給与に反映されていることが分かります。ケアマネージャーは、その職業柄経験を重視されることが多いです。例えば、看護師の経験やリハビリ職の経験があるといったように、様々な状況に対処できるようなケアマネは、給料面においても優遇されやすいようです。
年齢 | 男性 | 女性 |
25~29歳 | 235,900円 | 232,000円 |
35~39歳 | 273,000円 | 231,300円 |
45~49歳 | 301,800円 | 248,200円 |
※厚生労働省 「平成30年 賃金構造基本統計調査」より
基本的には、年齢層が高くなるにつれて、給料も上がっています。先述したように、ケアマネージャーはその経験年数が給料に反映される以上、年齢が高くなれば、その分給料も上がることになります。
企業規模 | 男性 | 女性 |
1000人以上 | 262,600円 | 232,000円 |
100~999人 | 275,100円 | 243,600円 |
10~99人 | 287,400円 | 260,700円 |
※厚生労働省 「平成30年 賃金構造基本統計調査」より
興味深いことに、小さな企業であるほど、平均の所定内給与額が高い傾向にあるようです。小企業にとってのケアマネは、より貴重な人材として、優遇されているといったことが考えられます。
ケアマネージャーには、大きく分けて「施設ケアマネージャー」と「居宅ケアマネージャー」の二種類があります。前者は主に特定の施設に勤務し、後者は「居宅介護支援事業所」が職場となります。
結論を言うと、基本的には施設ケアマネの方が給料は高いようです。理由としては、施設ケアマネは残業以外にも夜勤があり、手当てが付くことにより、給料に差が出ると考えられます。但し、経営する運営母体などによって給料に大きく違いが出ますので、一概には言えない面もあります。
ケアマネージャーの質、専門性の向上を目指し、2018年以降の受験資格が変更されました。現在は、国家資格等に基づく業務経験5年、または相談援助業務経験5年のどちらかを満たす必要があります。つまり、ケアマネージャーになるための受験資格は、以前と比べてより厳しくなったのです。理由としては、今後も超高齢化社会が進む中で、国が2025年を目途に整備を進めている、「地域包括ケアシステム」の存在が挙げられます。介護と医療、それぞれのサービスが連携して支え合う体制作りが不可欠な、「地域包括ケアシステム」の実現の為に、ケアマネージャーの役割はより一層、重要なものになると考えられます。今まで以上に大きな期待を寄せられることになっていくであろう、ケアマネの価値は、今後ますます高まっていくことは間違いありません。
「特性施設における雇用管理モデル・キャリアアップモデル」というのも「介護職員処遇改善交付金」をくれる中で明記されている言葉です。
この介護職員処遇改善交付金は、当初は申請をすれば介護保険に上乗せをされて受給することができましたが、平成22年10月からは、介護職員に対してキャリアパスモデルを示すことなどが条件として付加され、この条件を満たさない場合には、一定割合の減算がされることになりました。あなたは今ヘルパーとして3年働いているから介護福祉士取得を目指してくださいね。などと事業所が提案するのです。漠然とみんなもらえるのではなく、具体的にキャリアアップの道筋を事業主が立てることで、費用を申請できます。厚生労働省のページに「キャリアアップシステム導入のための雇用管理改善推進マニュアル」という108ページのマニュアルも提起されています。そこで、ただ働くのではなく、上に目指すべきものがあることを示しています。「専門志向」「監督・指導志向」「マネジメント志向」と分かれているのもわかりやすいですね。自分が何を目指すのか明確になった時、人は努力することが出来ます。まして、職場から「こういったスキルアップを目指してはどうですか。」「こんな資格もありますよ」と明記されることはとても良いと思います。漠然とヘルパーを続けているよりも目標を持ち、資格取得などで勉強することで介護の質が上昇するというのも納得ですね。
引用元:社団法人全国老人保健施設協会