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グループホームの介護職員が悩める“人間関係”とその“改善ポイント”をご紹介!

数ある介護施設の中でも規模が小さいとされるのが認知症専門施設の“グループホーム”です。少人数制のため、介護職員同士や認知症を患っている入居者との人間関係に苦労しそうというイメージがあるのではないでしょうか?
そこで今回はグループホームの仕事内容から気になる人間関係、グループホームで働く魅力についてもご紹介したいと思います。人間関係が悪化した際の改善ポイントについてもお伝えしますので、ぜひ最後までご覧ください。

グループホームの仕事内容とは?

グループホームで働く職員さんたちは日々どのような仕事をしているのでしょうか?まずはグループホームがどのような施設なのか詳しくみていきましょう。
グループホームは別称「認知症対応型老人共同生活介護」と呼ばれています。認知症を患っている高齢者が少人数のグループで共同生活を送っている施設で、自宅での介護が難しくなった入居者の自立支援を目的とした介護サービスを提供しています。
入居条件としては「認知症と診断されていること」「65歳以上で要支援2又は要介護1以上の介護認定を受けていること」があり、比較的軽度の認知症を患っている高齢者のトイレ介助やオムツ交換などの身体的な介助支援から、一緒に料理をしたり、洗濯物を畳んだりなど、日常生活の中で必要な行動をフォローしています。
また、グループホームは入居者が住み慣れた快適な環境で、自立レベルに応じた料理や掃除などを役割分担で行い、自立した生活を送ることを目的としています。まるで自宅のようなアットホームな雰囲気があることが特徴で、家族団らんで楽しく生活しているような場所であることから「施設」より「住宅」といったイメージが強いでしょう。
さらにグループホームの施設では栄養士・調理師が配置されないため、介護職員が家事支援も行います。調理の具体的な流れについては各グループホームよって異なりますが、基本的な流れは“献立作成⇒仕入買出⇒調理⇒配膳”までを各フロアのユニットごとに行います。
しかし、最近は職員の負担を軽減するために、献立・仕入買出の工程は外注に依頼する施設が増え、調理・配膳のみという職場もあります。グループホームでは看護師の配置義務もないので、多くのグループホームでは医療ケアは行われていません。それゆえ、入居後にインスリンの注射やたんの吸引等の医療ケアが必要となった場合は、退去しなければならないこともあります。

入居者について

グループホーム施設がある地域に住民票がある方が入居対象となります。1ユニット当たりの入居者数は最大9名まで(1施設2ユニットまで)と制限されているので、入居者の名前や体調の把握などがしやすく、手厚くゆったりとしたケアが可能となります。

勤務形態について

グループホームの介護職員の多くは宿泊型で早番・日勤・遅番・夜勤に分かれて勤務しています。入居者の日常生活に合わせているため、それぞれ時間ごとに業務内容も変わってきます。たとえば、早番では起床介助などの介護業務、遅番は就寝介助などの介護業務を中心に行っています。
介護職員の人数体制は他の老人ホームよりも手厚く、昼間は3人以上、夜間は1ユニットにつき原則1人で対応するところがほとんどです。

グループホーム介護職職員の1日のスケジュール例

※朝食の準備は施設によって夜勤の職員が行っている場合もあります。入居者の対応もしながら調理を行うので経験や工夫が必要となってきます。時間があるときに次回の献立で使う食材をあらかじめ切っておくなど準備をしっかりしておくことが大切です。

グループホームに向いてる介護職員の特徴とは?

ここまででグループホームでの仕事内容や1日の流れがある程度わかったところで、気になるのはグループホームで働くにはどういった人が向いているのでしょうか?
グループホームで働きたい方や介護職員を目指した方は参考にしてみてください。

コミュニケーション能力のある方

グループホームに限らず、どこの介護施設にも当てはまることですが、介護は“人”と関わるお仕事です。入居者はもちろん、他の職員とも連携して介護を行います。その際に重要となるのが人とのコミュニケーションです。グループホームは入居者との距離が非常に近い環境であり、日々のコミュニケーションによって入居者が自宅のように安心して過ごせる空間をつくることも大切な能力です。

忍耐力のある方

グループホームは、認知症を患った高齢者の方が大半を占めますが、介護度は比較的低く、からだも元気な方が入居されています。なので、急に笑顔を求められたり、おしゃべり好きな入居者の相手をすることも多いので、忍耐力も必要な要素となります。

臨機応変な対応ができる方

利用者である入居者は、高齢にくわえて認知症の方なため、時折突拍子もない行動をしてしまう方がいらっしゃいます。そのときの対応としてマニュアル通りだけでは、なかなかうまくいかないことがあります。予期しない突発的な行動に対しても落ち着いて臨機応変な対応ができる人はグループホームの介護職員に向いているでしょう。

グループホームでよくある人間関係の悩みとは?

つづいて、気になるグループホームの人間関係について触れたいと思います。家庭的な日常生活の支援を目的とするグループホームでは人間関係が親密になりやすく、夜勤も1人体制の職場が多いため息苦しいと感じてしまったり、ストレスも溜まりやすくなります。また、介護職員は女性が大半を占める職場が多いので人間関係がこじれやすい側面もあります。
ここで具体的にどのような人間関係の悩みが多いのか、いくつか挙げていきたいと思います。

入居者に理不尽なことを言われる

グループホームに限ったことではないですが、認知症の方が入居しているため、無茶な要求や傍若無人な態度をされることがあります。元々の性格が気難しい方もいらっしゃいますが、認知症の症状として物が盗られたと思い込んで職員を泥棒扱いをしてしまったり、食後にご飯を食べてないと騒いだり…初めはどうしても認知症の方だからと割り切れずにストレスを感じることも多いでしょう。

苦手な入居者がいる

介護職員ももちろん人間なので、入居者によって苦手意識を持ってしまうこともあるでしょう。とくに高齢の男性入居者の中には非常に頑固な方がいたり、女性に対して見下した態度をとる方もいます。女性職員は特にそのような入居者に対して苦手意識を持ってしまい、そういった入居者とのコミュニケーションに悩んだりします。

入居者に依存されてしまう

介護職員は元々根が優しく世話好きな方が多いため、必要以上に入居者に対して親切にしてしまうことがあります。一見問題ないように思えますが、これがエスカレートすると、入居者が甘えてくるようになり、依存体質が高まってしまいます。そうなってはできることも甘えてしまくなるので自立支援介護のはずが本末転倒になってしまいます。

職員同士の軋轢

グループホームの介護職員は、新卒の職員から年配のベテラン職員まで幅広い年齢層の方が活躍しています。さらに職員の大半は女性のため、派閥や噂話、陰湿ないじめが水面下で横行してしまうことも。また、グループホームの場合、「料理が得意」「接客が好き」など介護以外の能力が長けている方であれば無資格や未経験の場合でも働くことができる可能性が高いため、中には自己判断で身勝手な行動をとる職員や仕事をなかなか覚えない職員と一緒に勤務することもあります。
経験者からするとヒヤヒヤしたり、イライラすることが増え、業務に支障をきたす場合も出てくるかもしれません。

グループホームにおける人間関係 5つの改善方法

それでは、入居者や職員同士との関係が悪化してしまった、もしくはより良い人間関係を築きたいとお悩みの方に、グループホームでの人間関係の改善ポイントを5つご紹介します。

改善ポイント① 入居者と信頼関係を築こう!

入居者の発言で傷ついてしまっても、まずは地道に相手をことを理解することに集中して、コミュニケーションをとりながら相手からの信頼を積み重ねていきましょう。自然と入居者がなにを求めているのか、どうしてほしいのかが対話の中から分かってくるはずです。決して無理矢理入居者の性格を指導・矯正してはいけません。
またグループホームは、アットホームな雰囲気で運営されているところが多く、新米の介護職員でも溶け込みやすい環境だといえます。新しい職員が入ってきた際、客人や孫のような感覚で迎え入れてくれる入居者が多く、コミュニケーションが苦手であったり、認知症に対する知識に不安があったりする場合でも、働いているうちに必要なスキルや知識は身に付くので、安心してじっくりと入居者と向き合っていきましょう。

改善ポイント② すぐ相談しよう!

自分では解決できない程に入居者との人間関係に悩んでしまったり、何をしてもどんどん悪化してしまう場合は、直属の上司やホーム長に相談してみましょう。
勤続年数が長い職員であれば、入居者のご家族にも詳しいことが多いので、入居者の心理状態や怒ってしまう原因がわかるかもしれません。

改善ポイント③ 適切な距離間を保とう!

入居者に依存されて人間関係に悩んでいる場合は、思い切って親切な行動を控えましょう。入居者に頼られることをやりがいと感じる介護職員にとってはモチベーションが下がる可能性もありますが、依存は自立の低下を促してしまうので、入居者の為を想って入居者と適切な距離を保つことも必要です。

改善ポイント④ 冷静な対処を心掛け、時には受け流すことも大事!

入居者の無理難題な要求にはあまり深刻に考えず、落ち着いて冷静に対処をすることをオススメします。また、入居者の発言に応じた行動を一緒に行うことも良いでしょう。時と場合によって、実現できないこともあるかと思いますが「少し待ってて」と受け流すことも大切です。

改善ポイント⑤ 相手を尊重し仲間意識を高めよう!

介護の現場は特にチームワークが大切です。一人で対応できることには限界があります。職員同士が協力し合いながら介護を行うには、日頃からコミュニケーションを小まめにとり、風通しの良い職場が理想です。
人間はどうしても他人の短所に目がいきがちですが、介護の現場では職員の長所に目を向けて、尊重し合い協力的な関係を作っていくことが改善の第一歩です。
また、身勝手な行動を取る職員や仕事への意欲がない職員には積極的に指示出しや連携をとるように行動をしましょう。やるべき内容が鮮明になると、何をするべきかが明確になるので、入居者に対して間違った行動をとることはなくなるでしょう。
当然のことながら、入居者のこれまでの人生や人柄はそれぞれ違います。マニュアル通りに決められたことを淡々とこなしていくだけでは、信頼関係を育むことは難しいでしょう。人間関係がうまくいかない時こそ常に“改善していこう”という意識を強く持って、入居者や職員と接することが重要です。入居者に誠実に寄り添おうとする気持ちは必ず周囲に伝わり、より良い人間関係を築くことができるでしょう。

グループホームの魅力はどんなところ?

ここでグループホームで働くメリットや魅力はどんなところにあるのか、下記にまとめてみましたのでご覧ください。

目が行き届きやすく、体力的な介護負担も少ない!

グループホームの入居人数は1ユニットで5~9名という少人数制のため目が行き届きやすく、見守りが比較的難しくはありません。もちろん大人しい方だけではないので、怪我や命に関わるような事故が起きないように気をつけなければいけませんが、同じフロアで働く職員と協力し合いながらなので、一人あたりの負担は重くないでしょう。
さらに介護度もそれほど高い方が多いでの、移乗介助やおむつ交換など体力的に負担のかかる介助も大規模の介護施設と比較すると少なく、とても働きやすい環境です。

長く勤めることができる!

人手不足の介護業界において、グループホームも例外なく人材の確保に苦戦しています。
採用費も高騰している中で、運営側としては今の職員に長く活躍してもらいたいという気持ちが強く、給与や待遇面の改善だけでなく、無理のないシフト調整や、職員の要望に耳を傾けるなど努力しているところが増えてきています。医療福祉業界は景気にも左右されにくいので、急なリストラの可能性は低く、腰を据えて長く勤務することが可能です。

希望休が取得できる!

365日毎日稼働しているグループホームは、勤務体制としてシフト制と取り入れています。そのため、他職員との調整も必要ですが、比較的希望する日にお休みがとりやすい職場であり、プライベートも充実しやすいメリットがあります。

評価されやすい!

グループホームは他の介護施設と比べてキャリアアップがしやすい環境です。無資格や未経験の方でも、勤務して3年程度でフロアリーダーとなるケースも少なくなく、グループホームで働く魅力のひとつとなっています。グループホーム以外での介護施設では長年働いてもなかなか評価されず、給与が数年上がらないことが珍しくありません。その中でグループホームは研修制度や資格支援制度も充実してる職場が多く、経験やスキルも身に付きやすいので、給与も上がりやすい職場が多いです。

入居者に感謝される!

入居者と生活を共にしながら支援を行うため、入居者に感謝される機会が多くあります。その「ありがとう」の言葉と役に立っているという実感にやりがいを感じてグループホームで長く働く職員が多くいます。認知症の方は人の名前や顔を覚えることは困難ですが、毎日一緒に過ごしている中で職員のこともわずかに記憶していることがあります。忘れていく記憶の中で、入居者の人生の一部となっているのはとても誇らしく感じることでしょう。

日々のサポートの成果がわかる!

入居者の中には日々の生活介助や自立支援のサポートの成果もあって、一人で自立した生活が徐々にできるようになり、認知症の症状や進行がおさまる入居者もいます。認知症の回復に関しては科学的根拠がない部分も多いので、介護職員にとって認知症の緩和は大きななやりがいに繋がります。

アットホームな雰囲気で入居者一人ひとりと向き合える!

グループホームでは、入居者とマンツーマン対応で寄り添ったケアが基本となるため、一人ひとりと向き合いながら介助や自立に向けたサポートができます。一緒に料理や洗濯、掃除をしたり、外出や散歩、買い物、園芸など、入居者と楽しめる時間が多いことも、他の施設ではなかなか味わえないグループホームの魅力になります。
また、規模の大きい介護施設では、施設側で決められたスケジュールで曜日ごとの行事などを優先することが多いですが、グループホームでは入居者一人ひとりの要望を聞きながら行事を行うので、やりがいや楽しさも一段と高まるでしょう。

まとめ
どんな職場であっても良好な人間関係を築いていくのは大変なことです。もし今現在職場で人間関係にお悩みの方は今回ご紹介した改善ポイントを参考にしながらより良い人間関係作りに取り組んでいきましょう。グループホームは和気あいあいとしたアットホームな雰囲気の施設が多く、介護職員同士のコミュニケーションも取りやすい環境なので、介護業界が初めてという方でも働きやすいので、興味のある方はぜひ一度チャレンジしてみてはいかがでしょうか。