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介護士としてキャリアアップ・キャリアパスを目指そう!

昨今の介護サービス受給者が増加する現代において、介護の業界は成長産業であると同時に、介護職に対する需要は益々高まり、将来性に満ち溢れています。
こうした成長を続けている介護業界で働く人にとっては、キャリアアップを考えたり、キャリアパスを描いたりすることは、介護職を続けていくうえでモチベーションにも繋がり、極めて重要なポイントになることでしょう。
一方、介護職員の賃金水準はまだまだ十分とは言えない現状においては、介護業界で更なる活躍を実現するためにも、キャリアアップに必要な資格の取得や、キャリアアップするための要件などを把握しておく必要があります。
この記事では、自らキャリアパスがイメージできるように、目標毎にキャリアアップするための要件をまとめたモデルケースもご紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。

介護職でキャリアアップするために最初に取得しておくべき資格とは?

まず、介護職で最初に資格を取得するなら、「介護職員初任者研修」「実務者研修」の2つにチャレンジしましょう。
「介護職員初任者研修」は、新人向けの入門的な資格として位置づけており、介護職に対する理解、認知症や障害などについても学びことができます。
最短で3週間程度で取得することが可能ですが、「介護福祉士」の受験資格に当てはまらないことや、医療的なケアの方法までは学ぶことが出来ない特徴があります。
そして、「実務者研修」は、無資格でも約6ヶ月程度で取得は可能で、介護に必要な人間の尊厳と自立、コミュニケーション技術、生活支援技術、介護過程、心とからだの仕組みなどについて学び、「介護福祉士」を目指した基礎知識や技術が修得できます。
この2つの資格はどちらからでも受験することは可能ですが、先に「介護職員初任者研修」を取得しておけば、基礎から順番にしっかりと学べるほか、「実務者研修」の受講料や受講時間の一部が免除となるのでおススメです。

「介護職員初任者研修」「実務者研修」修了後に取得するならどんな資格?

次に「介護職員初任者研修」「実務者研修」を取得した後は、更なるキャリアアップを目指すなら、実務経験3年と従事日数が540日以上で受験可能となる「介護福祉士」、実務経験5年で受験が可能となる「認定介護福祉士」、実務経験が5年以上で受験可能となる「介護支援専門員(ケアマネジャー)」などの資格の取得を視野に入れましょう。
「介護福祉士」は、介護福祉における国家資格となりますが、介護の業界では取得しておくと大いに役立ち、キャリアアップする上では核となる資格です。
「介護福祉士」の役割としては、介護者の食事、入浴、排泄、歩行などの介助に加え、介護者の家族を支援したり、キャリアが浅い介護職員に指導やアドバイスをします。
また、「介護福祉士」>の取得は、厚生労働省の調査結果「第31回介護福祉士国家試験合格発表」によると、受験者数が94,610人に対して合格者数が69,736人(合格率73.7%)で、平成29年度と平成28年度の合格率も70%を超えていますので、統計上は比較的取得しやすい国家資格ともいえるでしょう。
「認定介護福祉士」は、「介護福祉士」の上位資格として「一般社団法人 認定介護福祉士認証・認定機構」が2015年12月から開始した民間の資格となります。
「認定介護福祉士」の役割は、医療、リハビリ、福祉用具や住環境などの領域まで踏む込んだ知識を身に着けるほか、充分な介護の実践力や、介護職の小チームのリーダーに対して必要な指導を行うことが求められます。
「認定介護福祉士」になるためには、「介護福祉士」として5年以上の実務経験があることを前提となり、そのうえで「認定介護福祉士養成研修」を受講した後、そこから「認定介護福祉士」の申請及び受理されるまでには、最短でも1年以上は掛かるのが一般的です。
最後に、「介護支援専門員(ケアマネジャー)」は、2000年4月の介護保険制度導入に伴い創設された公的な資格ですが、主には介護者の介護プランを作成することができるようになるために必要なことを学びます。
「介護支援専門員」の大半は、該当地域に在住する高齢者の相談に応じる「居宅介護支援事業所」に所属し、在宅介護、通所サービスの利用に関する様々な相談を受けることになりますので、介護職としては活躍する場が広がることでしょう。但し、「介護支援専門員」の資格は、介護福祉系の資格の中でも、取得が難しい部類の資格になります。

キャリアアップのモデルケースをご紹介

ここでは、自らキャリアパスが描けるようになるために、キャリアアップの5つのモデルケースを使って、貴方が求める地位を築くために何が必要となるかを簡単に説明します。

Case 1:介護施設内の介護者を小単位でまとめるグループリーダーになりたい!

介護者約10名程度が入居している部屋のグループリーダーや、1フロア全体(介護者の入居者は約30名程度)の管理をするフロアリーダーになることを目標したキャリアップのケースを紹介します。
施設によっても異なりますが、グループもしくはフロアリーダーになるなら、「介護職員初任者研修」「実務者研修」「介護福祉士」などを取得するほか、最低でも1年以上の実務経験があることや、業務を遂行するためのマネジメント能力が求められるでしょう。
業務内容は、施設によっても役割は若干変わりますが、グループのリーダーは各種行事の企画、介護者のリスク管理やケアの方法の見直しなどを行い、フロアリーダーはフロア内のスタッフの教育や施設長の補佐などを担当することになります。

Case2:介護主任などの管理職になりたい!

介護施設の主任クラスの管理職を目指すなら、介護職員の全体をまとめる役割を担うことになります。
このケースも施設によって異なりますが、介護主任などの管理職に就くなら、「介護福祉士」や「認定介護福祉士」などを取得するほか、最低でも3~10年程度の実務経験が必要となり、人望の厚さなども求められます。
業務内容は、職場環境の改善や最適化することに加え、介護職員の採用面接から、介護職員の教育全般などが範囲に含まれてきます。

Case 3:施設長などの管理者として仕事をしたい!

施設長などの管理を目指すなら、管理者として介護職員全員の勤怠管理などのマネジメント業務はじめ、介護者の個人情報や秘密情報の管理、介護職員の採用面接や、施設の収益向上などが求められます。
施設長などの運営管理の場合、資格や経験が必要になる場合と必要でない施設があります。
例えば、特別養護老人ホームを例に挙げてみると、「社会福祉主事の要件を満たした者「社会福祉事業に2年以上従事した者」「社会福祉施設長資格認定講習会を受講した者」のいずれかに該当していて、「介護福祉士」などの資格や、介護に関する知識や経験が豊富であれば、管理者として仕事に就ける可能性が高まるでしょう。

Case 4:現在の介護職の経験を活かして介護の相談員として働きたい!

介護に関わる相談員を挙げると、介護施設で相談員業務を行う「生活相談員」、訪問介護事業所で相談員業務を行う「サービス提供責任者」、現場での介護業務は行わず、相談員としての業務に専念する「介護支援専門員」の3つがあります。
このうち、「介護支援専門員」を目指すなら、前提として介護支援専門員実務研修受講試験に合格する必要がありますが、介護支援専門員実務研修受講試験の受験資格だけでも、介護福祉士、視能訓練士、管理栄養士などの国家資格を保有し、その国家資格その資格にもとづく業務経験が5年以上で、且つ生活相談員、支援相談員、主任相談支援員などの相談員として従事した業務経験が5年以上は必要となります。

Case 5:介護の現場の仕事からは少し離れて介護教員として働きたい!

「介護教員」とは、福祉系の科目を学生に教える教員の仕事です。活躍する場としては、主に介護福祉士養成校の教員、実務者研修や介護職員初任者研修の講師、福祉系高校の教員が挙げられますが、「介護福祉士」の資格を取得し、5年以上の実務経験がある者か、大学や高等専門学校で教授、准教授、助教授又は講師として、その担当する教育に関し教授する資格を有する者もしくは、専修学校の専門課程の教員として、その担当する教育に関して3年以上の経験を有する者のいずれかに該当することが条件となります。
このほかにも、「介護教員講習会」の研修を受けることが必要です。
更には、「介護教員」になった後は、介護福祉士養成校の専任教員となり、3年以上の専任教員経験を経て、カリキュラム編成の責任者「教務主任」になることも出来ます。

実際、資格や経験はお給料に反映されるの?

ここまではキャリアアップするための資格や方法などについて取り上げてきましたが、実際に賃金がどこまで反映されるのか、気になっている方も多いことでしょう。
キャリアアップするうえで、地位や名誉はもちろんですが、介護職員の給料は資格の有無によって差が付くかどうかは、とても大切なことです。
厚生労働省の「平成29年度介護従事者処遇状況等調査結果」によると、介護職員の「保有資格別の平均給与額」が記載されています。
このデータを読み取ると、勤続年数が長いほど資格を所有している率も高く、勤続年数と保有資格に比例して、賃金にも差が出ていることが推測できます。保有資格に対する手当は、施設によっても待遇は異なりますが、賃金に反映されるところが多いようです。
そして、ここ数年の大きなトピックとしては、介護サービスの人手不足を解消することなどを狙いとして、2019年10月の実施に向け、勤続10年以上の「介護福祉士」は月額平均にして8万円相当の賃上げする方針を政府が打ち出しました。
今後、こうした政府の動きに合わせ、介護職においては保有資格をはじめとする賃金の見直しが益々加速することになるでしょう。
以下、保有資格別の平均給与額を紹介しますので、参考にしてください。

保有資格別の平均給与額

資格  平均勤続年数 平均給与額(平成29年9月)
保有資格あり 7.4年 95,730円
介護福祉士 8.2年 307,100円
実務者研修 6.9年 285,180円
介護職員初任者研修 6.5年 276,450円
保有資格なし 4.6年 258,540円

※出典:厚生労働省「平成29年度介護従事者処遇状況等調査結果」。

まとめ
今回の記事では、介護業界でキャリアアップ・キャリアパスを目指すために必要なことを取り上げてきました。
介護職には様々な資格があるので、資格を取得すればキャリアアップの可能性を広げてくれることでしょう。
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